RACE REPORT

SUPER GT GT500

第5戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(8月27日・曇り/ドライ)

予選レポート

シーズン終盤戦は予選 6 番手から発進!

8 月 27 日土曜日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)はやや薄曇り。前日よりも湿度が低くやや過ごしやすい天気を迎えた。気温 30 度、路面温度 34 度の中、公式練習が午前 9 時 25 分から始まると、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z にはまず平手晃平選手が乗り込んだ。平手選手はセットアップの確認を兼ねて周回を重ねる中、走り出しの時点で手応えあるタイムをマーク。作業を進めていくこととなった。GT300 クラスとの混走が残り 30 分になる頃、今度は佐々木大樹選手がコースへ。平手選手から引き継いだクルマのフィーリングを確かめるとともに、予選に向けてのセットアップを煮詰めていった。GT300 クラスの専有走行明けに行われた GT500 クラス専有走行には、佐々木選手が出走。他車もタイムアップを見せる中、佐々木選手もまたチームベストタイム更新となる 1 分 47 秒 011 をマークして 6 番手でセッション終了となった。なお、チームではノックアウト予選に向けて、改めてセッティングの見直しに着手。結果的にはその作業がいい流れを生むことへとつながった。

午後に向かう中で気温、路面温度はにじりじりと上昇。最高で気温は 33 度、路面温度は 42 度まで達した。ところが、午後 3 時を過ぎてノックアウト予選を迎える頃には逆に温度は 31 度、路面温度は 38 度に下がってしまう。そんな中、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z に装着されたタイヤは路気温の温度レンジに幅広く対応しており、タイムアタックでも安定した速さを披露する。また、まず、午後 3 時 53 分に始まった Q1 に出走した佐々木選手はじっくりとタイヤを温めると、チェッカーフラッグが振られる中で 1 分 45 秒 753 のベストタイムをマークし、6 番手へと浮上。見事、Q2 への進出を決めた。

上位 8 台による Q2 は午後 4 時 31 分にスタート。平手選手は、他車よりも遅めのタイミングでコースインすると、計測 2 周目のアタックで 1 分 45 秒 811 をマークして 6 番手のポジションにつけた。実のところ、朝の公式練習中にクルマの不具合が見つかり、用意していたメニューを存分に消化することができなかったのだが、チームでは限られた時間を最大限に活用し、予選ではしっかりとパフォーマンスを披露する結果を残している。

決勝は今シーズン 3 回目となる 450km レース。また、シーズンの天王山とも言える一戦だけに、大事な戦いになることは言うまでもない。ミスなく、トラブルに巻き込まれることなく、安定した速さと強さを武器に 2 戦連続での表彰台を目指していく。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 23 MOTUL AUTECH Z 松田次生
ロニー・クインタレッリ
1’45.282 1’45.169 30
2 17 Astemo NSX-GT 塚越広大
松下信治
1’45.735 1’45.349 38
3 16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 笹原右京
大湯都史樹
1’45.219 1’45.442 1
6 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
1’45.753 1’45.811 35

Q1 開始:15:53’00 終了:16:03’00
Q2 開始:16:31’00 終了:16:41’00

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

もうちょっと上のポジションに行けたかなというところまでは行ったと思います。流れはいいですね。今回は、ドライバー、クルマ、そしてタイヤ。これらがきちんとうまく噛み合っていたと思います。チームとしては、予選よりも決勝に重きを置いて準備しました。ロングランのバランスが良いタイヤだと聞いているので、決勝ではいろんな作戦を考えることもできるので、展開が楽しみです。タイヤのパフォーマンスが向上していることが大きいですね。表彰台に上がる戦いに期待しています。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

鈴鹿では事前にタイヤテストもやっていたので自信はありました。ただ、公式練習中にちょっとしたトラブルがあったので、自分たちの思うようなセッションではなかったんです。事前にテストができていたので、そういう意味では自信を持って対応することができました。セッティングもいろいろと変更して持ち込みましたが、思ったようにいかなかったので、予選に向けて変更して戻しました。自分たちが思っている方向にはいかなかったのですが、その中でもうまくアジャストすることができたので良かったと思います。レースに強いという目標の下でクルマを仕上げているので、そういう意味では上出来だと思います。明日の決勝ではいい戦いがしたいですね。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

