RACE REPORT

SUPER FORMULA

第8戦 鈴鹿サーキット

第8戦(11月9日・晴/ドライ)

予選&決勝レポート

シーズン最終大会の1戦目は山下健太選手が8位入賞

国内各地のサーキットを転戦してきた2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権も、いよいよシーズンの締めくくりを迎える事となった。鈴鹿サーキットを舞台に行われる最終大会も、前戦富士大会同様に1大会2レース制のフォーマット。11月9日(土)にはその1戦目となる第8戦が行われ、KONDO RACINGは山下健太選手が8位入賞を果たした。

今大会も第8戦を前に専有走行が設けられた。1時間30分の走行の中で持ち込みセットの状態を確認し、週末のコンディションを想定してセットアップを進めていく。終盤の予選シミュレーションでは山下選手がトップから0.388秒差の5位でタイムを記録。ここ数戦ペースに苦しんでいる小高一斗選手は1.2秒差の14位に留まったが、ここから上位を目指してさらに準備を進めていく。

一夜明けていよいよ第8戦が開幕。スーパーフォーミュラの走り出しはいきなり予選本番となる。2グループに分けられて行う予選Q1は、小高選手がA組で出走。セッション開始と同時にコースへ向かいコンディションのチェックを済ませると、残り時間が5分を切ったところでタイヤを履き替えて再度ピットを離れ、アタックに向かった。アウトラップからウォームアップラップを挟み、1ラップアタックへ。出走した10人のうち、小高選手は最後にコントロールラインを通過する。計測されたタイムは1分37秒886で、前日の専有走行と比較して0.7秒ほどベストタイムを削ることはできたものの、結果は8位。Q2進出圏内のトップ6には届かず、ここで予選を終えることになった。

続いて行われたQ1のB組では、山下選手が1分37秒422で4位となりQ1を突破。開幕戦の予選結果6位を上回るべく臨んだQ2はデグナーカーブでコースをはみ出してしまい、タイムは1分37秒547となった。「ポールポジションを獲らないとと思って、行き過ぎてしまいました」と予選後に肩を落とした山下選手。このラップはデグナーカーブでのコースオフが走路外走行と判定されタイムは採択されず、順位は12位に。小高選手の総合結果は15位で、KONDO RACINGは2台そろって中盤のグリッドから決勝レースをスタートする事になった。

秋晴れの青空からは強い日差しが降り注ぎ、決勝レースが始まる頃には予選時と比べて気温も路面温度も大きく上昇していた。注目のスタートは、フロントローにつけた1 台が動き出せず、この車両をよける形で一気に混戦模様になる。山下選手はその中で1 つ前の車両をかわしたものの、後続の2 台に先行を許してオープニングラップはポジションキープの12 番手で終えた。小高選手は14 番手に1 ポジションアップするが、3 周目のシケインで後続の車両に追突され、そこからペースが上がらなくなってしまう。追突の影響で最後尾に下がった後も、上位陣と比べて2 秒近くラップタイムが落ちたまま、苦しい周回を強いられていた。13 周を終えてタイヤ交換に向かい、その直後には1 分42 秒226 の自己ベストタイムをマークしたものの、42 秒台に入れる事が出来たのはその周を含めて2 周のみ。序盤の追突で車両のダメージを負った可能性もあり、小高選手は18 周を終えて再びピットへ向かった。細かい所まで確認を行うと、チームは小高選手をコースへと送り出したが、やはり車両の不調は解消されない。5 周ほどコースに留まったものの、もう一度ピットへ戻り、そのままリタイアを選択した。

オープニングラップをポジションキープで終えた山下選手は、5 周目に入ったホームストレートでオーバーテイクシステム(OTS)を使って加速。1 コーナーで1 台をとらえて11 番手に上がると、7 周目にも同じように1 コーナーで10 番手にポジションアップした。ピットインは11 周を終えるタイミング。比較的早めのタイヤ交換で、後半スティントは長めの20 周となる。途中、タイヤが外れるアクシデントに見舞われた車両やトラブルにより戦列を離れる車両が出るなど、この第8 戦はサバイバルの様相を呈したが、そんな中で山下選手は順調に走行。全車がタイヤ交換を済ませ順位が整理された20 周目には、8 番手まで順位を取り戻していた。終盤には2 度セーフティカー(SC)も入り、前後の車両とのギャップが縮まったが、決定的なチャンスは生まれず、そのまま8 位でチェッカーを受けた。

