RACE REPORT

SUPER GT GT500

第6戦 スポーツランドSUGO

一日目 予選(9月21日・雨/ウェット)

予選レポート

降り続く雨で予選中止に。決勝は7 位スタート

9 月21 日、2024 年SUPER GT 第6 戦の予選が宮城・スポーツランドSUGO において行なわれる予定だったが、朝から雨が続き、コンディションが回復せず、結果として予選は中止になった。これを受け、翌日の決勝レースは予選日午前に実施した公式練習の結果をもってスターティンググリッドが決定され、KONDO RACING のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は7 番手からの戦いに挑むことになる。

第5 戦鈴鹿大会が台風接近の影響で延期になったSUPER GT。今大会は第4 戦富士からおよそ1 ヶ月半ぶりのレースイベントでもあった。だが、SUGO は前日の搬入日から雨に見舞われる。そして迎えた予選日は朝からかなりの雨量となったが、まずは午前9 時15 分に公式練習がスタートした。

セッション中は、早々からコースアウトやスピンを喫するクルマが続出。開始30 分もしないうちから赤旗が提示された。だが、走行再開を迎えると、各車は少しでも条件の良いコンディションを見極めてコースインし、ベストラップを狙って走行を続ける。というのも、前日に行なわれたミーティングにおいて、仮に諸条件によって予選が実施されなくなった場合、この公式練習時の結果を決勝スターティンググリッドとして採用する可能性があるという”申し合わせ”があったためだ。

気温17 度、路面温度20 度という極めて難しいコンディションのなか、No.24 リアライズコーポレーション ADVANZ のステアリングを握ったのは松田次生選手。不安定な路面状況をしっかりと理解した上でなおかつ攻めの走りに挑み、さらには雨量が少なくなったタイミングで着実にタイムを削ってペースアップを果たしていく。続々とタイムアップするクルマが増えるなか、松田選手も同様に1 分26 秒991 の好タイムをマーク。その直後にセッション3 回目の赤旗中断となったが、この時点で6 番手の好位置につけていた。

改めて再開後もスピンやクラッシュする車両の発生、あるいは雨を原因にした赤旗中断を繰り返しながら、午前10 時55 分からはGT300 クラス車両の専有走行が始まる。だが、5 分後には1 台のクルマがコースアウトの末にタイヤバリアへと激しくヒット。これで6 度目の赤旗が提示され、走行が中断。だが、刻々と時間が経過していくなか、再開が叶わず、赤旗をもってセッション終了を迎える。また、そのあとに予定されていた20 分間のフリー走行もあわせてキャンセルがアナウンスされた。結果、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は7 位でセッションを終了をしている。

その後も雨は降り続き、時折強い雨脚に見舞われる状態に。また、サポートレースを経て午後2 時45 分から予定していた公式予選は、天候回復を待って3 度ディレイされる。そんななか、競技団とチーム監督によるミーティングが行なわれ、最終的には天候回復の見込みがないという判断から、午後3 時10 分を前に予選中止が決まった。

これを受け、翌日の決勝レースのスターティンググリッドは、午前中の公式練習において各車がマークしたベストタイムを反映したものとなり、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は7 位の結果を手にしている。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER DIFF LAP SW
1 38 KeePer CERUMO GR Supra 石浦 宏明
大湯 都史樹
21 50
2 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也
福住 仁嶺
0.303 18 54
3 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資
阪口 晴南
0.340 21 6
7 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
2.011 21 4

Start Time 9:15’00 Finish Time 10:31’56(赤旗提示をもって終了)
RED FLAG (9:21〜9:37) (9:44〜9:53) (10:09〜10:16)

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

今回、ヨコハマタイヤが用意してくれたウエットタイヤのパフォーマンスは良いものでした。ただ、公式練習中のアタックではクリアラップを思うように取ることができず、タイムを伸ばせなかったようなので悔しいですね。結果として、同じヨコハマタイヤ勢の19 号車と差がついてしまったのは、悔しいですね。ただ、しっかりとした雨のコンディションならレースでもいい戦いができると思いますが、雨が止んで路面が乾いてくるようになればまた状況が変わるので、臨機応変にしっかりと戦っていけたらと思います。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

金曜日の時点で、仮に予選が実施されないコンディションになった場合は、公式練習の結果を反映するという話になっていました。今回のウエットタイヤとセッション中の路面コンディションがうまくマッチしたこともあり、パッケージとしてのフィーリングとしては良かったですね。雨量が少ないとしっかりとグリップを得ることもできました。ただ、アタックしたときにトラフィックに遭ってしまい⋯残念でしたね。タイム的にはもっといいものが出せたと思います。決勝も雨がひどくなれば前もまったく見えないでしょうし、危険も伴うと思いますが、天気次第で戦えるのであればしっかりとレースができればと思います。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

今日のセッションで走る機会がなかったので、想像するのも難しいしなんとも言えないのですが、雨がひどくならなければチャンスはあるとは思います。公式練習で装着したウエットタイヤが想定以上に良かったと聞いていますし、決勝では上位を目指して頑張りたいですね。

村田卓児エンジニアのコメント

とにかく朝の公式練習では、午後からの予選ができなくなった場合、このセッションでのベストタイムによって決勝スタートのグリッド順が決まるということだったので、コンディションのいいときにタイムは出しておこうと意識してアプローチしました。ただ、前が詰まっている状況がずっと続いていたのが残念でした。明日の決勝も、今日の公式練習と似たようなコンディションで走ることになれば、見合うタイヤもあるのですが、雨が止んで路面が乾いてくるとまた状況が変わることも考えられるので、また難しい戦いになると思います。

二日目 決勝(9月22日・雨・晴れ/ウェット・ドライ)

