RACE REPORT
SUPER GT GT300
第1戦 岡山国際サーキット
一日目 予選(4月13日・晴れ/ドライ)
予選レポート
キャリア豊富な新コンビの初戦の公式予選結果は18 位に
2024 年SUPER GT シリーズ初戦が、4月13日、14日に岡山国際サーキットにて行なわれ、土曜日に行われた公式予選でKONDO RACING のGT300クラスNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R は、18 番手となった。
GT300 クラスにおいて、つねにチャンピオン争いを繰り広げてきたKONDO RACING。今シーズンは、チームの要として奮闘するベテランのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手のパートナーには、佐々木大樹選手を新たに迎えている。ともにSUPER GT で数多くのレースを戦い、GT500 クラスでの優勝経験もある頼もしいコンビ。実のところ、このふたりは2017年に、KONDO RACING のGT500 クラスにおいて共に戦っている仲。7 年ぶりのコンビ結成で、ドライバーふたりはもちろんチームの士気もさらに高まっており、2 年ぶりのクラス王座を狙っていきたいと意気込む。
その一方で、シーズンを前にGT300 クラスでは参戦車両における性能調整が行なわれており、車両のコーナリングスピードを抑制することを目的に、追加重量を搭載することとなった。その増加分を考慮してレース結果によって搭載するサクセスウェイトは軽減されたが、従来の車種別の性能調整(BoP)とは別に、NISSAN GT-R NISMO GT3 はさらに52kg を搭載しなければならない。もともと(BoP) として65kg が加わるため、岡山では総重量1402(1285+65+52)kg となる。また、タイヤ持ち込みセット数も昨シーズンより1 セット削減された上に、改定された予選方式では予選から決勝スタートまでを1 セットのタイヤで走行する必要があるため、かなり困難な状況での戦いに臨まねばならないのは明らかだ。
KONDO RACING としては、新しくコンビを組むふたりが、厳しい現状に立ち向かうにあたって多くの力を発揮してくれることに期待しつつ、またチームとしてもこれまでのデータをしっかり活用し、力強くシーズンを戦っていきたいと初戦に挑むこととなった。
レースウィークは搬入日から春の陽気に恵まれ、日中は気温もぐんぐんと上がり、初夏を感じるほどの天気となった。予選日の朝、9 時30 分からの公式練習は気温20 度、路面温度26 度でスタートしたが、11 時15 分の終了時には、気温は25 度近く、また路面は30 度を超えるコンディショに変化。なお、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは、このセッションを11 番手で終了したが、トップとは約1 秒強の差がついている。性能調整の影響も関係するのか、いずれにせよ午後の予選アタックに向けて、タイヤマネージメントなどさまざまな点を意識したクルマ作りが必要となるのは言うまでもない。
レギュレーションの一部変更を受け、予選方式も見直しが行なわれた。これまで、Q1 からQ2 に進出できる車両はA、B組から上位各8 台、計16 台に限定していたが、今シーズンからは全車両がQ1、Q2 を出走する。その上で、2 選手のタイムを合算し、速い順に決勝グリッドが与えられることになった。Q1 の予選方式はこれまでと同様だが、Q2 では、Q1 の各組から上位8 台ずつ、計16 台(グループ1)で1 組、残る台数で1 組(グループ2)を形成するグループ分けを実施。さらに、グループ1 の下位4 台とグループ2 の上位4 台において合算タイムを比較、タイムが速い順に並び替えを行なう形を採用している。
No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R はQ1・A 組に出走し、オリベイラ選手がアタックを担当。1 分27 秒146 のタイムはグループ6 番手となったため、続くQ2 はグループ1 に組分けされた。そのQ2・グループ1 でアタックに挑んだ佐々木選手は、1 分27 秒736 をマークし、16 番手に。並び替えの対象となったことを受け、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R は18 番手から決勝スタートを切ることになった。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生 尚弥 篠原 拓朗 |
1’26.016 | 1’26.182 | |
