Super GT:第二日決勝

不安定な天候、路面に翻弄される中、10位入賞を果たす!

日付 2014年7月20日
天候
気温 23℃
路面状況 ドライ

決勝レポート

みちのく仙台で迎えたSUPER GT第4戦SUGO。前日は天候の悪化により、予定されていた公式予選がキャンセルされ1DAYレースとなった為、日曜日は慌ただしい朝を迎えることとなった。

通常フリー走行が行われる時間帯に公式予選がスタート。だが、スケジュールの都合上、ノックアウト方式ではなく、今回は1チーム・1ドライバーによるアタックに。そこでNo.24 D'station ADVAN GT-Rでは、経験値の高さを最重要視し、ベテランのミハエル・クルム選手にアタックを託した。

GT300クラスのアタックを経て500クラスのセッションがスタート。気になるコンディションは降ってるのか降っていないのかわからないほどの細かい雨となり、路面もウェット。路面コンディションに合うレインタイヤを使っての一発アタック、といきたかったが、走行中にギアトラブルが発生。リスクを回避するため、緊急ピットインしてすぐに修復が始まった。

スタッフによる懸命の作業で修理も完了。クルム選手は再度コースインしたが、すでにアタックするには存分な時間も残っておらず、結局早いタイミングで計測された1分22秒441のタイムがチームベストとなり、24号車は14番手からの追い上げを誓うこととなった。

その後、天気は薄曇りながら雨が止み、午後2時からのスタートを前にまだコースの一部は濡れているとはいえ、スリックタイヤに適したコンディションまで回復する。結果、グリッド上で待機する車両にはスリックタイヤが装着され、そのままスタート。81周のレースを予定していたが、フォーメーションラップが追加されたことから、79周による戦いとなった。

No.24 D'station ADVAN GT-Rのスタートを担当したのは佐々木大樹選手。シーズン初のスタート担当ながら、落ち着いてミッションを遂行。しかしタイミング悪く、コース上にはスタート直後から雨が降りはじめ、スタンドには次々と傘の花が開くことになった。ここでスリックからレインタイヤへと交換するチームも現れたが、チームではこのままステイアウトし、周回を重ねる戦略を実行。足下に細心の注意を払った佐々木選手は滑りやすいコースをひたすらコントロールすることに尽力した。

その甲斐あって、No.24 D'station ADVAN GT-Rは7番手まで浮上。長らくそのままのポジションをキープ、51周で迎えたルーティンワークのピットインまで集中力を絶やすことなく周回を重ねた。このタイミングでは雨は降っておらず、チームでは新たにスリクタイヤを装着。無駄のない作業でクルム選手を送り出す。

SUGOでは、決勝レースで荒れた展開になることが多く、これまで「魔物が棲む」とよく言われてきた。そして今年の戦いも同じような展開を招くことになる。終盤、これまで耐えてきた上空から雨が落ちはじめ、ピットインを終えたばかりの各チームも再びタイヤを交換すべきか否か、難しい判断を問われる状況に。一方でチームは少しの濡れた路面ならばスリックでの走行を継続、という判断を下していたことから、しばし静観していたのだが、雨は次第に本降りへと変わったため、チームも止むなくピットインを指示。レインタイヤへと交換した。

このあと、チェッカーまでクルム選手は難しいコンディションの中、懸命にクルマをコントロール。10位でレースを終えた。慌ただしく、また難しいコンディションの中、最善を尽くしたドライバー、そしてチームの奮闘により、10位入賞を達成、1ポイントを獲得した。富士、鈴鹿へと続く、真夏の厳しい戦いに向け、いい流れを作ったことには違いない。

近藤監督のコメント

近藤監督

疲れるレースでした。しかしあのポジション(15位)からスタートし、粘りの走りで結果を残せた。厳しい状況でポイントを獲れたのはうれしいですね。朝の予選中にギアのトラブルが突発的に出ましたが、これもあのタイミングで出て良かったとも思います。本当に10位以下でゴールするのと、10位とはいえ入賞してレースを終えるのとでは気持ちもかなり違ってくるので、次につながるいい結果だと思います。タイヤを変えてコースに送り出して、変えたタイヤの心配をして、またピットインしてタイヤを変えてコースに送り出して、また心配をして…という繰り返しだったので、まだまだ課題が残っていることは明らかです。厳しい中、ドライバーたちは飛び出すことなく、ぶつけることなく、ちゃんと指示どおりに走ってくれたのが一番大きな成果ですね。

ミハエル・クルム選手のコメント

ミハエル・クルム選手

今回、監督が適宜に判断を下してくれたことで、僕らは難しい状況の中でもしっかりと自分たちの闘いをすることができたと思います。最後の僕のスティントは、ウェットタイヤでドライコンディションを走らなければいけないという、とても不利な条件だったので、正直いい走りができないものとなりましたが、とにかく最後の最後まで粘って戦い、ポイント獲得を目指しました。もう少し上位の成績が狙えると思っていましたが、それでも10位入賞し、ポイント獲得ができたので良かったと思います。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹選手

スタート前にスリックタイヤが全然温まっておらず、案の定、ピットでレインタイヤに変えてコースに向う台数が結構いました。それでも僕たちはウェットに変えたところでコンディションに合うタイヤをもっていないので、スリックでいこうと決めていました。実のところ、ホントに最初は(タイヤが)温まらず、GT300にも抜かれるなど、まずいなと思ったのですが、その後は乾いてくれたおかげでスティント後半はそこそこのペースで走れるようになり、一応ポジションとしては7番手までいけました。そういう意味では比較的頑張れたのかなと思います、今回は難しいレースで、辛抱するレースでもあったので、その中でコースアウトせず、ちゃんとクルマをクルムさんへと運ぶことができました。それで最終的に1点とはいえポイントも取れたので良かったと思います。

エンジニアのコメント

エンジニア

今回のレースでは、タイヤ選択に右往左往したわけでもなく、その時々のコンディションに合わせるべく最善を尽くしたつもりです。とにかく不安定な天候にどう向き合うかが大事な戦いでした。ただ天候が僕ら向きでなかったことが最大のポイントで、結果的に厳しい戦いになりました。そういう中でもドライバーはキチンと仕事をこなしてくれて、最終的に入賞することができたのは大きいと思います。

リザルト

決勝結果

GT500
Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF. LAPS WH
1 1 ZENT CERUMO RC F 立川 祐路/平手 晃平 1:47'49.984 79 30
2 37 KeePer TOM'S RC F 伊藤 大輔/A.カルダレッリ 1'20.016 79 68
3 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越 広大/金石 年弘 1Lap 78 10
4 36 PETRONAS TOM'S RC F 中嶋 一貴/ジェームス・ロシター 1 Lap 78 16
5 6 ENEOS SUSTINA RC F 大嶋 和也/国本 雄資 1 Lap 78 56
6 39 DENSO KOBELCO SARD RC F 石浦 宏明/オリバー・ジャービス 1 Lap 78 26
7 46 S Road MOLA GT-R 本山 哲/柳田 真孝 1 Laps 78 32
8 18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT 山本 尚貴/F.マコヴィッキィ 1 Laps 78 22
9 12 カルソニックIMPUL GT-R 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ 2 Laps 77 84
10 24 D'station ADVAN GT-R ミハエル・クルム/佐々木 大樹 2 Laps 77 16

WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT 1'13.667