レース1でポイント獲得、タフでハードな2013年シーズンを終える
日付 | 2013年11月10日 |
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天候 | 雨 |
気温 | 14℃ |
路面状況 | ウェット |
早朝から雨模様の天候となった鈴鹿サーキット。今大会は2レース制であるため、通常、決勝日の朝に実施されるフリー走行のセッションはなく、午前10時20分からレース1が、そして午後2時30分からレース2が行われる。
〈レース1〉
レース1では雨こそ降ってはいなかったが、すでに路面はウェットコンディションとなっていたことから、8分間のウォームアップセッションを実施。レインタイヤを装着してのクルマのセッティング調整など、スタートに向けて着々と準備を進め、20周の戦いが幕を開けた。
ダミーグリッドに全車が揃いスタート進行が進む中、あろうことか開始直前には再び本降りの雨がサーキット上空から降り始めた。15位からスタートを切ったKONDO RACINGの安田裕信選手。不安定なコンディションをもろともせず。落ち着いてクリアなスタートを切ると、いきなりオープニングラップで9番手まで浮上。引き続き高い集中力で逆転のチャンスを狙って周回を重ねていった。
勢いあまって5周目のシケインをショートカットするというハプニングも見られたが、その後もペースを乱すことなく順調に走行する粘りを披露。終盤に入ると、前方の車両とヘアピンで好バトルを展開する中、さらに前にいた別の車両がオーバーランすると、それをチャンスとして見事に逆転! 終始攻めの走りに徹し、8位でチェッカードフラッグを受け、前戦菅生大会に続きポイントを獲得した。
〈レース2〉
天気予報では午後3時前後に本降りの雨になるという天気予報がアナウンスされていたが、午後に入るとサーキットには青空が広がり、穏やかな天候が戻ってくる。しかしながら、レース2のダミーグリッド上では、レインあるいはスリックタイヤのどちらを装着してスタートを切るべきか、時間ぎりぎりまで判断を待つチームの姿があった。
レース1と異なり、レース2ではピットインし、タイヤ交換を行う義務がルールとして設けられている。一方でレインタイヤを装着してスタートを切る場合、タイヤ交換の義務は発生しない。ルーティンワークでロスする時間と、レインタイヤでのラップタイムを視野にいれ、各チームはそれぞれ戦略に沿ってタイヤを選択。KONDO RACINGでは15位からスタートを切る安田選手の車両にセオリーどおりレインタイヤを装着。クリアスタートを切った。
薄曇りの中、オープニングラップを終えるとまず4台がピットイン。安田選手は2周目を終えてピットへ戻り、スリックタイヤを装着してコースへと復帰した。なお、この周でピットインした車両も多く、安田選手は16番手から再びポジションアップを目指して周回を重ねていく。
レース後半、僅差の戦いを続けていた後方車両とのバトルが激化、安田選手は懸命にクルマをコントロールして応戦する。だが、シケインでのミスが響き逆転を許してしまった。だが諦めることなく追い上げを続けていたところ、なんとレース終了まであと数周に迫る時点でコース上には急な雨が降りはじめ、あっという間にコンディションが大きく変化してしまう。スリックタイヤでのコントロールが極めて難しくなる中、安田選手は巧みなドライビングを見せ、窮地を凌ぐことに成功し、13位でフィニッシュ。今シーズン最後となる公式レースを終えた。
レース1では水しぶきがあがり、視界確保が難しい中でのレースとなりました。でもその中で落ち着いて戦い、ポイント圏内での走りがしっかりできて良かったです。浅溝のタイヤで走ることは大変難しかったですが、バトルもできていいレースができたのはとてもうれしかったですね。一方で、レース2では、スタートはそこそこ普通にうまくできたのですが、路面がそれなりに早く乾いてしまったので、ピットインも早めに行いました。ところがアウトラップのダンロップコーナーのアウト側で、濡れていたところのラインを取ってしまい滑ってポジションを下げてしまいました。その後は前を追いかけたものの、今度はシケインでロックし…また抜かれてしまうことになりました。悔しい展開でしたね。最終盤の雨のコントロールも大変でしたが、レース全体が後味の悪いものになって残念です。
雨のレース1ではレース展開もうまく運び、安田選手もライバルたちとバトルすることができたのですが、レース2のようなドライのレースになると、速さを引き出すのが難しい展開になりました。追い上げるには厳しい戦いでした。スプリントカップでは、思いっきりドライバーに戦ってもらえるといいなと思います。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAP | TIME | DELAY | BEST TIME |
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1 | 16 | TEAM無限 | 山本 尚貴 | 20 | 38'52.509 | 179.25km/h | 1'55.016 |
2 | 31 | NAKAJIMA RACINGL | 中嶋 大祐 | 20 | 39'01.117 | 8.608 | 1'55.261 |
