RACE REPORT
SUPER GT GT300
第7戦 オートポリス
一日目 予選(10月18日・曇り/ドライ)
予選レポート
不安定な天候に翻弄され、予選15番手に
早いもので、2025年のSUPER GTも残すところあと2戦。本格的な秋の訪れを迎えるなか、第7戦の舞台となった大分・オートポリスでは、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)が予選15位から3時間レースに臨むこととなった。
レースウィークの搬入日にあたる金曜日は絶好の秋晴れ。汗ばむほどの強い日差しが照りつけた。オートポリスでの戦いを前に、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは暫定ランキング2位。トップ65号車との差は3.5点。65号車の前でチェッカーを受けることを大前提に、ひとつでも上のポジションでフィニッシュしたいと意気込む。
一方で心配されたのが天候だ。土曜日は午後から雨になる可能性が高いと予報されており、予選がどのようなコンディションになるかは不安要素だった。まずは午前の公式練習で、持ち込みセッティングやタイヤの確認作業を進めていく。
GT500クラスとの混走時には赤旗が提示され、セッションが一時中断。その後、次第に空が陰り始め、一部コース上ではポツポツと雨が降り始めた。幸いフルコースイエロー(FCY)練習やGT300クラス専用走行時には大きく崩れることはなく、路面が少し濡れた程度で走行を続行。No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは18番手でセッションを終えた。なお、その後のGT500クラス走行中に雨が降り始め、路面は完全にウェットへ。午後からの予選に向けて、先の読めないコンディションとなった。
午後に入ると、完全に曇り空が広がったオートポリス。サポートレース中から雲行きが怪しくなり、午後2時30分にはウェット宣言が出された。Q1・A組の予選は午後2時45分にスタート。No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rにはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが乗り込み、コースへと向かう。まだコース上はドライコンディションに近く、しっかりとタイヤに熱を入れてアタックを開始。オリベイラ選手は1分44秒700のタイムをマークし、3番手通過を達成。平手選手へとバトンを繋いだ。
Q2に入ると、さらに天候は下り坂に。中にはウェットタイヤを装着してアタックするクルマも現れる。走行中のマシンから水煙が上がるまでには至らなかったが、コントロールが難しく、神経をすり減らすような難しいコンディションでのアタック合戦となった。
担当の平手選手も巧みにクルマを操り、アタックラップで1分45秒614をマーク。ちょうどそのタイミングでスピンやクラッシュが続出し、黄旗区間が発生。これにより、平手選手のアタックラップは黄旗中のものとして不採用に。結果、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rの公式記録は、その1周前の1分48秒066となり、予選15番手で終えることになった。ベストタイム抹消という厳しい結果に、チームには悔しさが募るばかり。とはいえ、今回は3時間の長丁場。好機を伺いながら、着実なレース運びでポジションアップを狙っていきたい。
公式予選記録
| Pos. | No. | TEAM/MACHINE | DRIVER | Q1(ベストタイム) | Q2(ベストタイム) | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 7 | CARGUY MKS RACING/CARGUY FERRARI 296 GT3 | ザック・オサリバン 小林 利徠斗 澤 圭太 |
1’44.056 | 1’43.496 | 54 |
| 2 | 0 | JLOC/VENTENY Lamborghini GT3 | 小暮 卓史 元嶋 佑弥 |
1’44.456 | 1’44.070 | 33 |
| 3 | 2 | HYPER WATER Racing INGING/HYPER WATER INGING GR86 GT | 堤 優威 平良 響 ト部 和久 |
1’44.856 | 1’44.552 | 53 |
| 15 | 56 | KONDO RACING/リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 平手 晃平 |
1’44.700 | 1’48.066 | 65 |
Q1: WET宣言: 15:33 Start Time: 15:33’00 Finish Time: 15:43’00Q2: WET宣言: 16:17 Start Time: 16:17’00 Finish Time: 16:27’00
二日目 決勝(10月19日・晴れ/ドライ)
決勝レポート
粘りに粘り、4位入賞!
天気予報では決勝日は好天と言われていたが、早朝のオートポリスは濃霧に包まれ、サポートレースのスタートがディレイに。また、午後から夜にかけて継続的な雨になるという予報に変わるなど、先行きの読めない状況となった。
そんな不安をよそに、午前11時40分から始まったウォームアップ走行は完全なドライコンディションとなり、時折日差しも差し込むほどだった。決勝レースのスタートドライバーを務めたのはオリベイラ選手。まだタイヤが温まりきらないうちから果敢な攻めの走りを見せ、”するする”とポジションアップを重ねていく。
表彰台獲得を意識した走りでポジション争いを続けるなか、25周を終えてピットイン。フルサービスの作業を行い、平手選手へとスイッチした。ほどなくしてチームベストとなる1分48秒127を刻み、平手選手も順調な走りを続ける。レース開始から1時間が経過し、全車が1回目のルーティンワークを終えると、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rはシングルポジションでの戦いを粘り強く展開。着実に順位を上げ、表彰台を目指しつつ、燃費走行にも気を配りながら平手選手が奮闘した。
2度目のピットインは開始から2時間を前にした58周終わり。再びステアリングを握ったオリベイラ選手は、タイヤの発動を待ってすぐ攻めの走りに”スイッチ・オン”。似たタイミングでピット作業を行った他車との攻防を繰り返すという、ヒリヒリとしたせめぎ合いを展開しながらも、極めて冷静な走りを披露。ベテランらしい巧みなテクニックでチャンスを伺い続けた。
残り時間30分を切った段階で、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは5位を走行。なおも攻撃の手を緩めないオリベイラ選手は、目前の6号車フェラーリをロックオン。コーナーごとに激しい攻防戦を繰り広げ、残り10分が近づく88周目に逆転を果たして4位に浮上した。その後は見事にポジションを死守。3位表彰台にはあと一歩届かなかったものの、シリーズタイトルで先行する65号車より前でチェッカーを受けることに成功した。
65号車との差は3.5点から1.5点へと縮まり、最終戦もてぎでの決戦へ。オリベイラ選手は第2・第3戦を欠場しているため、タイトル獲得の権利は平手選手のみとなるが、平手選手にとってはGT300初タイトルがかかる大一番。ともに全力を尽くし、有終の美を飾る戦いに挑む。
決勝結果
| Pos. | No. | TEAM/MACHINE | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 666 | seven × seven Racing/seven × seven PORSCHE GT3R | ハリー・キング 藤波 清斗 近藤 翼 |
3:02’01.705 | 95 | 39 |
| 2 | 7 | CARGUY MKS RACING/CARGUY FERRARI 296 GT3 | ザック・オサリバン 小林 利徠斗 澤 圭太 |
32.148 | 95 | 54 |
| 3 | 0 | JLOC/VENTENY Lamborghini GT3 | 小暮 卓史 元嶋 佑弥 |
41.692 | 95 | 33 |
| 15 | 56 | KONDO RACING/リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 平手 晃平 |
56.551 | 95 | 65 |
Start Time: 13:16’44 Finish Time: 16:18’00
ファステストラップ : No.39 Yuhi Sacha 1’36.008 (68/102) 175.260 km/h
| No. | TEAM | LAPTIME |
|---|---|---|
| 39 | TGR TEAM SARD | 1’36.008 (68/102) |













