RACE REPORT

SUPER FORMULA

第9戦 富士スピードウェイ

予選・決勝(10月11日・気温/路面温度17度/19度~20度)

予選・決勝レポート

2台そろってQ2進出も、決勝レースは雨により14周走行で終了に

全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)はシーズン終盤に入り、富士スピードウェイで第9戦・10戦の2レース制大会を迎えた。金曜日には2回のフリープラクティス(FP)セッションが行われ、ドライコンディションの中で各車が精力的に周回。ただし翌土曜日は悪天候が予想されており、各チームは2セッションで得たデータを基に、あらゆるコンディションに対応できるよう入念な準備を進めた。KONDO RACINGの2人は、山下健太選手がFP1で10番手、ザック・オサリバン選手が9番手とまずまずの手応え。前戦SUGO大会に続き、2台そろってのQ2進出、そしてポールポジション獲得を目指した。

一夜明けた富士スピードウェイは、夜半からの雨により完全なウェットコンディションに。気温17度、路面温度20度という肌寒い中で公式予選が始まった。2組に分けて行われるQ1では、まずA組にオサリバン選手が出走。濡れた路面を確かめるように慎重にアウトラップを終えると、徐々にペースを上げ、計測3周目に1分34秒115をマークして暫定3番手につけた。さらに翌周にはセクター1で全体ベストを刻み、1分33秒210で4番手に。連続周回で1分32秒657まで自己ベストを更新し、最終的に4番手でQ1突破を決めた。オサリバン選手はこれで今シーズン4度目のQ2進出となった。

続くB組には山下選手が出走。しかし、A組の走行時よりも雨脚が強まり、各車のタイムはA組には及ばなかった。そんな中、山下選手は計測3周目に1分34秒476を記録してトップに浮上。ライバル勢が次々とタイムを更新する中、山下選手も1分32秒907まで縮め、3番手でQ1突破を果たした。これでKONDO RACINGは2台そろってQ2へ駒を進めた。ただし、そのQ2は各車が最終のアタックに入ったセッション残り50秒のタイミングで、1台が100Rコーナーでクラッシュ。赤旗が提示され、そのままセッション終了となった。山下選手は計測3周、オサリバン選手はまだ3周しかしておらず、結果は10位・11位というポジションに。雨の中でも手応えを感じていただけに、不完全燃焼の予選となった。

午後になっても天候は回復せず、むしろスタート進行が始まるころには雨脚が強まっていた。午前と変わらず、気温17度、路面温度19度の中、セーフティカー(SC)先導で隊列がグリッドを離れ、レースがスタート。しかし、車両が巻き上げる水煙が高く立ち上がり、コース上の視界はほとんど確保できない状況に。ドライバーからも無線で視界不良の訴えがあり、6周目に入ったところで赤旗中断となった。

約30分の中断を経て、雨がやや弱まったタイミングでSC先導によりレースは再開されたが、今度は霧が発生し、再び視界が悪化。14周目に再度赤旗中断となった。その後、天候の回復が見込めないことからレースは終了。山下選手は10位、オサリバン選手は11位という結果に終わった。なお、レース距離が50%に満たなかったため、シリーズポイントは半分のみが与えられ、山下選手が0.5ポイントを獲得した。

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

予選は2人ともギリギリではなく、しっかりと突破できたのが今日一日の中で一番の成果でしたね。Q2に関しては、やはりピット位置が後方だったことが影響しました。ようやく勝負に行ける状況になったところで赤旗が出てしまった。改めて、レースを優位に進めるためにも、シーズンを通してチームランキングを上げていく必要があると痛感しました。非常にハイレベルなカテゴリーの中で、ルーキーのザックが着実に力をつけてきていますし、健太も合わせて、期待は明日の第10戦に持ち越しですね。

山下健太選手のコメント

山下 健太 PHOTO

雨の中でのパフォーマンスが非常に高かっただけに、Q2も決勝レースもその力を出し切れなかったのはとても残念です。ただ、あのままレースを続ける事は難しかったと思うので、仕方ないと考えています。金曜日のフリープラクティスで得た手応えを踏まえ、今日はそれをさらに発展させて挑みました。明日はドライで走れそうですし、この流れを崩さずに臨みたいです。

ザック・オサリバン選手のコメント

ザック・オサリバン PHOTO

本当に残念な一日でした。ウェットでのペースはとても良かったと思うし、Q2が赤旗で終わらなければ、そして決勝レースが走行可能なコンディションだったら、もっと良い結果が出せたと思います。金曜日のドライコンディションでも悪くない感触が得られていたので、雨上がりの明日のレースは楽しみにしています。

大駅俊臣エンジニア(3号車)のコメント

ウェットコンディションに対しては、前回SUGO反省から得たデータを基に、さまざまな想定を立ててセットアップを持ち込みました。結果としてパフォーマンスは非常に良かったと思います。山下選手も周を重ねるごとにタイムを上げられていました。Q2では雨が強くなったことに加え、アタックに入ったポジションが悪く、ピット位置の関係でトラフィックに巻き込まれ、十分なウォームアップができませんでした。明日はドライの予報です。金曜日の走行でも悪くはなかったので、そこからどこまで詰められるか。トヨタ勢のトップは見えているだけに、完全ドライかどうかを見極めつつ挑みたいです。

阿部和也エンジニア(4号車)のコメント

4号車としては、昨年も実はウェットコンディションで速さを見せていたことから、ある程度上位に行ける手応えはありました。ただ、これだけの雨量と低い気温の中で今シーズン新しくなったタイヤがどう機能するかという点には不確定要素が多く、そこは懸念でした。Q1では内圧の問題で最後の週にベストタイムを出せず、Q2は赤旗によりアタックできませんでしたが、セクター1と2のペースは悪くなく、計測できていればトップ6には入っていたと思います。3列目から戦えた可能性を考えると、正直もったいなかったですね。明日の決勝ではなんとかポイントを獲りたいです。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 37 VANTELIN TOM’S サッシャ・フェネストラズ 1’32.330 1’33.967
2 1 VANTELIN TOM’S 坪井 翔 1’32.725 1’34.123
3 16 AUTOBACS MUGEN 野尻 智紀 1’32.905 1’34.205
10 3 REALIZE Corporation KONDO 山下 健太 1’32.907 1’50.278
11 4 REALIZE Corporation KONDO ザック・オサリバン 1’32.657 1’56.518

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 37 VANTELIN TOM’S サッシャ・フェネストラズ 1:04’25.142 12 2’41.743
2 1 VANTELIN TOM’S 坪井 翔 1.251 12 2’42.018
3 16 AUTOBACS MUGEN 野尻 智紀 2.380 9 2’41.957
10 3 REALIZE Corporation KONDO 山下 健太 19.236 9 2’40.411
11 4 REALIZE Corporation KONDO ザック・オサリバン 21.267 9 2’39.589

参加台数:22台 出走台数:22台 完走台数:22台
規定周回数 12Laps

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
29 KDDI TGMGP TGR-DC SF23/Seita Nonaka 2’35.369(12/12)105.728 km/h

PHOTOギャラリー

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