雨に翻弄されて、悔しい結果に
日付 | 2014年8月10日 |
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天候 | 雨 |
気温 | 28℃ |
路面状況 | ウェット |
前日に続き、台風11号の影響を受けた静岡・富士スピードウェイ。SUPER GT第5戦のレースは、降ったり止んだりの雨に右往左往する慌ただしい展開になってしまった。
雨量によってクルマのポテンシャルをうまく引き出すことが難しいのがNo.24 D'station ADVAN GT-Rの現状。チームでは少しでも有利になるようにとあらゆる戦略を組み立て、レースに挑むことになった。結果、まずはスタートドライバーを務めたミハエル・クルム選手が落ち着かない天候の中で、しぶとくまた冷静なレース運びに徹し、周回を重ねていく。そしてライバルたちが次々とルーティンワークのピットインを実施する中で、クルム選手はなおもステイアウト。これは、規定周回数ギリギリまで走行、雨が少なくなってきた路面コンディションを待ってピットインした際にスリックタイヤを装着しよう、という戦略に添ったものだった。
難しい条件でのチャレンジを任された佐々木大樹選手だったが、決して動じることなくこのミッションに挑んでいく。まだ濡れているコースでスリックタイヤを装着しての走行は高いハードルではあったが、佐々木選手はノーミスで走り続けたが、天候の急激な変化によって、SCランとなったためにすべてが振り出しに戻ってしまった。土砂降りの中、スリックタイヤでの走行は危険極まりなく、結局、再びレインタイヤを装着するためにピットインを実施。ポジションダウンは避けられず、15位でレースを終えることになった。
今日のレースも昨日の予選と同じで、そのコンディション下で装着できるタイヤが僕らにはなかったということになりますね。雨の中、まず僕がスタートを切りましたが、ルーティンワークのピットインのタイミングを考えたとき、少しでもチャンスを広げられる方法として、最大限ピットインを遅らせることでした。そこで、監督と無線でやりとりしながら、そのタイミングをいつにするのかを探りながら走りました。タフなレースになることは容易に想定できたので、結果的にもしょうがない、と思う部分もあるのですが、もししっかりと雨が降り続けていたら、また違った展開になっていい順位も十分に狙えたと思います。それを思うと悔しいですね。
ピットインのときにスリックタイヤにするかどうするかはギリギリまで決めていませんでした。ピットに入ってからでないとタイヤの状況がわからなかったので。僕としては任されたもので頑張るしかない状態でした。そのときの状況としては、チャンスがあったわけだし、チームとしての選択はいいものだったと思います。スリックタイヤでのパフォーマンスが出せる天候が続けば、ポジションアップの可能性も十分にあっただけに残念ですね。僕としては厳しいコンディションの中、飛び出さず、チームベストタイムを出し、仕事ができたのは良かったです。自身のレベルアップを確認することができました。
毎回、「タラ・レバ」の話ばかりになってしまいますね。まず、意表をついた作戦をとらなければいけないこと自体が良くないということです。とはいえ、できることは色々とチャレンジしなきゃいけないし。今回は、そこに加える運というものがなかったですね。こういう不安定なコンディションでの戦いでしたが、ドライバーふたりはそれぞれの仕事をしっかりとこなしてくれたとは思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | WH |
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1 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本 尚貴/ フレデリック・マコヴィッキィ |
2:56'20.543 | 66 | 28 |
2 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ ロニー・クインタレッリ |
2.129 | 66 | 54 |
3 | 32 | Epson NSX CONCEPT-GT | 中嶋 大祐/ ベルトラン・バゲット |
3.570 | 66 | 2 |
4 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越 広大/ 金石 年弘 |
5.106 | 66 | 32 |
5 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F | 中嶋 一貴/ ジェームス・ロシター |
5.775 | 66 | 32 |
6 | 46 | S Road MOLA GT-R | 本山 哲/ 柳田 真孝 |
6.804 | 66 | 40 |
7 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史/ 武藤 英紀 |
8.081 | 66 | 14 |
8 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R | 安田 裕信/ J.P.デ・オリベイラ |
11.510 | 66 | 88 |
9 | 37 | KeePer TOM'S RC F | 伊藤 大輔/ アンドレア・カルダレッリ |
13.663 | 66 | 98 |
10 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT | V.リウッツィ/ 松浦 孝亮 |
16.878 | 66 | 6 |
15 | 24 | D'station ADVAN GT-R | ミハエル・クルム/ 佐々木 大樹 |
1Laps | 65 | 18 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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1 | ZENT CERUMO RC F | 1'39.125 |
天気の神様に見放されているんですかね。勝てるレースではないですが、最後に覚悟してスリックタイヤを選択してコースに出したらどんどんタイム出してきたので、これは! と期待できたんです。ラスト10周が勝負だと思いました。一時はタイヤ無交換も考えましたが、万が一雨が止んで路面が乾くという展開になると、ツラくなるのは読めましたからね。スリック(タイヤ)に交換するために、(先にスタートした)クルムには限界まで周回数を引っ張ってもらいました。今の僕らが持っている道具で出せる力以上のことができた戦略ではあったのですが、残念ながらそれを天気が全部逆方向へもって行った感じですね。まぁ本来はギャンブルなしのレースがしたいんですが、まだ力不足の部分があるので、タイヤの開発を続けていかないとね。次の鈴鹿1000kmでは、いい道具が入ってくるので、ドライでしっかりといいレースができることを期待しています。