公式練習でちょっとトラブルがあったので、思ったより周回数を重ねることができませんでした。また、セッション中に直すことが難しかったので、そのまま予選にも挑みました。決勝に向けてこれから作業をして明日に備えます。今まで積み重ねてきたものがあるからこそ、いろいろ新しいこともトライできたし、それが思うように行きませんでしたが、慌てずにセットアップを少し元に戻してフィーリングを良くすることもできました。ここのところチームの取り組む仕事によって、クルマが進化していることがわかります。決勝でも表彰台が狙えると思います。⾧いレースなのでしっかりと戦い切って、いい結果を残したいですね。

村田卓児エンジニアのコメント

450km という⾧いレースを見据え、予選での一撃よりも決勝重視でクルマ作りを進めてきた中での予選結果になりました。今回、予選用に選択したタイヤは、セッション中の路気温はもちろんですが、暖かくなってもしっかりと対応できるので問題はないと思います。決勝でもセオリーどおりの戦略でアプローチできると思いますし、まずは自分たちのできることをきちんとやってベストを尽くしたいですね。いい状態でレースはできると思います。

二日目 決勝(8月28日・一時雨のち晴れ/ドライ)

決勝レポート

手応えある走りを続ける中、まさかのタイヤトラブル

8 月最後の週末となる 8 月 28 日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催された SUPER GT 第 5 戦決勝。6 位スタートを切った KONDO RACING の No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、450km の長丁場に挑んでいた矢先、タイヤトラブルが発生。緊急ピットインを経て、その後も粘り強く周回を重ねることで 10 位入賞を果たしている。

前日の予選日と同じように薄曇りの朝を迎えた鈴鹿サーキット。しかし、吹く風は涼しく、蒸し暑さからは解放された。予選後、決勝に向けて改めて作業に取り組むと、決勝前のウォームアップ走行でその最終確認を行なった。

No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z のスタートドライバーは佐々木大樹選手。前富士大会に続いて、地元・三重県警の白バイ、パトカーによるパレードラップそしてフォーメーションラップを終えて 77 周の戦いが幕を開けた。気温 28 度、路面温度 39 度というコンディションの中、まずは予選ポジションの 6 位をキープする形でオープニングラップを終えるが前後車両とは 1 秒内の接近戦。早速にタイヤの特性が異なるライバルとの戦いが始まる。8 周目、前方に GT300 クラスの集団がいたことで思うようにペースを上げられず、130R 飛び込みで後続車両の先行を許して 7 位に後退。だが、その後も前方車両に喰らいつく形で周回を重ねた。

レースでは 2 回のピットインを必要とする今大会。チームとしては、前後車両とのタイム差、さらにはタイヤコンディションを踏まえた上での作業を予定をしていた。そんな中、17 周目に入ったばかりの No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z にまさかのトラブルが発生。突如、1 コーナーで右リアタイヤがパンクしたことにより、ペースダウンしたままほぼ 1 周を走ることを強いられる。手負いのクルマを佐々木選手が出来る限り負荷をかけない走りでピットに戻すと、待ち構えたスタッフがタイヤ 4 輪すべてを交換。合わせて給油も行い、このまま佐々木選手がコースへと復帰した。不意打ちのハプニングに見舞われた No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z だったが、その後は幸いにしてタイヤの問題は見受けられず、少しでもポジションを取り戻すべく、高い集中力を持って周回を重ねることになった。

