RACE REPORT

SUPER FORMULA

第9戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(10月29日・晴れ/ドライ)

予選レポート

フェネストラズ選手は 17 番手、山下選手は 18 番手と厳しい結果

前大会のもてぎ戦から 2 ヶ月強という長いインターバルを経て、今シーズン最終大会を迎えた鈴鹿サーキット。前回同様、土曜、日曜にそれぞれ予選と決勝を行う 2 レース制でシーズン最後の戦いを繰り広げることになる。なお、フェネストラズ選手がシリーズタイトルを獲得する可能性を持っており、両レースの結果次第では自身初のチャンピオンも夢ではない。久々の実戦に加えて短期決戦という難しい条件でチーム一丸となり臨んだ。

予選を迎えた鈴鹿サーキットは気温 17 度、路面温度 24 度と前日のセッションとは大きく異るコンディションのもと、午前 9 時 15 分からノックアウト予選がスタートする。ひんやりとした冷たい追い風がメインストレート上に吹く中、Q1・A 組にはフェネストラズ選手が出走。まずユーズドタイヤでコースを 1 周してそのままピットインし、各部の調整などの作業に加え、ニュータイヤに交換し、コースインのタイミングを待った。満を持してアウトラップに向かったフェネストラズ選手は、タイヤのウォームアップを終えてアタックを開始。だが、ライバルと比べても前半区間のセクタータイムを思うほど伸ばせない。結果、刻んだアタックラップは 1 分 37 秒 650 に留まり、Q1突破を果たせずにセッションを終えてしまった。

続く Q1・B組には山下選手が出走。フェネストラズ選手同様、まずはユーズドタイヤでアウトラップを終えて、ピットへ。セッティングの微調整を経てニュータイヤを装着し、アタックへと向かった。計測 1 周目でタイヤを温めてアタックラップに入った山下選手だが、やはりフェネストラズ選手同様に前半セクタータイムが伸びず、苦戦。1 分 37 秒 554 のベストラップは、Q2 進出に届かなかった。

これにより、KONDO RACING の 2 台はフェネストラズ選手が 17 番手、また山下選手が 18 番手という思いもしないポジションから第 9 戦のスタートを切ることになるが、決勝では粘りの走りと強い精神力をもって戦おうと気持ちを切り替え、チーム一丸で戦いに臨むことになった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 1 TEAM MUGEN 野尻智紀 1’36.931 1’36.020
2 37 Kuo VANTELIN TEAM TOM’S 宮田莉朋 1’36.692 1’36.262
3 65 TCS NAKAJIMA RACING 大湯都史樹 1’37.050 1’36.336
17 4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ 1’37.650
18 3 KONDO RACING 山下健太 1’37.554

参加台数:21台 出走台数:21台




二日目 決勝(10月29日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

ペースアップした走りを見せることはできたが、大きくポジションは変わらず

予選終了からおよそ 4 時間半ほどのインターバルを経て迎えた決勝。コンディションの変化を意識しつつ、レースに向けてセットアップの調整などできる限りの作業に取り組み、両ドライバーを送り出した。朝よりもさらに風が強くなり、気温 19 度、路面温度 30 度というコンディションのもと、午後 2 時 30 分に 31 周にわたる決戦がスタートした。

前方車両で渋滞し、思うような走行ラインを取ることが難しい状況ながら、山下選手は 3 つポジションアップしたのに対し、逆にフェネストラズ選手はひとつポジションダウンし、オープニングラップを終了。その後はポジションキープでの走行が続き、ルーティンのピットインが可能となる 10 周終了以降は、周りのドライバーが各自のタイミングでピットに戻る形となったため、その流れに合わせて走行ポジションが都度浮上することになる。レースは後半に入り、フェネストラズ選手が 21 周終わりでピットイン。5.4 秒というライバル勢よりも速いピット作業でタイヤ交換を済ませ、コースに復帰する。また、その翌周、22 周終わりには山下選手もピットへと戻り、タイヤを交換してチェッカーを目指した。両選手とも、終盤に入ってから自己ベストタイムを更新し、ペースアップした走りを見せることはできたものの、大きくポジションは変わらず。結果、山下選手が 14 位、フェネストラズ選手が 16 位でチェッカーを受けた。

