Super Fomula:第二日決勝

後方からの追い上げを見せ、充実したレースを展開

日付 2015年8月23日
天候
路面状況 ドライ

決勝レポート

薄曇りの朝を迎えた決勝日のツインリンクもてぎ。決勝を控え、短時間ながら本降りの雨が降ったが、幸いにもレースを前に雨は上がり、路面の一部がまだ濡れている状態ながらドライタイヤでの52周に渡る戦いが繰り広げられることとなった。

前日の予選では、3号車のジェームス・ロシター選手がQ1アタック直前にギアボックストラブルに見舞われ、力を発揮せぬままセッションを終了するというまさかのハプニングもあり、一度は暗雲が立ち込めたKONDO Racing。しかし、決勝ではなんとしてもポジションアップのチャンスを作ろうと、ドライバーはもちろんチームスタッフが総出で尽力した。

午後3時、戦いの火蓋が切って落とされ、最後尾からのスタートを決めたロシター選手はすぐさま果敢な走りで15位へとジャンプアップ。順調な走り出しを見せた。また、戦略として考えていた早めのタイミングでのピットインを敢行。さらにピット作業時間の短縮を狙い、リアタイヤ2本のみの交換でコースへと復帰する。これらすべてをノーミスで実現させたチーム、そしてロシター選手はその後も力強い走りを見せて12位でフィニッシュ。入賞こそかなわなかったが、抜きどころのないもてぎのコースでできる限りのパフォーマンスを披露することに成功した。

一方、もてぎでの初レースに挑んだウィリアム・ブラー選手。スタートでのポジションアップは難しいものだったが、ストップ&ゴーのコースレイアウトにもすぐ馴染み、決勝では次第にペースアップするという働きぶりを見せた。ピットインはロシター選手とは対照的に34周目終わりという遅いタイミングで実施。給油とタイヤ4本の交換というセオリー通りのルーティンワークをミスなくこなし、コースへとクルマを戻した。その後も安定したペースで周回を重ね、13位でチェッカー。後半戦に向けていい流れをつかんだ戦いに手応えを得たようだ。

近藤監督のコメント

近藤監督

今週末は土曜日の予選がすべてですね。ジェームスがアタック直前のメカニカルトラブルに泣かされ、またウィリアムは初めてのもてぎに苦心しました。思うようにすべてうまく行かなかったですね。もてぎは予選でのポジションが後方になると抜きどころがないだけに、決勝ではいっそう厳しい展開になってしまいます。そんな中、レースではしっかりと走り切ってくれたと思いますね。

ピット作業もミスなくこなして順位を上げてチェッカーを受けることができました。今後、後半戦でも粘り強く戦っていけるよう、上昇気流に乗っていけたらいいと思います。

ジェームス・ロシター選手のコメント

ジェームス・ロシター選手

今回のレースでは予選Q1でトラブルが発生し、最後尾からスタートするのはとても難しかったです。スタートそのものはあまりうまく行かなかったけれど、他車のような接触もなく、クリアなスタートを切ることができたし、トラブルなしに逆転を狙って周回を重ねていくことができました。

戦略的には、10周を過ぎて早めのタイミングでピットインすることを考えていたので、12周を終えてピットに戻り、リアタイヤ2本交換だけであとはできる限りのベストを尽くしました。19位スタートから12位でフィニッシュできたのは良かったです。とにかく今週末は大事な予選Q1でメカニカルトラブルが出たのがすべてでしたね。

ウィリアム・ブラー選手のコメント

ウィリアム・ブラー選手

もてぎというユニークなコースレイアウトの中でベストを尽くしてレースをしましたが、なかなか難しいコンディションでの戦いになりました。スタートはうまく行ったと思います。レース中のペースも良かったと思うし、クルマのこともだいぶ理解できました。これからの後半戦も走ったことのないサーキットでの戦いが続きますが、もっと自信をもって挑めると思います。

エンジニアのコメント

ジェームスの今回のレースは、予選でのトラブルでポジションが後方になってしまったのがすべてです。決勝では、もう少しいいペースで走ることができると思っていたのですが、それができずに残念でした。リアタイヤ2本のみ交換することは、早い段階から戦略のひとつとして決めていたし、ジェームスも承諾してくれました。次のオートポリスではまず予選でいいポジション獲得を狙っていきたいと思います。

一方、ウィリアムはレース中のペースに目を見張るものがありました。手応えある戦いができたようです。これまではレース中に単独走行が多く、ただ周回を重ねているような感じでしたが、今日は前後のクルマとのバトルもあり、ようやく戦いができたという感じです。これから次第に戦う走りができるようになるのではないでしょうか。楽しみです。

リザルト

決勝結果

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Pos. No. TEAM DRIVER LAPS TIME DELAY BEST TIME  
1 38 P.MU/CERUMO・INGING SF14 石浦 宏明 52 1:23'44.456 178.89km/h 1'35.037  
2 1 PETRONAS TOM’S SF14 中嶋 一貴 52 1:23'46.198 1.742 1'34.975  
3 19 LENOVO TEAM IMPUL SF14 J.P.デ・オリベイラ 52 1:24'09.231 24.775 1'35.698  
4 2 LENOVO TEAM IMPUL SF14 アンドレ・ロッテラー 52 1:24'10.086 25.630 1'35.592  
5 64 NAKAJIMA RACING SF14 中嶋 大祐 52 1:24'29.527 45.071 1'36.137  
6 40 DOCOMO DANDELION M40S SF14 野尻 智紀 52 1:24'34.667 50.211 1'36.239  
7 7 ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 平川 亮 52 1:24'35.256 50.800 1'36.207  
8 16 TEAM 無限 SF14 山本 尚貴 52 1:24'35.637 51.181 1'36.264  
9 41 DOCOMO DANDELION M41Y SF14 ナレイン・カーティケヤン 52 1:24'38.300 53.844 1'35.680  
10 11 REAL SF14 伊沢 拓也 52 1:24'39.269 54.813 1'36.038  
12 3 FUJI×D'station KONDO SF14 ジェームス・ロシター 52 1:24'49.314 1'04.858 1'36.266  
13 4 FUJI×D'station KONDO SF14 ウィリアム・ブラー 52 1:24'57.507 1'13.051 1'35.987  

Fastest Lap

No. TEAM LAPTIME
1 PETRONAS TOM'S SF14 1'34.975(47/52) 181.99km/h