2 度目のピットインは 47 周終わりに実施。このタイミングで佐々木選手から平手晃平選手へと交代し、タイヤ交換、給油も行った。タイヤに熱が入り、ペースアップを! という中、レースは 49 周目の 130R で GT300 クラス車両がコースアウトし、クラッシュ。車両回収のためにセーフティカー導入となった。メインストレート上でクラス分けの作業を行い、54 周終わりでリスタートを迎えると、平手選手は早速 1 台をパスし、14 番手に。さらに 62 周には 12 番手へとポジションアップ、入賞のチャンスが目前に迫ってくる。

サバイバル戦の様相を見せる終盤に入っても、なお安定した速さを見せる No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、68 周になるとさらにポジションを一つ上げて 11 位に。入賞まで”あと一歩”という状況の中、ファイナルラップへと向かう。すると、その最終周の 130R でポジション争いをしていた前方車両がコースアウトしたため、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は 10 位でチェッカーを受けることになった。

序盤に No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z を襲ったトラブルにより、厳しい戦いを強いられた今大会。その後の粘りの走り、ドライバーそしてチームスタッフ全員による強い気持ちが結実し、10 位入賞を遂げることになった。終盤戦の残り3戦は、コースレイアウトにそれぞれ特徴を持つサーキットでの戦いが待ち受けている。それだけに今一度しっかりと準備に取り組み、ラスト 3 レースでの躍進に期待がかかる。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 12 カルソニック IMPUL Z 平峰一貴
ベルトラン・バゲット
2:35’39.339 77 49
2 17 Astemo NSX-GT 塚越広大
松下信治
6.630 77 38
3 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口雄飛
中山雄一
7.747 77 32
10 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
1’30.122 77 35

開始:14:37’44 終了:17:13’23
ファステストラップ : 1’48.910 No.23 MOTUL AUTECH Z/ロニー・クインタレッリ

No. TEAM LAPTIME
23 MOTUL AUTECH Z 1’48.910

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

右リアタイヤの突然のパンクでした。まだまだ十分走れる距離だったのですが……。何が起こったのか検証しないとわからない。この鈴鹿では、クルマには(予選での)一発の速さも安定感も出せるようになったので、あとは今のチームにレースで強いタイヤが必要ということ。結果は残念でしたが、それでも成⾧する中でのトラブルだったので、まだまだ期待はできると思っています。次に繋がると信じています。レース全体もセーフティカーに勝負の行方が左右されたような感じでもありました。いい流れもあったので、表彰台のチャンスが巡ってきたと思っていただけに、残念で仕方ありません。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

パンクは突然の出来事でした。まだ原因はわかっていません。レース前半、クルマのバランスは悪くなくて周りとのペースもさほど変わりませんでした。タイヤが壊れてしまった後は、どうしても思うようにレースが出来ませんでしたが、それでもクルマの調子はよかったし、今後に繋がるレースはできたと思います。次戦も引き続き頑張りたいと思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

ペースとしてはいいタイムが刻めるクルマ、タイヤの状態だっただけに序盤のトラブルが悔やまれます。とはいえ、レースをやっていればこういうことは起こります。僕のスティントでも終盤にリアタイヤがかなり厳しい状態でした。最終周でスプーンカーブを立ち上がった時にタイヤの内圧がガクンと下がったんです。後続車両もいなかったので、なんとか持してチェッカーを受けることができました。ギリギリでした。その辺りのトラブルはヨコハマタイヤさんにしっかりと解析してもらいたいですね。クルマの調子は良いので、次戦の SUGO は狙っていけると思っています。

村田卓児エンジニアのコメント

クルマの問題は今回なかったのですが、決勝ではタイヤにトラブルが出てしまいました。その原因はこれから解析することになります。今回、ミニマムでのピットインを 26 周と想定していました(タイヤ交換のため)。結果的にそれを前倒しする形でルーティン作業をすることになり、佐々木選手にはダブルスティントを担当してもらいました。タイヤコンディションに合わせたスティントを計画していたのですが、最終的にはトラブル対応という形でのピットインになりました。この序盤のトラブルがなく走れていれば…という思うので悔しいです。今回は他車もいろいろハプニングもあったので、ポジションアップの可能性も高かったと思います

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