3 | 19 | enovo TEAM IMPUL | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | 20 | 39'03.386 | 10.877 | 1'55.383 |
4 | 20 | Lenovo TEAM IMPUL | 松田 次生 | 20 | 39'04.467 | 11.958 | 1'55.191 |
5 | 38 | P.MU/CERUMO·INGING | 平手 晃平 | 20 | 39'07.415 | 14.906 | 1'55.055 |
6 | 7 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans |
平川 亮 | 20 | 39'08.105 | 15.596 | 1'54.078 |
7 | 2 | PETRONAS TEAM TOM’S | ジェームス・ロシター | 20 | 39'30.208 | 37.699 | 1'55.360 |
8 | 3 | KONDO RACING | 安田 裕信 | 20 | 39'31.199 | 38.690 | 1'55.707 |
9 | 15 | TEAM無限 | 佐藤 琢磨 | 20 | 39'31.944 | 39.435 | 1'55.088 |
10 | 40 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 伊沢 拓也 | 20 | 39'37.640 | 45.131 | 1'56.586 |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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7 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans |
1'54.078 (17/20) 183.25km/h |
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAP | TIME | DELAY | BEST TIME | |
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1 | 1 | PETRONAS TEAM TOM'S | 中嶋 一貴 | 28 | 50'24.755 | 193.52km/h | 1'42.779 | |
2 | 32 | NAKAJIMA RACING | 小暮 卓史 | 28 | 50'45.358 | 20.603 | 1'43.675 | |
3 | 16 | TEAM無限 | 山本 尚貴 | 28 | 50'46.480 | 21.725 | 1'43.682 | |
4 | 7 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans | 平川 亮 | 28 | 50'47.018 | 22.263 | 1'42.705 | |
5 | 8 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans |
アンドレア・カルダレッリ |
28 | 50'48.111 | 23.356 | 1'43.413 | |
6 | 2 | PETRONAS TEAM TOM'S | ジェームス・ロシター | 28 | 50'53.885 | 29.130 | 1'43.338 | |
7 | 38 | P.MU/CERUMO·INGING | 平手 晃平 | 28 | 51'35.104 | 1'10.349 | 1'43.008 | |
8 | 15 | TEAM無限 | 佐藤 琢磨 | 28 | 51'37.296 | 1'12.541 | 1'43.864 | |
9 | 40 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 伊沢 拓也 | 28 | 51'41.233 | 1'16.478 | 1'43.756 | |
10 | 41 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 武藤 英紀 | 28 | 51'43.233 | 1'18.478 | 1'44.033 | |
13 | 3 | KONDO RACING |
安田 裕信 |
28 | 52'05.975 | 1'41.220 | 1'44.288 |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
7 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans |
1'42.705 (21/28) 203.55km/h |
雨絡みの不安定なレースでいい戦いができたのは、安田にとって大きな収穫だったと思います。レース1は荒れた展開の中、安田がうまくまとめる戦いを見せてくれたので褒めてあげたい。上位陣と遜色ない戦いを見せてくれましたね。レース2でもいいところをさらに見せてもらいたかったのですが、ドライの展開では前に追い付けるようなスピードがなかったね。シーズンを通し、根本的にスピード不足がチームとしての問題としてあったような気がします。