RACE REPORT

SUPER FORMULA

第2戦 富士スピードウェイ

第2戦(4月10日・晴/ドライ)

予選&決勝レポート

富士大会の第2戦、山下選手が4位入賞

前日、シーズン開幕の第1戦が開催された富士スピードウェイ。この日は第2戦の予選、決勝が行われた。連日、好天気に恵まれて絶好の観戦日和となる中、KONDO RACING は3号車の山下健太選手が予選5位から、そして4号車のサッシャ・フェネストラズ選手が7位から41周の戦いに挑み、山下選手は4位でフィニッシュ。一方でブレーキにトラブルがあったフェネストラズ選手は20位で戦いを終えている。まだしっかりと雪を纏った富士山が雄大な姿を現す中、シーズン第2戦の予選を迎えたサーキットは朝から暖かな日差しに恵また。

午前10時25分にスタートしたノックアウト予選は、気温21度、路面温度30度のコンディション下で実施。Q1のグループ分けは前日の第 1 戦決勝結果によるランキング順にて区分され、山下選手がA組、フェネストラズ選手がB組で出走した。前日Q1のみに留まった山下選手は、第1戦のレース後にクルマのセットアップを大幅に変更。Q2進出を狙ってアタックを開始する。ライバルに先駆けてコースイン、計測3周目に自己ベストタイムを刻むと一旦 3番手に名を刻んだ。その後、チェッカーまでにタイムアップしたドライバーがいたことから、山下選手は5番手でQ1突破を果たす。続くB組にはフェネストラズ選手がコースイン。アタックラップに入るとセクタータイムで最速タイムを刻み、1分21秒729をマーク。ライバルを押しのけトップで通過、昨日からの好調を維持していることを思わせた。これにより、KONDO RACINGは両選手が揃ってQ2へ駒を進めることに成功した。

10分間のインターバルを経て、Q2がスタート。7分間で全12台がポールポジションを目指してしのぎを削ることになる。気温は22度、路面温度は31度とさらに上昇する中、午前11時にセッションが幕を開けた。Q1同様、早めのタイミングでコースインした2台は、間髪入れず揃ってタイムアップ。山下選手が2番手、フェネストラズ選手が0.1秒差で3番手に浮上する。だが、その後、続々とライバル達もタイムアップ。結果、山下選手が5位、フェネストラズ選手が7位で予選を終えた。

チャンス到来によっては、2台揃っての表彰台も夢ではないグリッドからのスタートとなった決勝レース。グリッドを照りつける日差しも眩しく、絶好のレースコンディションとなる中、午後2時30分に41周の戦いの火蓋が切って落とされた。3列目スタートの山下選手。目前の選手がエンジンストールして動けなくなるハプニングに遭遇するも、冷静にこれをかわして3番手に浮上。また、フェネストラズ選手もスタートを決めて4番手までジャンプアップ。チームとしては申し分のないスタートとなった。一方、オープニングラップのダンロップコーナーで接触事故が発生。停止車両が出たことを受け、セーフティカーがコースインする事態となる。結果、4周終了時までペースがコントロールされることとなり、5周目からレースが再開。フェネストラズ選手はリスタートに合わせて目前の7号車の小林可夢偉選手をパスすべくオーバーテイクシステムを用いて逆転を狙った。だがこのときにブレーキトラブルに見舞われたフェネストラズ選手はヘアピンでオーバーラン。最後尾へとポジションを落としてしまう。コース復帰を果たしたが、7周目の100Rでスピン。タイヤに大きなダメージを受けたためピットインを強いられた。タイヤ交換を済ませ、改めて周回を続けたフェネストラズ選手にとっては厳しいレースになってしまったが、レースの上位陣と比べても遜色ないラップタイムを刻み、チェッカーまで力強い走りを披露した。20 位という悔しい結果ではあったが、速さという面では、今後の戦いに向けて期待が持てるパフォーマンスだったと言える。

一方、SC解除後も3位で周回を続けた山下選手。17 周目、20 号車の平川亮選手に先行され、また、19周終わりで行ったタイヤ交換後には55号車の三宅淳詞選手とのバトルになって一旦逆転を許したが、21周目のストレートエンドでポジションを奪還。全車タイヤ交換を終えた時点で4位となった。その後は前方の宮田莉朋選手を追う一方、後方の三宅選手の追走を意識しての走行となったがポジションの変動は見られず。結果、4位でフィニッシュし、シーズン初入賞を叶えた。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 1 TEAM MUGEN 野尻智紀 1:01’10.882 41 1’23.971
2 20 carenex TEAM IMPUL 平川亮 1.659 41 1’23.740
3 37 Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 宮田莉朋 2.494 41 1’23.730
4 3 KONDO RACING 山下健太 15.042 41 1’24.183
20 4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ 1Lap 40 1’24.393

