Fomula NIPPON:第二日決勝

KONDO RACING、突然の雨に翻弄されて8位フィニッシュ

日付 2014年7月13日
天候 曇りのち雨
気温 27℃
路面状況 ドライ&ウェット

決勝レポート

全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦の決勝を迎えた富士スピードウェイ。梅雨前線の北上により、朝から薄曇りの天候となり、雨の到来が懸念された。しかしながら、No.3 フジ・コーポレーション KONDO SF14のチームドライバー、ジェームス・ロシター選手はウェットコンディションを得意としており、不確定要素を味方につけたいところ。本人もやる気満々で決勝に挑んだ。

第2戦と同じサーキットとはいえ、前回の2回のスプリントレースに対して今回は55周の長いレース。気温22度、路面温度25度と真夏の暑さにはほど遠いコンディションの中、ロシター選手は完璧なスタートを決めてオープニングラップを2番手で終了。その後、上位陣は僅差での攻防戦を展開し、ロシター選手もその中でミスなく果敢な攻めの走りを見せて2番手をキープ。そのままピットワークのタイミングを迎えた。

32周目、トップを走る19号車のオリベイラ選手がピットに向うと、同じタイミングでロシター選手もピットへ。待ち受けるチームメカニックが迅速なピット作業でタイヤ交換を完遂し、コースへと送り出した。結果、ポジションキープに成功し、再び2番手から追い上げを開始する。一方で、後方には36号車のロッテラー選手が迫り来る。ちょうどその頃からポツリポツリと雨が落ちはじめ、グランドスタンドにはあっという間に傘の花が!
ここは我慢のしどころとコース上で奮闘するロシター選手だったが、36号車の先行を許し、3番手から追い上げを続けた。すると今度は、トップ走行中の19号車がスピン。これを機にコースへセーフティカーが導入され、レースはコントロール下に置かれることになった。

セーフティーカーの導入と共にピットインし、ウェットタイヤへと交換するクルマが続出。結果的にトップ36号車と2番手につけるロシター選手の2台だけがスリックタイヤのままSCランでのラップを重ねることになったため、戦いの行方はますます渾沌としたものへと変わっていく。しかしながら、不運にも残り3周でリスタートを迎えた頃にはさらに雨脚が強くなり、トップ2台にとってはチャンス喪失に等しい状態。なんとかマシンをコントロールするも、足下がレインタイヤのマシンの勢いには勝てず、結局ロシター選手は8位でチェッカーを受けることとなった。

雨のタイミングに翻弄された今回、非常に悔しい結果に終わったが、速さと安定感を手に入れたロシター選手、そしてレースマネージメント及びピット作業においてスキルアップを果たしたチームは、シーズン後半戦をさらに力強く戦っていくに違いない。

近藤監督のコメント

近藤監督

5、6位をずっと走ってそのままフィニッシュするよりは、攻めの走りをしてくれたのが良かったですね。勝てるか勝てないかの状況の中でずっと戦ってくれていたし、最後まで勝てるチャンスを信じて走っていたし、またスタッフも完璧なピット作業をしてくれた。今回のレースウィークは、決勝レース(55周)の50周くらいまではみんなパーフェクトな仕事をしていたと思いますよ。あとはもう、運というか天災というか…。(スリックタイヤでトップ争いをしていた)あの状況ではピットインさせられませんよ。だからもし(トップの)ロッテラー選手がピットインしたらウチもピットインしたでしょうが、2台が競っていた状態だったから100%無理でした。残念ながら雨があそこまで降り続けるとは…。最後の5周だけ、運に見放されたという感じですかね。悔しいけれど、今シーズンはずっといい戦いができているという手応えがあります。なので、これからも期待していてください!

ジェームス・ロシター選手のコメント

ジェームス・ロシター選手

(スリックタイヤでトップ争いをしていた)あの状況でピットインするのは不可能なことでした。SCランのままレースを終えていたら、アンドレ(ロッテラー選手)と僕とでワン・ツー(フィニッシュ)だったし、ドライのままでもワン・ツーができたのに…。天候に関してはすごくアンラッキーでした。雨が上がってからSCランになって、リスタート後にまた雨が酷くなって…。それじゃ、時すでに遅し、なんですよね。今回の展開は僕にとってとにかくアンラッキーでした。レース自体はパーフェクトにできていたし、チームのみんなもピット作業を完璧にこなしてくれました。クルマもいいセットアップだったし、速かったですからね。僕らができることはすべてやったし、実際うまくいってました。僕らがどうしようもないところで運がなかったということですね。これがレースっていうものなんですよね。今シーズンはいつもアンドレ選手といいバトルをしているのですが、今度はアンドレを負かしたい。結果は残念だったけれど、今回はいい仕事もできたし、速さを証明できたのはうれしい。その点ではハッピーだし、チームと一緒にもっともっと速くなりたいし、強くなって優勝したいです。次のもてぎも僕としては得意なコースなので、楽しみにしています。

エンジニアのコメント

エンジニア

今回の結果は天候がらみなので、こればかりはどうしようもなかったですね。しょうがない。セクター3ではかなり雨が降ってきていた上、アンドレ選手も(ピットに)入っていないし、それを考えると僕らが入るわけにはいかない。ただあそこまで雨が増えるとは思わなかったですね。あのくらいの雨量だったらウェット組に抜かれることもなかったんだろうけど、こればっかりはわからないから。一方で、僕らのクルマは総体的に“もうちょっと”がまだ足りない状況。それをこれから詰めていかなきゃいけないですね。トップの選手の速さにまだ足りてない部分もありますからね。レースラップはトップと戦えるまでになってきているし、予選でもQ3まで残れるようになったので、この“もうちょっと”を詰めることで、ポールポジションも優勝もさらに近づいてくると思います。

リザルト

決勝結果

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Pos. No. TEAM DRIVER LAP TIME DELAY BEST TIME  
1 37 PETRONAS TOM’S SF14 中嶋 一貴 55 1:26'37.171 173.629km/h 1'25.226  
2 7 ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 平川 亮 55 1:26'37.951 0.780 1'25.204  
3 39 P.MU/CERUMO·INGING SF14 国本 雄資 55 1:26'40.390 3.219 1'25.157  
4 38 P.MU/CERUMO·INGING SF14 石浦 宏明 55 1:26'41.121 3.950 1'25.157  
5 1 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 55 1:27'06.577 29.406 1'24.867  
6 36 Lenovo TEAM IMPUL SF14 アンドレ・ロッテラー 55 1:27'06.577 29.406 1'24.867  
7 20 Lenovo TEAM IMPUL SF14 ナレイン・カーティケヤン 55 1:27'14.733 37.562 1'25.219  
8 3 フジ・コーポレーション KONDO SF14 ジェームス・ロシター 55 1:27'15.786 38.615 1'25.129  
9 31 NAKAJIMA RACING SF14 中嶋 大祐 55 1:27'31.752 54.581 1'26.141  
10 18 KCMG Elyse SF14 中山 雄一 55 1:28'00.476 1'23.305 1'26.385  

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
19 Lenovo TEAM IMPUL SF14 1'24.789