Super Fomula:第二日決勝

FUJI x D'Station KONDO SF14、初戦は明暗分かれる結果に

日付 2015年4月19日
天候 曇り
路面状況 ドライ

決勝レポート

開幕戦の決勝を迎えた鈴鹿サーキット。早朝に降っていた雨も次第に上がり、午後3時からの決勝では、心配された雨も降ることなく、43周に渡る戦いが繰り広げられた。フル参戦2シーズン目のジェームス・ロシター選手は9位から、そして日本でデビューレースとなるウィリアム・ブラー選手は18位からスタートし、それぞれの戦略をもってベストを尽くすことになった。

レッドシグナルが消灯し、タイミングよくスタートを切ったのは、ロシター選手。だが、前方の選手の混乱に巻き込まれるような形となり、行き場を失ったことから、オープニングラップは1つポジションアップの8位どまりに。尚、今回、チームと彼とで決めた戦略はピットインで給油のみ行い、タイヤは無交換でいくというもの。よって、レース序盤はタイヤを温存する方向でペースをやや控え、タイヤマネージメントに集中する。レース中盤には7位へと浮上、ライバルたちが次々ピットインを始めると徐々にペースアップ。空いたコース上で懸命のプッシュを見せた。そして34周を終えてピットインしたロシター選手は給油のみでピットアウト、後半の追い上げ態勢に入った。終盤は5位で周回を重ねる中、後方の19号車オリベイラ選手と激しいバトルを展開。緊迫した状況の中、シケインでオリベイラ選手がロシター選手に追突する形で2台がコースアウト。だがポジションを死守、このままファイナルラップに向う。だが、デグナーカーブあたりからロシター選手が急に失速。まさかのガス欠となり、130R付近でクルマを止めた。惜しくもチェッカーフラッグを受けることはできず、16位となった。

一方、初レースのブラー選手。戦略どおり安定したペースを刻み、レース完走を第一の目標に周回を重ねていく。ピットインは中盤を越えた29周目終わり。給油とタイヤ交換を済ませ、スムーズにピットを離れている。タイヤ交換後はレース中の自己ベストとなる1分41秒994をマークするなど、デビュー戦でやるべきことを見事に完遂。43周を走り切り、14位でレースを終えた。

近藤監督のコメント

近藤監督

ジェームスの決勝レースは、結果だけみれば悔しさはあります。ただ、走るごとにクルマは良くなっていることは事実です。確かに結果は出ませんでしたが、内容はすごく良かったと思っています。戦略的にはチームが至らなかった部分があったので申し訳ない気持ちですが、クルマが良かったせいか、彼自身はさほど悲観していませんね。19号車のJP(オリベイラ)とのバトルも安心して見ていられましたし、今年は期待して欲しいです。ブラーはブラーで、やるべきことはすべてできました。合格点をあげたいですね。

ジェームス・ロシター選手のコメント

ジェームス・ロシター選手

今日のレースに関しては満足しています。スタートは良かったのですが、直後に行き場を失い、コースの外にはみ出たんです。接触などのリスクを避けたかったしね。まず序盤ではタイヤへ負荷がかからないようマネージメントしてセーブしていました。というのも、今回チームとしての戦略がタイヤ無交換だったからです。前とのタイムギャップをキープし続け、ピットイン7周目を前にしたあたりからプッシュし始めました。JP(オリベイラ)、石浦との差を縮めたんです。チームのピット作業も素晴らしく、コース復帰後はJPとの激しいバトルを展開しました。ファンのみなさんは楽しんでくれたんじゃないですかね。一方で、JPはニュータイヤ、でも僕はタイヤ無交換の状態だったので防戦はとても難しかったですが、がんばりました。でも、最終周の130R手前でガス欠となってしまい…。おそらくはJPとのバトルも影響しているでしょう。僅かに燃料搭載量がやや足りなかったようですが、これだけは仕方ない。走行中のシケインでの接触もあったしね。結果が残せなかったのは残念ですが、レースそのものは楽しめたし、4、5番手を走ることができたのは、色んな意味でも良かったと思います。今回はいい戦い、いい戦略、バランスの取れたいいクルマが揃いました。結果的にガス欠が出てしまっただけですね。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

ウィリアム・ブラー選手

今日はとにかく完走できたことに満足しています。リスクを負うことなく、しっかりと走り切ることができたのは嬉しいこと。経験値を重ねることもできたし、タフな結果になってしまった予選からは大きく躍進できたと思います。やることは本当にたくさんありましたが、チームもしっかり仕事をやってくれましたし、その中で僕もやるべきことができたので、次の岡山に向けていい前進ができたと思います。

エンジニアのコメント

ジェームスのタイヤ無交換戦略は、もともと候補のひとつではあったんです。一度は引っ込めた戦略なんですが、彼がやりたいということで、まぁ予選のポジションとの絡みもあったし…(実戦に移した)。本来ならば、正攻法で戦いたかったのですが、ちょっと予選の失敗もありましたから。

レースでは序盤にタイヤをセーブし、やることをやってがんばってくれたと思います。ただチーム側の経験、条件不足も重なって、レース中のバトルなども加味して準備しなければいけなかったのですが、結果的にガス欠を招いてしまいました。判断が甘かったですね。結果を見る限りは残念ではありますが、次の岡山ではいい流れでアプローチできるようにしたいと思います。

一方で新人のブラー選手に関しては、いい仕事をしてくれたと思います。彼の仕事には満足しています。デビューレースとしては良かったでしょう。岡山のテストでもそこそこ走っていたし、鈴鹿よりも手応えがあったようなので、コースに対しても得意だと思います。一歩一歩、着実に前進させていきたいですね。

リザルト

決勝結果

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Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME  
1 2 PETRONAS TOM’S SF14 アンドレ・ロッテラー 43 1:14'01.371 202.40km/h 1'41.196  
2 1 PETRONAS TOM’S SF14 中嶋 一貴 43 1:14'10.855 9.484 1'41.431  
3 41 DOCOMO DANDELION M41Y SF14 ナレイン・カーティケヤン 43 1:14'29.077 27.706 1'41.048  
4 19 LENOVO TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 43 1:14'40.370 38.999 1'41.490  
5 38 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 43 1:14'41.450 40.079 1'42.022  
6 64 NAKAJIMA RACING SF14 中嶋 大祐 43 1:14'45.279 43.908 1'42.225  
7 11 REAL SF14 伊沢 拓也 43 1:14'46.146 44.775 1'42.010  
8 40 DOCOMO DANDELION M40S SF14 野尻 智紀 43 1:14'53.040 51.669 1'40.912  
9 8 Team KYGNUS SUNOCO SF14 小林 可夢偉 43 1:14'57.804 56.433 1'42.498  
10 65 NAKAJIMA RACING SF14 ベルトラン・バゲット 43 1:15'11.156 1'09.785 1'42.875  
14 4 FUJI×D'station KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 43 1:15'37.976 1'36.605 1'41.994  
16 3 FUJI×D'station KONDO SF14 ジェームス・ロシター 42 1:12'55.322 1Lap 1'42.457  

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
40 DOCOMO DANDELION M40S SF14 1'40.912 37/43 207.16km/h