RACE REPORT
SUPER FORMULA
第7戦 富士スピードウェイ
第7戦(10月13日・晴/ドライ)
予選&決勝レポート
今シーズン初の2 連戦。2 台そろってポジションアップで1 戦目を終える
1 大会2 レース制の全日本スーパーフォーミュラ選手権。富士スピードウェイを舞台に争われるのは、今シーズンはこの第7 戦が最後となる。前日に行われた第6 戦は、山下健太選手が10 位、小高一斗選手が16 位と、決して満足できるような結果ではなかった。リカバリーに充てられる時間はわずか一晩。限られた時間の中で、チームは車両の改善に全力を注いだ。
第6 戦同様、公式予選は午前9 時にスタート。Q1 のA 組には山下健太選手が出走した。前日は0.1 秒差でQ2 進出を逃したが、今回のアタックでは1 分22 秒690 のタイムをマークし暫定5 番手でコントロールラインを通過。その後1 台が山下選手のタイムを上回ったものの、最終結果は6 位となり、Q2 へ駒を進めることに成功した。そのQ2 では車両のセットアップと路面コンディションがマッチしたことで1 分22 秒340 と自己ベストタイムを更新。決勝に向けて6 番グリッドと好位置を手に入れることができた。一方、Q1B 組で出走した小高一斗選手は、前日からガラリとセットアップを変更しての挑戦。1 分23 秒408 のタイムは、アタックを終えたタイミングではQ2 進出圏内ギリギリの6 番ポジションに着けていたが、その後4 人が小高選手のタイムを上回り、最終的には10 番手。総合結果では19 番グリッドから決勝レースをスタートすることとなった。
第7 戦決勝レースは午後2 時40 分にスタート。ウォームアップ走行が始まるあたりから少し雲が出始めたが、天気が崩れる様子はなく、むしろ少し傾きかけた日差しが暑く感じるほどの陽気だ。6 番グリッドに着いた山下選手は好スタートを切り、1 コーナーでは5 番手の選手に並びかけたが前に出ることはかなわず、予選順位をキープした形でオープニングラップを終える。2 周目に後方集団でアクシデントが発生し、3 周目には早くもセーフティカー(SC)が導入。7 周目に入るところでリスタートが切られると、山下選手はレースペースに戻して前を追いかけ始めた。
すると今度は、12 周目の1 コーナーで2 台が接触するアクシデントが発生し、1 台がコースサイドでストップしてしまう。これで2 度目のSC 導入となるが、このタイミングで山下選手とチームはピットインを選択。ライバルたちもほとんどの車両がピットになだれ込んできたが、チームはスムーズな作業で山下選手をコースへと送り出す。6 番手のポジションは変わらず、17 周目にレースは再開された。後半スティントの山下選手は、1 分25 秒台の半ばのラップタイムを並べて周回。周りと比べてもペースは悪くないものの、直線スピードが伸びずにホームストレートで後続に追いつかれてしまう。オーバーテイクシステムをディフェンスに使いながらなんとかポジションキープを目指すが、レースの折り返し地点を迎えたあたりから少しずつ順位を落としていくことに。それでも何とか10 番手には踏みとどまってチェッカーを受けると、レース後にペナルティで順位を下げる車両が出たため正式結果は8 位となった。
小高選手はスタートで出遅れてしまったが、オープニングラップで1 ポジションを取り戻すと、2 周目に目の前で起きたアクシデントも回避しポジションアップする。その後、11 周を終えるところでタイヤを交換すると、ピットアウト直後に1コーナーでのアクシデントに遭遇するが、冷えたタイヤでコントロールも難しい中、小高選手はこれも回避した。終盤の32 周目には1 コーナーで1 台を、3 度目のSC 明けとなった39 周目にはオーバーテイクシステムも使ってホームストレートで1 台をかわし、最終ラップで自己ベストタイムを更新して13 番手でチェッカー。正式結果は12 位となった。
予選結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | VANTELIN TEAM TOM’S | 坪井 翔 | 1’22.386 | 1’21.880 |
2 | 16 | TEAM MUGEN | 野尻智紀 | 1’22.355 | 1’22.152 |
3 | 8 | Kids com Team KCMG | 福住仁嶺 | 1’22.629 | 1’22.218 |
6 | 3 | KONDO RACING | 山下健太 | 1’22.690 | 1’22.340 |
19 | 4 | KONDO RACING | 小高 一斗 | 1’23.408 |
参加台数:21台 出走台数:21台 完走台数:21台