予選結果

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田 格之進 1’37.082 1’36.094
2 15 TEAM MUGEN 岩佐 歩夢 1’37.106 1’36.335
3 65 PONOS NAKAJIMA RACING 佐藤 蓮 1’37.289 1’36.472
12 3 KONDO RACING 山下健太 1’37.422 2’08.031
15 4 KONDO RACING 小高 一斗 1’37.886

参加台数:21台 出走台数:21台 完走台数:21台

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田 格之進 1:00’08.862 31 1’40.588
2 36 VANTELIN TEAM TOM’S 坪井 翔 4.560 31 1’41.688
3 5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 牧野 任祐 5.508 31 1’41.621
8 3 KONDO RACING 山下 健太 10.706 31 1’41.566
4 KONDO RACING 小高 一斗 8Laps 23 1’42.695

参加台数:21台 出走台数:21台

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
6 Kakunoshin Ohta / DOCOMO DANDELION M6Y SF23 1’40.588 (31 / 31) 207.830 km/h

近藤監督のコメント

近藤監督 PHOTO

健太は予選でミスがあったので、あの順位からのレースになりました。クルマはそれほど悪くないようで、確実にポイントが獲れるポテンシャルには仕上がっていますね。本人も手ごたえを感じていただけに予選結果が悔やまれますが、明日のレースには自信を持って臨めそうです。一方の小高は、本人が悩んでしまうほどグリップ感がなかった。7 号車に追突されてスピンしましたが、それが原因でバランスがおかしくなった訳でもない様です。4 号車は、現状ではちょっと明日が見えない状態なので、明日までにしっかりと分析して、良いレースをさせてやりたいです。

3号車 山下健太選手のコメント

山下健太 PHOTO

まだギリギリチャンピオンシップの権利を残している状態で鈴鹿に入りました。ただポールを取らないと権利を失うというのがあったので、いつも以上に攻めた結果、行き過ぎてしまいました。クラッシュしなくて良かったです。あの順位からのスタートになってしまってチームには申し訳なかったですが、なんとかポイントはとれましたし、明日に向けて見つけたものもあったので、明日は良いレースをしてシーズンを終えたいです。

4号車 小高一斗選手のコメント

小高 一斗 PHOTO

7 号車との接触があってからペースが悪くなったので、クルマにダメージを負ってしまったかと思って確認のためにピットに入りました。何の異常もないと言われてコースに戻りましたが、やはりペースは変わりませんでした。走り出しからグリップ感を全く感じられず、ニュータイヤを履くと、そのグリップ感でクルマの悪いところをごまかして走れる瞬間もありましたが、それでも周りのタイムには届かない。明日に向けて細かいところからもう一度車を見直してもらいます。最後のレースに向けて、チームとエンジニアが何かを見つけてくれると信じています。明日は気持ちよく走りたいです。

3号車 村田卓児エンジニアのコメント

ベースは開幕戦のときと違う訳ではありませんが、1年間やってきた中で見つけたものを取り入れて、正常進化させて持ってきました。手応えはありましたが、予選では、ドライバーも行けると思ったのでしょうが失敗してしまいましたね。決勝もそんなには悪くなかったですが、スタートポジションがポジションだっただけに、リザルトとしてはあれぐらいかなと。明日は予選をそつなくこなして、もう少し前の方からレースを走りたいですね。

4号車 阿部和也エンジニアのコメント

7号車に追突されてからペースが上がらず、クルマもふらふらするという小高選手からの訴えもあったので、確認のためにピットに戻しました。確認出来る所はすべて確認しましたが、何の問題もなさそうだったのでもう一度コースに出したものの、それでもクルマの状況は変わらなかったのでピットに戻ってきてもらいました。ぶつかるまではいい感触もあったのですが、それも数周で無くなってしまった。今シーズンもあと1戦しかありません。出来る限りの分析をして、変えられるものは変えて最後のレースに臨みたいと思います。

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