富士での一戦は、思わぬミスが致命傷に
日付 | 2015年7月19日 |
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天候 | 曇り |
路面状況 | ドライ |
台風11号の影響を受けた前日の天気から一転、決勝日の富士スピードウェイは薄曇りながら蒸し暑い天候に見舞われる中で戦いを迎えることになった。
予選では雨のアタックでコースインのタイミングを失い、存分に実力を発揮できなかったジェームス・ロシター選手。ドライコンディションでの決勝では本来のスピードをしっかりアピールしてポジションアップを狙うべく、入念に準備を進め、また、日本特有の暑さでの初レースを迎えることになったウィリアム・ブラー選手は、予選ポジションからの浮上を目標に、自己ベスト更新を狙った。
午後2時、55周のレースがスタート。ロシター、ウィリアム両選手はクリアスタートを決めたものの、ウィリアム選手は1コーナーで起った接触などのハプニングに飲み込まれることになり、大きくポジションダウン。逆に11番手スタートのロシター選手は6番手へとジャンプアップした。
スタート直後のハプニングで戦略を見直すことになったウィリアム選手。チームでは早めのピットインを行い、タイヤを交換せずに給油のみ実施する作戦を遂行。13周終わりでスムーズに作業を済ませ、コースへと送り出した。だがここで思わぬ事態が判明する。なんと、ウィリアム選手には予定していた給油量が補給されておらず、この先、燃費をセーブして走行を続ける必要があるという。チームは無線を使い、ペースダウンを指示。結果、存分なレースペースを確保できなくなったウィリアム選手は我慢の走行に徹し、14位でレースを終えることになった。
一方、26周終わりでピットへ戻ってきたロシター選手。チームでは先のアクシデントを踏まえて補給量の対処をしたものの、結果的には十分とは言えず、さらにはタイヤ交換に時間を要し、大きくロスタイムすることになった。これでロシター選手はポジションを下げることになり、7位でフィニッシュ。入賞は果たしたものの、自らの目標としていた表彰台は実現しなかった。
スタートは前回の岡山に比べたらうまくいけたと思います。でも、その直後の1コーナーが大混乱状態で…。そこにはまりこんでしまったのが、出遅れの原因です。接触もあり、ポジションダウンする原因となりました。 ピットインのときに予定の給油量が補給されず、それがわかってからの残り20周は、ペースを落として燃料をセーブすることを心がけなければなりませんでした。予選での結果が良かったのに、決勝でその結果をうまく活かすことができずに残念でした。
今回のウィリアムは、予選でいいポジションにつくことができただけに、決勝では1コーナーの大混乱に巻き込まれることになって、とても残念です。結果的に戦略も変更せざるを得なくなり、早めのピットインで給油のみで送り出そうという策をとりました。しかしながら、燃料給油でトラブルが起り、給油量不足が出てしまって後半はペースを落とさなければいけない状態でした。残念ではあるのですが、うまくマネージメントしてくれましたし、我慢の走りからいいデータが取れたし、引き出しを増やすことはできました。
一方、ジェームスのほうがウィリアムより後のピットインだったので、まずウィリアムのクルマにうまく給油がされていないことが判明した段階で、ジェームスのピットインではできる対処はやったのですが、ただ充分なものとはいえませんでした。今回はタイヤを4輪交換を予定していたものの、給油のほうでミスが出てしまい、残念です。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | LAPS | TIME | DELAY | BEST TIME | |
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1 | 19 | LENOVO TEAM IMPUL SF14 | J.P.デ・オリベイラ | 55 | 1:28'21.088 | 170.225km/h | 1'25.917 | |
2 | 1 | PETRONAS TOM’S SF14 | 中嶋 一貴 | 55 | 1:28'36.435 | 15.347 | 1'26.537 | |
3 | 38 | P.MU/CERUMO・INGING SF14 | 石浦 宏明 | 55 | 1:28'43.539 | 22.451 | 1'26.180 | |
4 | 39 | P.MU/CERUMO・INGING SF14 | 国本 雄資 | 55 | 1:28'57.377 | 36.289 | 1'26.355 | |
5 | 2 | LENOVO TEAM IMPUL SF14 | アンドレ・ロッテラー | 55 | 1:28'58.854 | 37.766 | 1'26.803 | |
6 | 7 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 | 平川 亮 | 55 | 1:29'00.386 | 39.298 | 1'26.683 | |
7 | 3 | FUJI×D'station KONDO SF14 | ジェームス・ロシター | 55 | 1:29'06.003 | 44.915 | 1'26.442 | |
8 | 40 | DOCOMO DANDELION M40S SF14 | 野尻 智紀 | 55 | 1:29'09.315 | 48.227 | 1'26.568 | |
9 | 20 | LENOVO TEAM IMPUL SF14 | アンドレア・カルダレッリ | 55 | 1:29'25.346 | 1'04.258 | 1'26.673 | |
10 | 8 | Team KYGNUS SUNOCO SF14 | 小林 可夢偉 | 55 | 1:29'31.912 | 1'10.824 | 1'26.503 | |
14 | 4 | FUJI×D'station KONDO SF14 | ウィリアム・ブラー | 54 | 1:28'23.648 | 1Lap | 1'27.090 |
Fastest Lap
No. | TEAM | LAPTIME |
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19 | LENOVO TEAM IMPUL SF14 | 1'25.917 (31/55) 191.194 km/h |
今回は燃費のことも考えて、レースではタイヤ交換を行う予定でスタートを切りました。スタートも良く、順調に行ってたのですが、ピット作業で問題が発生したんです。ひとつはタイヤ交換のミス。もうひとつは必要な量のガソリンが補給されていないことでした。結果的に、作業での時間が多くかかっただけでなく、レース終盤にはガス欠にならないよう、残り17周燃費を絞ってペースを落としながら走らなければなりませんでした。今日、僕のクルマは表彰台を狙えるポテンシャルが十分にありました。ピットアウト後も出遅れた分を取り戻せるほどの強さがあったのに、燃料が足らずにペースを緩めなければならなかった。あまりに悪いことが重なりました。総合力の上昇が必要だと痛感しています。残念な展開でした。