今レースでは、悔しく、また厳しい結果に終わったが、翌日のワンデーレースは今シーズン最後を飾る一戦になるため、是が非でも予選上位からのスタートを切り、納得のいく好レースを展開したいところだ。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 15 TEAM MUGEN 笹原右京 53’00.126 31 1’40.226
2 1 TEAM MUGEN 野尻智紀 12.589 31 1’41.068
3 53 TEAM GOH 佐藤蓮 14.212 31 1’40.503
14 3 KONDO RACING 山下健太 42.243 31 1’41.317
16 4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ 44.851 31 1’41.248

参加台数:21台 完走台数:21台

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
55 TEAM GOH G01 SF19 1’40.056

近藤監督のコメント

近藤監督 PHOTO

第 9 戦は残念な結果に終わってしまいました。ふたりともダウンフォースが得られず、似たようなタイムで決勝を走ることになりました。セットアップに関しては、さまざまな条件を加味して準備したようですが、うまく合わせることができなかったようです。特にサッシャはタイヤの内圧の調整で少し苦しんだと聞きました。明日の最終戦に向けては、今日と同じようなコンディションでの戦いになりそうなので、流れを変えないと似た結果に終わる可能性も高い。なので、ガラリと動きを見せて、なんで今日は 2 台とも速いの!? と周りから思われるようなことにチャレンジして、ダブル入賞を狙っていきたいと思います。今日の予選と決勝で相当反省点が見つかったと思います。明日は、その悔しさを”倍返し”するようなレースができればと思います。

3号車・山下健太選手のコメント

山下健太 PHOTO

クルマのセットアップとしては、基本的に前回の鈴鹿(第 3 戦)をベースにして臨んだのですが、昨日の専有走行では思うように走ることができませんでした。そこから修正を加えて予選に挑みましたが、修正しきれなかった感じです。気温も路面温度も下がる中で、足回りを固めにしたのですが、根本的な変化を得られることがなかったです。スピードが足りなかったですね。決勝に向けてもさらに手を加えたのですが、全体的にはあまり変わらず、レースを終えてしまいました。明日の最終戦に向けて、変化をクルマに与えて異なるセットを試すことになります。とはいえ、朝からすぐに予選になるので、どういう結果になるかはそのとき次第になりますが、頑張りたいと思います。

4号車・サッシャ・フェネストラズ選手のコメント

サッシャ・フェネストラズ PHOTO

今回は、予選でまずいいクルマを準備することがなによりも大事だったのですが、それがうまく行かず、決勝でもその流れを変えることができずに難しい戦いになりました。パワーも充分でなく、ペース的にも良くなかったですね。とにかくその中でもベストを尽くして戦うことだけを考えていました。ただ、鈴鹿はいいクルマでないと勝負するのが難しいので、ピット戦略がうまくいくようにと願っていましたが、それも思うように事が運ばず厳しい展開になりました。戦闘力が充分でなかったので、いい戦いもできなかったという状態でした。

3号車・阿部エンジニアのコメント

今年の第 3 戦での鈴鹿大会時の予選では結果が良かったので、そのセッティングをベースに準備しました。金曜の専有走行は予選の時間帯と異なり気温も路面温度も高かったのですが、今日の朝の予選になると気温、路面温度ともに第 3 戦のような状況になると考えて、走ることにしました。ところが、前回の鈴鹿のようなフィーリングがほぼなくて……という状況になってしまいました。午後から風向きがホームストレート上で追い風に変わりましたが、条件としては決してネガティブなものではないと考えていました。一方、セッティングとしてはワンデーレースでは本来であればあまりいじらずに決勝に臨むのですが、予選でうまく行かなかったし、翌日もレースがあるので、セットを替えることにしました。ところが、その変化がはっきりと表れなかったですね。明日は、できることを考えてやるのみです。コンディション的には今日とあまり変わらないと思うし、路面も今日よりは良くなると思うので、しっかりと準備したいと思います。

4号車・村田エンジニアのコメント

第 9 戦の結果はクルマのトラブルが出てしまったのが、一番の原因です。後方グリッドからのレーススタートだったし、予選での不調がなぜなのか、まだわからずじまいだったので、厳しいレースになってしまいました。結果として、ピットインのタイミングも周りでなにかトラブルやハプニングがあれば……というものを想定しつつ、になりましたが、大きな変化もなくレースが終わりました。厳しい結果でした。

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