シリーズ最終戦、激変の天候に苦しみ12位チェッカー
日付 | 2015年11月15日 |
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天候 | 曇/晴 |
路面状況 | ウェット&ドライ |
今シーズンのファイナルレースを迎えたツインリンクもてぎ。早朝の段階でまだ天候は雨模様。朝のフリー走行でも前日に引き続き、ウェットコンディションでのクルマのセットアップを確認するなど、戦いに向けて細かな作業を重ねていた。
ところがセッション終了後、雨が上がり薄曇りの空が一面に広がり、やや冷たい風が吹きはじめる。さらに一部のエリアで霧が出るなど不安定なコンディションとなったことから、スタート前に行なわれるウォームアップ走行の時間が10分延長され、18分間を使って最後の調整が行なわれた。
各車がダミーグリッドに整列を終えると一瞬ポツリポツリと雨が落ちたものの、それ以上悪くなることはなく、午後1時40分、53周にわたる戦いの火蓋が切って落とされた。まずは栃木県警のパトカー2台による先導によってパレードラップを実施。そしてフォーメーションラップへと突入する。するとコース上にはまぶしい日差しが照りはじめ、そのまま太陽が居座るというまさかの好転ぶり。コース上の雨量の変化が早まり、各車タイヤのマネージメントが難しくなった。
11番手からスタートを切った D'station ADVAN GT-Rのミハエル・クルム選手は序盤にポジションアップを成功させ、順調にラップを重ねていくが、コースの早い回復ぶりに装着しているレインタイヤでの応対が難しい状況へと追いやられ、苦戦が始まる。それでも粘り強くクルマをコントロールし、ドライバー交代が可能となる周回数を迎えるまでタフな戦いに挑み続けた。
19周を走り終えたクルム選手がピットイン。ドライタイヤへと交換し、佐々木大樹選手がコースへと向う。大事な追い上げがかかるポジション争いに集中したいところだが、背後には優勝争い中の車両もおり、極めてタフな状態。だが佐々木選手は攻めるところは攻め、周りの状況を把握しつつ、周回を重ねた。だが、惜しくもポジションアップのチャンスに恵まれなかったため、12位でのチェッカーを受けることになった。
今シーズンは第4戦富士で優勝、第6戦SUGOで3位表彰台の成績を残した D'station ADVAN GT-R。ステップ・バイ・ステップで現在も進化が続くチームのさらなる飛躍に今後も期待がかかる。
僕はもう、勝負権がない状況で走ることしかできない状態でした。コースに戻ったときには、その後方でトップ争いをしているクルマだったので。前とやり合っている一方で、後方にトップ車両がいるので青旗が出るし、思うようなことが何もできませんでした。トップが後ろにいるって…(苦笑)。でもドライコンディションではしっかりといいペースで走ることができました。今年は優勝もできたし、ドライバーとして成長できた年だと思います。
最初のうちはいいパフォーマンスをすることができました。これでポジションを8番手まで上げることができたし、このような状況でのタイヤが強いということは証明できたと思います。ただその後、雨が止み、日が照り、路面が乾いてくると別の問題が出てきて、タイムも落とすことになりました。問題がはっきりしたものの、ポジションも後方に落とすことになり、悔しかったですね。しょうがないけれど、最終戦だったのでいい戦いがしたかったですね。
確かに天候次第の難しいコンディションでしたが、タイヤ開発と考えればそれなりの収穫はありました。ピットインはミニマムの周回数となりましたが、それを踏まえた上での戦略を立ててレースにも挑みました。チームの力、与えられた条件をうまく出すことはできたと思います。また、後半の(佐々木)大樹選手は難しいコンディションでの周回が続き、一度クルマを滑らせたこともあって色々大変だったと思います。ただシーズンを通して色々と経験を重ね、成長もしてくれたと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAP | WH |
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1 | 37 | KeePer TOM'S RC F | A.カルダレッリ/平川 亮 | 1:43'10.687 | 53 | - |
2 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田 次生/ロニー・クインタレッリ | 0.591 | 53 | - |
3 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本 尚貴/伊沢 拓也 | 1.389 | 53 | 25 |
4 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ | 1.63 | 53 | - |
5 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川 祐路/石浦 宏明 | 3.112 | 53 | - |
6 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F | 平手 晃平/ヘイキ・コバライネン | 4.375 | 53 | - |
7 | 15 | ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT | 小暮 卓史/オリバー・ターベイ | 10.490 | 53 | - |
8 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越 広大/武藤 英紀 | 1'33.028 | 53 | - |
9 | 6 | ENEOS SUSTINA RC F | 大嶋 和也/国本 雄資 | 1'39.104 | 53 | - |
10 | 19 | WedsSport ADVAN RC F | 脇阪 寿一/関口 雄飛 | 1Lap | 52 | - |
12 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 佐々木 大樹/ミハエル・クルム | 1Lap | 52 | - |
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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19 | WedsSport ADVAN RC F | 1'41.384 |
最後の2レース、オートポリスとここはうまく行かなかったですね。去年も残りの2つで勝てたレースを落としているんですよね。でも結果としての順位は良かったんです。ところが今日はちょっとツラい展開になってしまいました。ただ、原因がはっきりしているわけでそれを今後活かしていけばいいだけのことです。つまり、今週末のレースでヨコハマタイヤのいいところが活きた部分もありましたが、まだ足りないところもはっきりしたというだけのこと。今シーズンもそうですが、タイヤにはいい思いをさせてもらっているし、ともに開発して成功体験も得られています。逆に悔しい思いも共有しているわけで…。今日はコンディションがすべてでしたね。とはいえ今日の悔しさはすべて今後のタイヤ開発にすべてフィードバックされるので、そこに期待しています。ステップ・バイ・ステップで進化しているので、来年に向けてしっかり準備し、また周りから「強くなったな」と思われるような存在を目指します。