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | Best Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | VANTELIN TEAM TOM’S | 坪井 翔 | 1:10’23.732 | 41 | 1’24.126 |
2 | 8 | Kids com Team KCMG | 福住仁嶺 | 1.372 | 41 | 1’24.757 |
3 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 牧野任祐 | 2.857 | 41 | 1’24.388 |
8 | 3 | KONDO RACING | 山下健太 | 8.874 | 41 | 1’24.956 |
12 | 4 | KONDO RACING | 小高一斗 | 12.153 | 41 | 1’25.609 |
参加台数:21台 出走台数:21台
FASTEST LAP
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
36 | Sho Tsuboi / VANTELIN TOM’S SF23 | 1’24.126 (41 / 41) 195.264 km/h |
近藤監督のコメント
この週末は、いいところなしに終わってしまいました。健太は、今日はQ2 に進出できましたが、昨日との違いはそれほど大きいわけではありません。Q1 での6 番手と7 番手の差というのは本当にわずかで、出来としては昨日とそれほど変わっていないと思います。それでも、その僅差で大きく結果が変わってくるのがスーパーフォーミュラの予選なので、あともう少し、上位に定着するぐらいのところまで削っていきたいですね。小高に関しては、アンダーだオーバーだという次元ではなく、全体的なグリップ不足。ここ数戦はだいぶいい感じだなと思っていたのですが、元に戻ってしまいました。じっくりとミーティングしていく必要がありますね。最終戦の鈴鹿は我々にとって苦手ではないサーキットですから、健太に関しては勝ちに行きたいし、小高も自己ベストの結果を狙っていきたい。最終戦も2 レース制なので、土曜日のレースが悪ければ日曜日での劇的な挽回は難しいと考えています。土曜日からいいレースをできるように頑張っていきます。
3号車 山下健太選手のコメント
予選では、昨日の1 戦からの微調整がうまく機能しましたし、自分のアタックも100%出し切れました。この週末にできる限りを出し切った結果が予選6 位でしたね。決勝に関しては、今後に向けて見たいものもあったので、そういったセットアップで走りましたが、あまりレースペースとして劇的に良くなることはなかったです。最終戦の鈴鹿は、自分たちのセットアップは合っていると思っています。開幕戦で走っていますし、その時を踏まえて「ここをこうしたいな」というのも見えているので、できればポールトゥウィンしたいです。
4号車 小高一斗選手のコメント
この週末は、金曜日の専有走行から第6 戦の予選と決勝、第7 戦の予選と決勝と、すべて全く違うタイプのクルマで走ってみましたが、いいものは見つかりませんでした。前回大会のもてぎではいいところもあったのですが、季節が寒くなってきて自分たちのバランスが崩れ出してしまっているところもあると思います。次の鈴鹿も寒いので、同じような悩みにぶつかってしまうかもしれませんが、何とか状況を打ち破って、思い切りレースを戦いたいです。
3号車 村田卓児エンジニアのコメント
2 連戦では、根本からクルマの状態を大きく変えるのは難しいですから、起きた現象に対してのアジャストをしていくしかありません。今回の予選ではそのアジャストはうまくいったと思いますが、今のクルマのベースではあの位置が精一杯なのかなと感じます。決勝はストレートスピードが伸びずに、前のマシンに詰まっている間に後ろに追いつかれると簡単に抜かれてしまう。ペースはそれほど悪くなかったとは思いますが、レースで戦うには苦しい状況でした。ローダウンフォースのクルマで戦う富士では厳しかったですが、次の鈴鹿はハイダウンフォース仕様ですし、もう少し戦える状態にしていけると思います。
4号車 阿部和也エンジニアのコメント
昨日の第6 戦を終えたあと、予選では過去に手ごたえのあった7 月富士大会のセットに戻してみましたが、温度などのコンディションの違いはあるにせよ、想定していたクルマの状態になりませんでした。決勝に関してはこれまで考えてきたものをリセットして、新しいことにトライしてみましたが、終盤に周りと戦える状況にはあったので、良い兆しは見えたと考えています。問題は、この状態を鈴鹿で再現できるのかというところです。今回の決勝セットアップは悪くなかったので、なんとかこの状態を維持して鈴鹿に臨み、少しずつでも前進していければと思っています。