波乱のレースをくぐり抜け3位表彰台を獲得!
日付 | 2015年9月20日 |
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天候 | 晴 |
路面状況 | ドライ |
決勝を前に青空が広がる秋晴れの天気に恵まれたスポーツランドSUGO。気温もぐんぐんと上昇し、暑さを覚える中で81周にわたる戦いが幕を開けた。東北地方で唯一開催されるこの一戦を見届けようと2万8500人もの観客が来場。みちのくの決勝レースでは、バトルあり、波乱ありのドラマが繰り広げられた。
予選5番手からのスタートを迎えたNo.24 D'station ADVAN GT-R。スタートドライバーを担当したのはミハエル・クルム選手。魔物が棲むと揶揄されるSUGOの一戦は毎回何か起ると言われるが、幸いにオープニングラップはいたって安静だった。ポジションキープで戦いを開始したクルム選手は、後続との攻防戦に応じる形で周回を重ねていった。
レースに動きが見えはじめたのは25周目あたりから。上位陣の1台がアクシデントでピットイン。一方、後方では激しいポジション争いが続き、GT300クラスの周回遅れを巻き込んでのバトルが繰り広げられており、その中でGT500同士が接触。内一台がガードレールにヒットし、クルマを大破させてしまった。これにより、セーフティカーがコースイン。各車の車間距離が瞬く間に詰まり、さらに31周目にピットレーンオープンが宣言されると、大半のクルマがルーティンワークのドライバー交代を行なうべく、一斉にピットへとなだれ込んできた。
他サーキットに比べてピットが小さく、またピットレーンも狭いSUGOゆえ、ピット前は瞬く間に大渋滞。No.24 D'station ADVAN GT-Rにとっては行く手を阻まれるような形となり、逆転のチャンスを逃すことになってしまった。しかし、ステアリングを委ねられた佐々木大樹選手は終盤に向けて徐々にペースアップ。緩急を突く走りで周回遅れのGT300車両をうまくかわしていく。途中、6号車 RC Fを追随しつつ、後続の1号車 GT-Rからのプッシュを受けるという複雑な状況のなかで、勢い余って最終コーナーでワイドに膨らむというシーンもあったが、最後の最後まで集中力を切らすことなく周回。チェッカーまで残り僅かとなった78周目の1コーナー飛び込みで6号車を逆転。ついに3番手へと浮上した。この勢いはチェッカーまで変わらず。結果、今シーズン2度目となる表彰台に上がることとなった。
追いかける立場なので、前の相手が周回遅れのGT300の車両をうまく使ったりすると自分の行き場がなくなったりして。途中、ペースが落ちることもありました。でも最後、帳尻をうまく合わすことができて6号車を抜くことができたので、本当に良かったです。タイヤのピックアップも気になっていたのですが、大丈夫でした。後半のペースも結構良かったし、やりすぎかな、と思うほど大幅に曲がるようなセッティングにしたんですが、後半に向けてバランスがうまく合ってきました。最後のほうは確かに乗りづらい状態でしたが、ペースは速かったし…。そういう意味ではいいクルマでした。最後は落ち着いてレースができて良かったです。
ドライブ中は自分の走りに集中するよりも、目の前のトラフィックの処理のほうが大変でした。タイヤかすに乗ると影響を受けましたね。今回はどちらかというとアグレッシブな方向でのセットアップだったので、攻めの走りを心がけました。後半担当の大樹も攻めていたし、クルマにも速さがありました。一方でSUGOは狭いので抜くためにはオフラインを走らなきゃいけない。計算できない部分なので、そこは難しかったですね。結果的にはセーフティカーで上位6台までが詰まり、チャンスがあると感じましたね。そのひとつであるピットストップは勝負になると思ったし、みんなと無線で確認したんです。「ピット勝負になるから、ガンバロウ」って。残念ながら影響を受けることになって、結構ショックだったし、怒りも感じた。多分トータル10秒はロスしたでしょうね。もちろん、タラ・レバですが。今日は最後に(佐々木)大樹が頑張ってくれて、すばらしいオーバーテイクショーを見せてくれたけれど、その一方でトップに出たら勝てるという自信もあったので、今は悔しさの方が大きいですね。
今回、ドライバー二人には本当に感謝しています。チームとしての成績とはいえ、コースに出てしまえばあとはドライバーの頑張りだけですから。決勝でもタイヤのピックアップが出ました。ストレートを走るときに後半担当の(佐々木)大樹はクルマを左右に動かすことで一生懸命タイヤカスを取ってましたね。今日は難しい展開をドライバーがよくまとめてくれたと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
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1 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 1:51'43.118 | 81 | 58 |
2 | 46 | S Road MOLA GT-R | 本山 哲/柳田 真孝 | 2.689 | 81 | 60 |
3 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/ミハエル・クルム | 38.585 | 81 | 40 |
4 | 6 | ENEOS SUSTINA RC F | 大嶋 和也/国本 雄資 | 42.564 | 81 | 38 |
5 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 脇阪 寿一/関口 雄飛 | 42.968 | 81 | 36 |
6 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 48.812 | 81 | 78 |
7 | 15 | ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史/オリバー・ターベイ | 1'25.080 | 81 | 28 |
8 | 37 | KeePer TOM'S RC F | 塚越 広大/武藤 英紀 | 1'05.955 | 81 | 44 |
9 | 37 | KeePer TOM'S RC F | A.カルダレッリ/平川 亮 | 1Lap | 68 | |
10 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/石浦 宏明 | 2Laps | 79 | 88 |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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46 | S Road MOLA GT-R | 1'13.504 |
一番良かったことは、あれだけ荒れた中でほぼ100%ノーミスで戦えたこと。ミスがあればポジションを下げる要因になりますから。特にSUGOではそれが後々響くから、スタート前から口酸っぱく言ってました。それも良かったし、タイヤのパフォーマンスの進化も味方になってくれました。後半担当した(佐々木)大樹は攻防戦の中でも落ち着いていましたね。前にターゲットが現れるとさらにタイムアップしたし、心強かったですね。チーム、クルマ、すべてが向上し今回のような荒れたレースでも粘り強く戦い抜くことができました。表彰台の真ん中も狙えたであろう展開だったのでその悔しさもある一方、着実に仕事をして3位になってホッとしたという両方の思いがありますね。終盤戦、さらにいい走りができるのではないかと期待しています。