参加台数:21台 出走台数:21台 完走台数:20台
規定周回数 36Laps

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
19 carenex TEAM IMPUL 1’23.665

近藤監督のコメント

近藤監督 PHOTO

サッシャはセーフティカーラン中にブレーキがオーバーヒートしたのか、再スタートで前のクルマを抜こうとしたときに、ブレーキトラブルが出てコースアウトしたようです。ラップタイムが悪くなかっただけに、残念な結果となり悔しいですね。去年1年のブランクもあるので、これから経験を重ねていけば心配することはないと思います。一方、山下も善戦しましたがトップ3のクルマについていくまでには至りませんでした。後方からのプッシュをよく凌いだと思います。昨日よりもいいパフォーマンスを見せてくれました。タイムアップも果たしたようだし、次への期待が持てる走りでした。鈴鹿はテスト結果も良かったし、開幕の富士よりも期待が持てます。チームとしてどのくらいの力があるのかも今回よくわかりました。今シーズンは楽しみなレースができると思います。

3号車 山下健太選手のコメント

山下健太 PHOTO

昨日から大幅にクルマのセットを変えました。バランスも全然変わりましたが、良くなっていいアタックができました。決勝ではタイヤもさほどタレることがなかったし、4位を守ることができたのでひとまず良かったと思います。予選アタック時のフィーリングもいいものでした。Q2ではウィングを調整したくらいでしたが、5番手の結果を残すことができて良かったです。レースはスタートも決まる中、ピットインのタイミングは昨日みたくミニマムだと(タイヤが)厳しいだろうという考えから、少し伸ばしました。ガソリンが軽くなるとペースも上がったし、いいペースで走れました。後続車両との接近戦になりましたが、抜かれるという心配もなかったです。ただ、前の3台はペースが速かったですね。これが次の課題ですね。テストでは手応えがあったので、次の鈴鹿は結構行けるのではないかと思います。

4号車 サッシャ・フェネストラズ選手のコメント

サッシャ・フェネストラズ PHOTO

今日の予選はまずまずでした。さほど悪くなかったですね。ただ、Q2のアタックラップではミスが出てしまいました。タラレバですが、ミスがなければ、2、3番手のタイムが出せたと思うので残念でした。一方、レースではセーフティカーラン中、フロントブレーキに問題が出てしまいました。リスタート時にフロントブレーキが利かず、リアブレーキだけが働いたのでスピンしたんです。何が起こったのかわからない状態でした。残念な結果でしたが、レースができなかった去年に比べて色々進化しているし、開幕戦はいいレースウィークだったと思います。確かにトラブルが出なければ、表彰台圏内でレースを終える可能性もあったので悔しいですが、メカニカルトラブルはレースにつきものなので仕方ないですね。鈴鹿のテストでもいい感触を得ています。さらに進歩した形でレースを迎えたいと思います。

3号車 阿部和也エンジニアのコメント

終盤は後続車両と接近戦になりましたが、互いに速いセクターが異なったので、抜かれることはなかったようです。今日はセットアップを変更したこと、さらに山下選手が乗り方を変えたことでポテンシャルが向上しました。ドライバーの修正力が大きかったですね。タイヤがタレることもなかったし、終盤はペースアップもできたので良かったです。ピットインはタイミングを後ろに伸ばしてタイヤを持たせるようにしたのですが、結果を考えたらもう少し早めにピットインしても良かったのかもしれません。予選でもいいアタックができたし、鈴鹿は大丈夫だと思います。

4号車 村田卓児エンジニアのコメント

レース中のトラブルに関しては、ドライバーいわく、リスタート時にブレーキがすっぽ抜けたということでしたが、正式には何が原因になったのかまだわかりません。加えてタイヤにダメージを受けて予定外のピットインを強いられることになりました。一方で、クルマのペースは良かったですね。クルマは昨日起きた現症に対してアジャストを加えましたが、それはうまく行ったと思います。開幕2レースでのパフォーマンスを見る限り、これから先はさらに行けるのではないでしょうか。

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