2 | 2 | muta Racing GR86 GT | 堤 優威 平良 響 |
1’26.280 | 1’25.985 | |
3 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口 卓人 山内 英輝 |
1’26.651 | 1’25.862 | |
18 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | 佐々木大樹 J.P.デ・オリベイラ |
1’27.736 | 1’27.146 |
Q1 A Gr. (Weather: Sunny/ Track:Dry) StartTime 14:00 FinishTime 14:10 Q1 B Gr. (Weather: Sunny/ Track:Dry) StartTime 14:18 FlnishTime 14:28 Q2 Group2 (Weather: Sunny/ Track:Dry) Start Time 14:53 Finish Time 15:03 Q2 Group1 (Weather: Sunny/ Track:Dry) Start Time 15:11 Finish Time 15:21
二日目 決勝(4月14日・晴れ/ドライ)
決勝レポート
開幕戦No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R は15 位に
決勝日も抜けるような青空が一面に広がった岡山国際サーキット。前日より強い日差しに、場内では早くも熱中症注意を呼びかけるアナウンスが幾度となく行なわれるほどだった。午前中のピットウォークには、今シーズンの開幕を心待ちにしていた多くのファンが足を運び、ドライバーとの交流を楽しんでいた。
午後1 時30 分、岡山県警の白バイに先導される形で、開幕戦が号砲、パレードランのあと、フォーメーションラップへと進み、いよいよ300km レースがスタートする。第1 スティントを担当したのは、佐々木選手。気温27 度、路面温度41 度のコンディションの下、オープニングラップで早速ポジションをひとつ上げて周回を重ねていく。だが、抜きどころの少ない岡山のコースでは、なかなか勝負に持ち込むことが難しい。また、スタート直後に発生したアクシデントを受け、セーフティカーが導入されたことで、しばし膠着状態に。その後は、予選から装着するユーズドタイヤのマネージメントを意識しながらの周回が続いた。
レースは周回数の3 分の1 が過ぎ、佐々木選手が25 周目を終えてピットに帰還。足元にはようやくニュータイヤが装着され、オリベイラ選手がコースへと向かった。タイヤに熱が入ると、1 分28 秒後半から29 秒前半の好タイムを刻み続け、ポジションアップの機会を伺う。45 周目にはベストラップとなる1 分28 秒774 をマーク、ポジションも13 番手まで上げる力走を見せた。終盤、タイヤコンディションが厳しくなったなかでも、攻めの走りは変わらず。入賞圏内の10 番手でチェッカーを目指していた。だが、最終ラップで後続車の先行を許し、11 位でタフな戦いを終えた。だが、その後、レース中の複数回の黒白旗の提示に対して40 秒加算の裁定が下りたため、正式結果は惜しくも15 位になっている。
今シーズンの戦いが、一筋縄ではいかない厳しい状況であることに違いはない。しかし、与えられた状況のなか、チームとしてどこまで力を引き出して戦うかが問われる。ミスなくクレバーに、緻密な戦略をもって戦うことで、さらなる結果を追い求めていくことになる。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | muta Racing GR86 GT | 堤 優威 平良 響 |
2:03’34.432 | 77 | |
2 | 65 | LEON PYRAMID AMG | 蒲生 尚弥 篠原 拓朗 |
4.895 | 77 | |
3 | 7 | Studie BMW M4 | 荒 聖治 N.クルッテン |
20.628 | 77 | |
15 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | 佐々木 大樹 J.P.デ・オリベイラ |
1 Lap | 76 |
ファステストラップ : No.61 Hideki Yamauchi 1’28.018 4/36Lap (151.455km/h)
黒白旗未提示 【SpR 13 1.】CarNo.6 Roberto Merhi Muntan / CarNo.56 Joao Paulo Lima de Oliveira
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 1’28.018 4 |