KONDO Racing、5年ぶりの優勝!富士で初のGT頂点に!
日付 | 2015年8月9日 |
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天候 | 晴 |
路面状況 | ドライ |
予選日とは異なり、真夏のじりじりとした強い日差しが照りつけた決勝日の富士スピードウェイ。夏休み真っ最中のこの日、サーキットには3万6400人もの観客が来場。300km先にある勝利の行方を見守った。
佐々木大樹、ミハエル・クルム両選手の今シーズン初コンビで挑んだ前日の予選では、6位のポジションをゲットしたNo.24 D'station ADVAN GT-R。セッション終了後も翌日の決勝に向けてミーティングを重ね、入念な準備に尽力した。結果、決勝日の朝に行われたフリー走行では4番手につけるなど、さらなる高みに向けて着実に成果を見せることとなった。
迎えた決勝。気温は31度、路面温度は45度まで上昇。レースウィークで一番の暑さとなる中、午後3時に66周にわたるレースのスタートが切られた。No.24 D'station ADVAN GT-Rのスタートドライバーを務めたのはクルム選手。オープニングラップを5位で通過、その後も安定したタイムをキープし、5、6番手での走行を続ける。チームではライバルの動向を意識しつつ、遅めのタイミングでピットインを実施。32周を走り終えたクルム選手がピットへ滑り込んだ。
この時、No.24 D'station ADVAN GT-Rを含む上位争いの3台が同時にピットイン。チームではこれをチャンスとばかり、迅速な作業を成功させてピットでの逆転を果たす。佐々木選手は5位から追い上げを開始。まずは緩急をつけた走りで様子を伺い、さらに逆転の隙あらばタイミングよく勝負に挑むという、冷静沈着な攻めの走りを披露。No.100 NSXを粘りの走りで逆転すると、次はNo.36 RC-F、さらにNo.1 GT-Rまでも次々とかわして行った。60周目には2位へと浮上、目指すは首位奪取に絞られた。
高い集中力を誇る佐々木選手は、その後もチャンスを逃さず61周目のメインストレートでトップのNo.38 RC-Fを逆転! ついにトップに躍り出る。残り5周、ラップ毎に後続との差を広げる力走を見せた佐々木選手が悲願のトップチェッカー!! ついにNo.24 D'station ADVAN GT-Rが今シーズン初優勝を果たすことになった。
なお、今回の勝利により、KONDO Racingは2010年第1戦鈴鹿以来となる優勝を達成。久々の美酒に酔うこととなった。
今日のレースはみんなキツい展開になるとは思っていました。だからこそ諦めずに戦いました。気持ちで負けないように最後までプッシュした結果だと思います。最高でした。前に誰もいない状態でウィニングラップをすることができたので、本当に嬉しいです。監督は競っている間、無線を通じて最後まで行け、とプッシュしてくれました。それで僕自身も後押ししてもらえたし、励ましてもらえました。
ピットインのタイミングはほぼ予定どおりだったし、いい状況を作り上げながら走れたと思います。(2位になった)去年のタイ戦と同じような流れでレースができていたし、今日は最後までやるぞ、という気持ちを保つことができました。周回数が残り10周を切ってやっと3位まで上がれたので、そういう意味では(上位争いに)間に合って欲しいなという強い思いがありました。去年のタイ戦みたくはなりたくないな、と。だからタイミングよく抜くことを心がけました。早めに仕掛けることもできたし、結果が出て良かったと思います。
嬉しい! SUPER GTでは2004年の十勝戦以来、11年ぶりの勝利です!今日は本当に素晴らしいレースになりました。大樹という素晴らしいパートナーがミスなく走ってくれて、強い走りを見せてくれました。このチームに加入して3年待ったけれど、頑張っていればどこかでいい風は吹くものなんですね。昨日の予選結果に対しては落ち込んだけれど、それでもやれることは一生懸命やってレースに挑みました。その成果が出たということですね。運もありました。クルマもいいフィーリングだったし、手応えを感じながら走ることができました。すべてがいい方向へと進めることができたわけですが、勝つときってそういうものですからね。本当に良かったです。
今日のドライバーは二人揃ってしっかりと頑張ってくれました。チームとしても時間いっぱいまで頑張って準備をしてレースに挑みました。一方で最後までバランスは見切れなかったので、装着したタイヤの温度レンジが合わず、タイヤにピックアップ(タイヤかすをひろってしまうこと)があったんです。
実は、朝のフリー走行の段階でこういう結果になるとは思っていませんでした。ウチのタイヤがタレないのはわかっていたのですが、タレなければポジションキープ(6位)かなと思っていたんです。今回の結果は、僕の中では予想外でした。
勝利のポイントはドライバー。頑張ってくれたということです。今回は(佐々木)大樹がメインとなってセットアップし、マイケルの意見を聞きつつ、クルマ作りは大樹と進めていきました。結果、どちらかといえば大樹寄りのクルマにはなっていましたが、それをうまく乗っていたマイケルもすごいと思います。結果につなげた大樹もすごい。結果が出てホッとしました。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
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1 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/ミハエル・クルム | 1:44'07.199 | 66 | 8 |
2 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/石浦 宏明 | 4.704 | 66 | 22 |
3 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ | 5.765 | 66 | 54 |
4 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 6.995 | 66 | 52 |
5 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 12.617 | 66 | 30 |
6 | 15 | ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史/オリバー・ターベイ | 20.781 | 66 | 18 |
7 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F | 伊藤 大輔/ジェームス・ロシター | 22.491 | 66 | 28 |
8 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越 広大/武藤 英紀 | 28.804 | 66 | 38 |
9 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | 平手 晃平/ヘイキ・コバライネン | 30.733 | 66 | 32 |
10 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 脇阪 寿一/関口 雄飛 | 41.646 | 66 | 14 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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38 | ZENT CERUMO RC F | 1'30.800 |
今までの3レースもいい風が吹いていました。振り返ると、昨シーズンの終盤戦からその風を感じてもいました。どこで勝ってもおかしくない状況だったのに、ブレーキトラブル、接触、ターボトラブル…と思わぬことで結果を残すことができていませんでした。それを考えたら、もうそろそろ勝ってもいいだろう、という気持ちでもありました。
決勝でいいパフォーマンスを見せるタイヤもあったし、天候的にも恵まれました。中でもドライバー二人がしっかりと頑張ってくれていい仕事をしてくれました。レースの展開も僕らに味方してくれたと思います。全部が全部、僕らの味方になってくれて、これまでツイていなかったものがすべて流されたようですね。
レース終盤からは本当に落ち着かなかったですね。久々に優勝のチャンスが巡ってきたわけですから。加えて、コースも荒れていて、メインストレートで黄旗だのオイル旗だの出ていて、慌ただしかった。気が気でなかったです。今回の勝利によって、NISMO、ヨコハマタイヤ、そして数多くのスポンサーに対してようやく恩返しをすることができました。チームとして2010年の開幕戦以来の勝利ですが、ここまでの道のりは長かったです。この富士で勝てたことがまたチームとしての成長につながると思います。本当にありがとうございました。