RACE REPORT

SUPER FORMULA

第10戦 富士スピードウェイ

予選・決勝(10月12日・気温/路面温度20度/23度)

予選・決勝レポート

2戦分の期待がかかった第10戦、濃霧によりレースをスタートできず

前日の第9戦は雨の中、なんとか予選を終えたものの、決勝レースは赤旗終了となってしまった全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)。第10戦が行われる10月12日(日)は晴れとまではいかないものの天候回復が見込まれており、第9戦の不完全燃焼な思いをすべて発散させるような熱い戦いが期待された。

土曜日に降り続いていた雨も、この日の早朝には止み、SFのセッションはドライコンディションが期待された。しかし、あまり風が吹いていなかったこともあり、思ったほど路面状況は回復せず。サポートレースによってレコードライン上の水は掃けていたが、所々にウェットパッチが残る状態で公式予選が始まった。

金曜日のフリープラクティス、そして第9戦の予選でマシンに大きな手応えを感じていたザック・オサリバン選手はQ1のA組に出走。ところが、いざピットを離れようとしたところでエンジンがかからない。チームはマシンを調べ、ECUやセンサー類をチェック、部品交換を行いながらエンジン始動を試みたが、時間内にかけることはできず、ノータイムで予選を終えることとなってしまった。その後、エンジンは始動できるようになったが、自身も期待していた第10戦は序盤から不運に見舞われる結果となった。山下健太選手はB組に出走。位置取りもまずまずの中、徐々にタイムを上げていくと一時はモニターのトップに立ったものの、最後のアタックで珍しくミスを喫し、タイムが伸び悩む。結果、9番手でチェッカーを受け、2日連続でのQ2進出には届かず、総合17位となった。

SFの予選を終え、ピットウォークやサポートレースが行われているころには曇り空が広がっていた富士スピードウェイ。しかし、第10戦のスタート進行が始まるころから霧が立ち込め、コースオフィシャルがポスト間で旗の提示を視認できないほどの視界不良に。スタート進行はディレイがアナウンスされた。その後も10分おきにディレイのアナウンスが繰り返されたが、霧は晴れず、むしろピットロードからでもグランドスタンドが見えないほどに濃くなっていった。結局、「濃霧による視界不良の回復が見込めず、レースの安全性が保てない」との理由で、第10戦はスタート進行が始まることなく中止が決定。代替レースの開催可否にについては、これから協議されることが発表された。

2戦連続で天候に振り回されてしまった今大会。ただし、ドライコンディションだった金曜日のフリープラクティスと、ウェットコンディションだった第9戦で得られたものは小さくない。次はいよいよシーズン最終戦。チームランキング浮上、そしてドライバーたちも今シーズンの総仕上げを目指し、鈴鹿サーキットでの連戦に挑む。

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

2戦連続でレースがきちんと開催できなかったのは、天候の問題でどうしようもないですね。レースの開始をずっと待ってくださっていたお客さまには申し訳なかったです。そしてチームとしては、ザックにも申し訳なかった。おそらく接触の問題だと思うのですが、エンジンがかからず、予選のチャンスを逃してしまいました。おおよその原因は分かっていますが、持ち帰ってしっかりと究明します。一方の健太は、期待していたラップでタイムが出せず、最後に無線で「ごめんなさい、失敗しました」と。今日は本当にうまくいかなかったですね。2人ともQ2に行けるだけの力は十分持っているし、そこからスタートできれば表彰台争いの可能性もあったので、とにかく残念です。代替戦がどうなるか分かりませんが、残るは鈴鹿の最終戦。今ある力をすべて出し切って、全力で戦います。

山下健太選手のコメント

山下 健太 PHOTO

非常にドライバーの責任が大きい予選でした。クルマとしてはQ1を通過できるポテンシャルがありましたが、1コーナーでオーバーシュート気味になり、ダンロップコーナーから13コーナーに上がるまでの区間で、フルカウンターを当てるほどのオーバーステアを出してしまいました。A組のタイムを見て、もう少しグリップするかと思っていたのですが、予想よりも路面グリップが低く、自分が行き過ぎてしまいました。最終戦は思いきり、いいレースをしたいです。

ザック・オサリバン選手のコメント

ザック・オサリバン PHOTO

今日は何も言えることがありません。予選はエンジンの問題で走れず、決勝はご存じの通り中止になってしまいましたから。予選で起きたトラブルに関しては、これもレースなので仕方ありません。残念ですが、気持ちを切り替えます。今回できなかった1レースがどうなるかは分かりませんが、もし鈴鹿で3レース開催となれば非常にタフですが、面白い大会になるかもしれません。鈴鹿はとても好きなコースなので、良いシーズンの締めくくりができるよう頑張ります。

大駅俊臣エンジニア(3号車)のコメント

今日のコンディションに合わせて持ち込んだクルマが、Q1を突破してQ2でどうだったのかを確認したかったのですが、それを見ることができなかったのは残念でした。Q1突破を狙った気合いのアタックでのミスなので、仕方ない部分もあります。最終戦ではぜひ挽回の走りを見せてほしいと思います。

阿部和也エンジニア(4号車)のコメント

ザックには本当に申し訳なかったです。ECUやセンサーを交換しても症状が改善せず、予選時間内にエンジンをかけることができませんでした。その後ハーネスも交換して、ようやくエンジンはかかりましたが、交換した部品のどれかに原因があったのか、それらの相互作用なのか、あるいは全く別の要因なのかはこれから調査します。決勝も走れていないので何とも言えませんが、鈴鹿はベストリザルトを目指したいです。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 5 DOCOMO DANDELION M5S 牧野 任祐 1’22.759 1’22.123
2 65 PONOS NAKAJIMA RACING イゴール・オオムラ・フラガ 1’22.793 1’22.199
3 6 DOCOMODANDELION M6Y 太田 格之進 1’22.651 1’22.263
17 3 REALIZE Corporation KONDO 山下 健太 1’23.523
4 REALIZE Corporation KONDO ザック・オサリバン

決勝結果

※天候の回復が見込めないため中止

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