決勝レポート

不安定な天候、コンディションが味方せず厳しい戦いに

9 月22 日、スポーツランドSUGO においてSUPER GT 第6 戦決勝が行なわれた。レースは、コンディション回復を待って当初の予定より約1 時間遅れでスタート。時間の経過とともに路面状況が徐々に変化するコンディションとなり、KONDO RACING のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z もタフな戦いを強いられることに。結果、13 位でチェッカーを受けている。

サポートイベントのFIA-F4 レースが行なわれた午前中は、急激に天気が悪化し、土砂降りのような雨にも見舞われたSUGO。刻々と天気が変化し、レースに向けて極めて難しいコンディションとなったことから、この時点では午後からの決勝が実施されるのかどうか、まだ不安要素が多い状況だった。

一方、運営側も天候回復を見据えて各セッションのスタート時間を先延ばしにするなど、あらゆる方法でレース開催を目指していた思いが届いたのか、次第に雨脚が弱まる。結果、午後1 時からのフリー走行を経て、午後2 時20 分にスタートが切られることになった。すでに雨は小康を保っており、また薄曇りの雲の合間から明るい日差しが照りつけるまで好転。しかしながら、2 日間降り続いた雨の影響は大きく、コース上は極めて不安定な状態であったため、レース前半はウエットタイヤによる”慎重な”攻防戦が繰り広げられる。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、まず松田次生選手がスタートを担当。滑りやすいコース上で巧みにクルマをコントロールしながら周回を重ね、ポジションアップの好機を伺った。だが、路面上に残っていた雨が徐々に減るとペースが落ち始め、10 周を過ぎるころには入賞圏外までポジションが落ちてしまった。

レース25 周目、車両同士の接触アクシデントを受け、セーフティーカー(SC)がコースイン。約15 分にわたりペースコントロールが行なわれる。これで一時的タイヤをクールダウンすることができたため、松田選手が反撃を開始。8 位までポジションを戻すことに成功した。

42 周目には、GT300 車両が単独でコースアウトし、クラッシュ。ちょうどルーティンのピット作業が近づくタイミングでもあったため、各車が一斉にピットインを敢行する。だが、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z はドライアップする路面状況と今後のレース展開を考慮してステイアウトを選択。そんな中、コースではFCY が導入され、その後、SC へと切り替わって6 周にわたりレースがコントロールされてしまう。レースが再開したのは49 周終わり。松田選手は51 周を走り切ってピットイン。No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z にはスリックタイヤが装着され、名取鉄平選手がコースへと向かった。⾧きに渡ってFCY やSC が導入されたことを受け、残念ながらすでにライバルとは大差がついている。復帰後は、ひたすら前方の車両を追随することを強いられた。

上位入賞を目指してスタートを切ったNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z だが、最後は13 位でチェッカー。レース中のアクシデントによって明暗が分かれることは決して珍しいことではないが、今回は、目の前にあったチャンスが手からこぼれ落ちる悔しさが残る一戦でもあった。次戦第7 戦は舞台を九州、大分・オートポリスに移しての一戦。例年、サクセスウェイトが半減して臨むレースだが、第5 戦鈴鹿が延期されたことを受け、今シーズンはフルウェイトでの戦いに。ライバルたちがシーズン最重量の状態となるだけに、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z にとっては絶好のチャンスだ。是が非でもシーズンベストの結果を目指して奮闘したい。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER DIFF LAPS SW
1 37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京
G.アレジ
2:11’57.509 84 56
2 38 KeePer CERUMO GR Supra 石浦 宏明
大湯 都史樹
19.957 84 50
3 12 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴
B.バゲット
25.944 84 38
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
1 Lap 84 4

Fastest Lap : No.39 Yuichi Nakayama 1’14.907 70/52Lap (172.366km/h)
Start Time : 14:22’00 Finish Time : 16:33’57

No. TEAM LAPTIME
39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 1’14.907 70/52Lap

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

今回は、チームスタッフ側の判断ミスです。両ドライバーには申し訳ないことをしました。刻々と状況が変わるなか、迅速に判断できなかったのが痛いです。結果、FCY、SC が導入されて流れが変わってしまいました。レース中のアクシデントをも味方にして戦わないといけない。それが同じ様に足を引っ張られてしまった形でした。一方、降り続く雨のなかでもレース開催をひたすら待ってくださった多くのファンの皆さんには感謝しかありません。最後の最後、きちんとレースができて良かったです。ありがとうございました。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

大変なレースでした。初めてレースで装着したタイヤだったので、どういう具合になるのか気になりました。でも耐えて耐えて⋯その後本領発揮、という感じになったので、そこからはフルプッシュでガッツリ追い上げて走りました。ただ、ピット作業のタイミングが⋯⋯。残念でしたね。”タラレバ”にはなりますが、FCY やSC が入らなければ、確実に上位にいけたと思います。それだけにとても悔しいです。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

スリックタイヤでの走行になりましたが、残念ながらコンディションに合うタイヤではなかったので、戦ったという感じはありませんでした。もっとしっかりとレースがしたいという思いがさらに強くなりました。

村田卓児エンジニアのコメント

今回、スタート時に装着したタイヤはウェットコンディションからドライアップしていくなかでもコントロールできるものでした。狙いどおりに働いてくれた部分と今後に向けて改善してほしい部分が見えました。しっかりとデータが取れたと思います。一方、レース結果はピットインのタイミングがすべてです。大勢のチームがピットに向かうなか、次に入ろうと思ったところ、FCY そしてSC と続いたので、ピットインできずチャンスが消滅しました。後半は路面がドライアップするなか、装着するタイヤ選択が難しかったですね。タイムが伸びず、厳しいレースになりま した。

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