前日同様、五月晴れに恵まれた決勝日。2レース制となった今回、まず午前10時5分から25周におよぶレース1が開催された。予選10番手からのスタートとなったジェームス・ロシター選手は、ニューマシンに搭載されたハンドクラッチシステムでのスタートを見事に決め、オープニングラップで6番手までポジションアップに成功。前を走る39号車に迫る走りを続けた。
レース1はピットストップなし25周でのスプリント戦。接近戦に持ち込めば、約20秒間にわたって燃料が通常より多く供給され、約5%エンジン性能がアップするオーバーテイクを補助するOTS(オーバーテイクシステム)を使うことも可能。しかし、39号車との攻防戦はそのシステムを用いるほどの僅差とはならず、ロシター選手は着実な走りで周回を重ねていくことになった。その後も自己ベストタイムを更新する走りを見せ、6位でチェッカー。まずは開幕戦に続いて入賞ポイントを獲得することとなった。
続くレース2は、午後2時30分からのスタート。35周、約160kmでのピットインが義務付けられた戦いになる。眩しい日差しが照りつける絶好のレース日和の中、No.3 フジ・コーポレーション KONDO SF14をドライブするロシター選手は、レース1に続いてジャストタイミングのクラッチスタートを決め、10番手からまたも5台を抜き5番手までポジションを大きく引き上げる活躍を見せる。
前方にいるのは、レース1同様に39号車。目の前に迫るライバルを逆転すべく、ロシター選手はサイド・バイ・サイドへと持ち込み、激しいブレーキング競争へと持ち込む。その後もペース良く、緩急を突いた走りを見せるロシター選手。次なる逆転のチャンスは義務付けられたピット作業となる予定だった。だがしかし、発進時にエンジンストール。まさかの出来事に再スタートまで多くの時間を要し、ポジションを大きく落としてしまった。
気を取り直し、チェッカーを目指したロシター選手。しかし実際は、攻めの走りをする中でタイヤには大きなフラットスポットが出来ており、その影響によるバイブレーションがひどくなる一方だった。十分なコンディションとは言い難いクルマをなだめるようにドライビングを続け、ロシター選手は17位でレースをフィニッシュ。悔しさの残る結果となったが、レースにおいて、スタートの上手さや、ポイント圏内で好バトルでのパフォーマンスを存分に披露することとなり、次回、第3戦富士に向けて多くの期待が持てる戦いでもあったといえる。
決勝結果
Race 1
Pos. |
No. |
TEAM |
DRIVER |
LAP |
TIME |
DELAY |
BEST TIME |
|
1 |
19 |
Lenovo TEAM IMPUL SF14 |
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ |
25 |
35'37.680 |
191.598km/h |
1'24.834 |
|
2 |
37 |
PETRONAS TOM'S SF14 |
中嶋 一貴 |
25 |
35'42.883 |
5.203 |
1'25.261 |
|
3 |
8 |
Team KYGNUS SUNOCO SF14 |
ロイック・デュバル |
25 |
35'44.759 |
7.079 |
1'25.240 |
|
4 |
36 |
PETRONAS TOM'S SF14 |
アンドレ・ロッテラー |
25 |
35'45.402 |
7.722 |
1'25.089 |
|
5 |
39 |
P.MU/CERUMO・INGING SF14 |
国本 雄資 |
25 |
35'54.238 |
16.558 |
1'25.460 |
|
6 |
3 |
フジ・コーポレーション KONDO SF14 |
ジェームス・ロシター |
25 |
35'55.167 |
17.487 |
1'25.684 |
|
7 |
20 |
Lenovo TEAM IMPUL SF14 |
ナレイン・カーティケヤン |
25 |
36'04.107 |
26.427 |
1'25.785 |
|
8 |
11 |
HP SF14 |
ヴィタントニオ・リウッツィ |
25 |
36'16.127 |
38.447 |
1'26.292 |
|
9 |
31 |
NAKAJIMA RACING SF14 |
中嶋 大祐 |
25 |
36'18.107 |
40.427 |
1'26.239 |
|
10 |
41 |
DOCOMO DANDELION M41Y SF14 |
武藤 英紀 |
25 |
36'20.877 |
43.197 |
1'26.401 |
|
Fastest Lap
No. |
TEAM |
