不安定な天候、思わぬアクシデントにも屈せず、11位フィニッシュ
日付 | 2015年4月5日 |
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天候 | 曇/雨 |
路面状況 | ウェット |
下り坂の天候となった第1戦岡山のレースウィーク。決勝日は前夜からの雨が残り、朝のフリー走行はウェットコンディションの中で走行が続けられた。
ところがその後、一旦雨が上がり、レース前のピットウォーク中は傘も不要な状態に。このまま天候が回復し、決勝はドライコンディションで行われる可能性も見えてきた。ところが山あいにあるサーキットは依然として灰色の雲が一面に広がるばかり。チームでは近づく決勝に向けてタイヤ選択はもちろんのこと、あらゆる状況を想定しての戦略づくりに時間を割いて戦いへの準備を進めることになった。
ダミーグリッドに全車が整列。雨は降っていなかったが路面はまだウェット状態。さすがにスリックタイヤを装着するのは難しいと判断したチームでは、この先、乾いていくであろう路面を意識した上でハード系のレインタイヤを選択し、スタートドライバーとして佐々木大樹選手を送り出した。
オープニングラップで10位までポジションアップ。だが、ライバル勢に対し、思うようにラップタイムが上がってこない。10周もしないうちに予選順位を下回るポジションでの走行が続いた。後に判明したことだが、この時点ですでに佐々木選手は無線のトラブルとブレーキトラブルの両方を抱えており、ドライビングに集中するのが難しい状態だった。
これに気付いたチームスタッフは、出来得る手段で佐々木選手とコンタクトを取ることで、レースを続行。タイヤの消耗具合に探りを入れつつ、併せて周りの状況をも考慮し、49周終わりでピットインする判断を下した。
佐々木選手からバトンを受け取り、自身初のGT500決勝レースへと向ったルーカス・オルドネス選手。途中雨が降り始め、クルマのコントロールにも細心の注意を払って周回を重ねていく。タフなコンディションの中、12位から11位へとポジションアップしたものの、前車とのギャップはすでに大きく開いており、終始ひとり旅での戦いとなったが、粘り強く走り切り、11位でフィニッシュを果たすことになった。
開幕戦での入賞はあと一歩で逃すことになったが、今回の実戦によって様々な状況を把握し、改善策を見出したチームでは、第2戦富士での更なるステップアップを目指して戦いを続けていく。
変化する天候に対し、最終的に選択したタイヤがうまく作動しなかったと思います。これでクルマのバランスも崩れてしまい、コントロールするのが難しかったですね。僕自身もGT500での走り方、レースマネージメントをまだ勉強中。今日、30周をウェットコンディションで走ったのも初めてでしたが、すべてを経験値として受け入れ、次戦に活かせればと思います。富士ではしっかりポイント獲得できるよう、更に進歩したいです。
レース中に雨が降る確率は低いだろう、路面も次第に乾くだろう、という判断の下、ハード系のウェットタイヤを選択しました。一方で、無線がピット側の声は届くものの、ドライバーの声がピット側のスタッフに届かない、という一方通行の状態になり、コンタクトを取るのがひと苦労でした。そういうこともあり、クルマが抱えているトラブルが何なのかを把握するのに時間がかかりました。結果として、ドライバーが攻めたくとも攻めることが難しい状況を作ってしまい、申し訳なかったと思います。GT500初レースとなったルーカスにはソフト系ウェットタイヤを装着してもらったのですが、まだ勉強中という状況の中、まずまずの走りを見せてくれました。今後、ふたりのドライバーの力をうまく引き出せるようなクルマ作りをさらに強化していきたいと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
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1 | 37 | KeePer TOM'S RC F | A.カルダレッリ/平川 亮 | 2:12'00.419 | 82 | |
2 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 42.663 | 82 | |
3 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/石浦 宏明 | 44.265 | 82 | |
4 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT | 松浦 孝亮/野尻 智紀 | 48.768 | 82 | |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | 平手 晃平/ヘイキ・コバライネン | 23.259 | 81 | |
6 | 15 | ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史/オリバー・ターベイ | 1'08.923 | 82 | |
7 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ | 1'13.573 | 82 | |
8 | 46 | S Road MOLA GT-R | 本山 哲/柳田 真孝 | 1Lap | 81 | |
9 | 6 | ENEOS SUSTINA RC F | 大嶋 和也/国本 雄資 | 1Lap | 81 | |
10 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 脇阪 寿一/関口 雄飛 | 1Lap | 81 | |
11 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/ルーカス・オルドネス | 3Laps | 79 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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8 | ARTA NSX CONCEPT-GT | 1'30.701 |
前半からブレーキトラブルが出て、タイムが上がらずレースができる状態とは言えない中で走っていました。選択したタイヤと合わせ、クルマのポテンシャルを引き出すことができませんでした。悔しいですね。無線が使えないこともあり、これまでで一番辛いレースになりました。