RACE REPORT

SUPER GT GT300

第6戦 スポーツランドSUGO

一日目 予選(9月17日・晴れ/ドライ)

予選レポート

サクセスウエイト 100kg を積んでも速い余念の無い圧倒的な走り

今シーズンも残り 3 戦となった SUPER GT。第 6 戦の舞台は、宮城・スポーツランド SUGO。9 月中旬とは思えない強い日差しが照りつけた予選日。気温 24度、路面温度 30度の中で始まった公式練習では、まずジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手から出走。45 分ほどセッションを担当し、藤波清斗選手へと交代する。ショートコースながら高低差が激しく、コーナーが連続し、気の抜けないタフなコースレイアウトを持つ SUGO に見合ったセットアップを見つけるため、GT300 クラスの占有枠でも精力的に作業を続けるなど、”100kg のウェイトを積んでも速い”クルマ作りに余念の無いところを見せた。

午後 2 時 30 分、ノックアウト予選 A 組の Q1 がスタート。気温は 25 度と午前中と大きな変化はなかったが、路面温度は 36 度まで上昇。タイヤマネージメントが求められるセッションに挑んだのは、オリベイラ選手。1 分 18 秒 908 のベストタイムは 7 番手となり、見事 Q1 を突破! 続く藤波選手も Q2 で 1 分 18 秒 240 のタイムをマークして奮闘。8 番手につけた。一方、チームではこれまでのペナルティポイントの累積によって、今大会において予選結果に対して 4 グリッド降格のペナルティが事前に決まっていたため、決勝はクラス 12 番手からスタートを迎えることになった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人
山内英輝
1’18.613 1’17.691 89
2 60 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹
河野駿佑
1’18.747 1’18.022 33
3 87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦孝亮
坂口夏月
1’18.742 1’18.058 24
8 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗
J.P.デ・オリベイラ
1’18.908 1’18.240 100

Q1 A組 開始 : 14:30’00 終了 : 14:40’00
Q1 B組 開始 : 14:48’00 終了 : 14:58’00
Q2 開始 : 15:23’00 終了 : 15:33’00

二日目 決勝(9月18日・曇り時々雨/ドライ・ウエット)

決勝レポート

めまぐるしく変わる不安定な天候の中、隙の無い戦いでシリーズランキングキープ

前日の予選日以上に蒸し暑くなった決勝日の SUGO。しかし、雲行きが怪しく時折雨雲がやってきて、急に涼しい風が吹くなど先行きの読めない天候になってくる。実際、スタート進行中にはパラパラと雨が降り出し、スタート時には止むという落ち着きのない状態だったが、午後2時 30 分、まずは全車スリックタイヤで戦いの幕が開けた。

No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R のスタートドライバーは藤波選手。オープニングラップでひとつポジションを上げると、そのまま安定した速さで周回を続けていく。一方、開始から 30 分も経たないうちに雨が落ちはじめ、その影響を受けたのか、ハイポイントコーナーで 1 台の車両がコースアウト。これにより FCY(フルコースイエロー)が導入された。チームでは、このタイミングに合わせ 15 周終わりにピットインを行い、スリックタイヤからウェットタイヤへと交換。コース復帰を果たすと、再び安定したタイムを刻みながら、周回を重ねていく。途中本降りになっていた雨は、時間の経過とともに小降りとなり、さらに路面もドライアップ。今度はウェットタイヤでのマシンコントロールが難しくなっていったが、チームではタイヤ交換とドライバー交代、給油の作業を一度に行うためのタイミングを見計らっており、また藤波選手もその状況に見合った走りを披露。高い集中力を見せてチームの要求に応えて見せた。

レースは折り返しを過ぎ、2 回目のルーティンワークが近づいてくる。そんな中、GT300 クラスの 44 周目終わりでピットインした上位争いの 1 台が、アウトラップ中の 130R でクラッシュ。これを受けてセーフティカーが導入される。チームではこの機を有効に使うべく、45 周にピットインを遂行。するとポジション争い中のもう 1 台も同時にピットへ。コース復帰後も SC ランが続いていたことで、ギャップが完全に縮まったのをチャンスに変えたオリベイラ選手はさらにポジションを上げ、実質表彰台の一角を掴む形で周回を重ねることになった。

そして 43 周終わりでピットに戻ると、オリベイラ選手へとスイッチ。このタイミングで再びスリックタイヤへと交換し、53 周目には決勝でのチームベストとなる 1 分 21 秒 247 をマークし、なおも逆転のチャンスを伺いながら走行を続ける。終盤になると、目前に 7 号車 BMW M4 が立ちはだかる形となり、常に激しい攻防戦を展開。結果としてこの間にトップ 3 との差が広がることとなってしまった。それでもオリベイラ選手は数少ないチャンスをモノにしようと奮闘。73 周目の馬の背コーナーで見事逆転を果たし、4 番手へ。この時点で 3 番手との差は 10 秒開いていたため、惜しくも表彰台に手は届かなかったが、 予選ポジションから大きくジャンプアップするなど、底力をしっかりと見せつける力強い戦いを披露した。

次回からサクセスウェイトの定義が変わり、ここまで獲得したポイント x1.5kgのウェイトを搭載することになる No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R。つまり、69kg でオートポリス戦に挑むことになる。チャンピオン争いではまだまだ油断は禁物だが、開幕戦岡山での優勝を皮切りに、今シーズンはまだ一度もランキングトップの座を他に譲らずキープし続けているという揺るぎない実力を残り 2 戦でも大いに発揮し、チーム一丸となりシリーズタイトル奪還を目指していく。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 2 muta Racing GR86 GT 加藤寛規
堤 優威
1:59’15.748 79 14
2 11 GAINER TANAX GT-R 安田裕信
石川京侍
1 Lap 78 60
3 10 TANAX GAINER GT-R 富田竜一郎
大草りき
1 Lap 78 93
4 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗
J.P.デ・オリベイラ
1 Lap 78 100

ファステストラップ : 1’20.070 No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT/井口 卓人

No. TEAM LAPTIME
61 SUBARU BRZ R&D SPORT 1’20.070

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