LAPTIME |
19 |
Lenovo TEAM IMPUL SF14 |
1'24.834 4/25 193.635km/h |
Race 2
Pos. |
No. |
TEAM |
DRIVER |
LAP |
TIME |
DELAY |
BEST TIME |
|
1 |
36 |
PETRONAS TOM'S SF14 |
アンドレ・ロッテラー |
35 |
50'45.074 |
188.450km/h |
1'25.120 |
|
2 |
19 |
Lenovo TEAM IMPUL SF14 |
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ |
35 |
50'48.571 |
3.497 |
1'25.047 |
|
3 |
37 |
PETRONAS TOM'S SF14 |
中嶋 一貴 |
35 |
51'01.617 |
16.543 |
1'25.481 |
|
4 |
8 |
Team KYGNUS SUNOCO SF14 |
ロイック・デュバル |
35 |
51'06.143 |
21.069 |
1'25.548 |
|
5 |
1 |
TEAM 無限 SF14 |
山本 尚貴 |
35 |
51'10.553 |
25.479 |
1'25.676 |
|
6 |
20 |
Lenovo TEAM IMPUL SF14 |
ナレイン・カーティケヤン |
35 |
51'17.633 |
32.559 |
1'25.543 |
|
7 |
39 |
P.MU/CERUMO・INGING SF14 |
国本 雄資 |
35 |
51'25.877 |
40.803 |
1'25.584 |
|
8 |
7 |
ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO |
平川 亮 |
35 |
51'27.375 |
42.301 |
1'26.317 |
|
9 |
10 |
HP SF14 |
塚越 広大 |
35 |
51'27.946 |
42.872 |
1'26.036 |
|
10 |
11 |
HP SF14 |
ヴィタントニオ・リウッツィ |
35 |
51'34.175 |
49.101 |
1'26.323 |
|
Fastest Lap
No. |
TEAM |
LAPTIME |
19 |
Lenovo TEAM IMPUL SF14 |
1'25.047 17/35 193.150km/h |
<レース1>
スタートはとても良かったですね。加えて、僕の前にいるクルマがスタートに失敗したこともあって、直後からポジションアップすることができました。1コーナーからすでにバトルが始まっていて、とくにアンドレ(・ロッテラー)とやり合うことになりました。その後は小康状態になったので、みんながそれなりの速さで安定したペースの中、レースをすることになりました。
後半は6番手から前にいる国本(雄資)選手を追い続けていたし、僕のほうがペースも速かったんですが、逆転するには周回数が少なかったですね。それが残念でした。OTSはレース2に取っておくのがいいという判断で、レース1では使いませんでした。多用しても、トップ3に追い付くような状況ではなかったし、使いたいタイミングがなかった、ということですね。とにかく、ポイントが加算できて良かったです。
<レース2>
グッド&バッド!
レース1はグッドで、レース2はバッドってことなんですが、レース2のスタートはレース1より良かったですね。当初、僕らは1周目を終えてすぐにピットストップをする戦略だったんですが、オープニングラップが良くて5番手まで上がったじゃないですか。なので、チームには無線で「ピットインさせないで!しちゃダメだ!」って伝えたんです。39号車とのバトルですが、向こうはストレートがすごく速く、逆に僕のクルマはダウンフォースがあってブレーキもいい状態だったので、ストレートでは逆転されても、僕がコーナーで抜き返す、っていうパターンでした。すごくやり甲斐がありました。
一方で、ピットスタートの練習のたびに同じようにエンジンストールしていたので、レース中のストールも決して"アンラッキー"だけではないと思います。チームのみんなはとても頑張っていい仕事をしてくれたし、スタート自体も良かった。でもレースでトラブルに見舞われたことによって、すべてが終わってしまったんですからね。
レース終盤はバイブレーションがひどくなり、ちゃんと前を見ることができませんでした。ペースアップもできず、ポイント獲得もできませんでした。結果だけみると残念なものですが、士気を下げることなく、次は表彰台を狙っていきます!