RACE REPORT

SUPER FORMULA

第8戦 モビリティリゾートもてぎ

一日目 予選(8月21日・晴れ/ドライ)

予選レポート

フェネストラズ選手は前日同様、2 番手を獲得。山下選手は 4 番手に

前日に続き栃木県•モビリティリゾートもてぎにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権が開催され、第 8 戦の予選および決勝レースが行われた。前戦で 2 台揃って入賞を果たした KONDO RACING では、3 号車山下健太選手がマシントラブルで完走扱いにはならず、4 号車サッシャ・フェネストラズ選手は 6 位に甘んじた。

大会 2 日目、第 8 戦を迎えたもてぎの上空は曇り空。雨こそ降っていなかったが、予選を前にした気温は 27 度、路面温度は 32 度と連日季節的には涼しいコンディションとなった。この日、ノックアウト予選 Q1 の A 組に出走したのはフェネストラズ選手。まずユーズドタイヤで 1 周し、その後ピットへ。ニュータイヤを装着してアタックのタイミングを待っていたが、この時、ヘアピンでコースアウトした車両が出て、セッションが赤旗中断となる。5 分後の再開に合わせ、他車よりも早めのタイミングでアタックラップへとアプローチしたフェネストラズ選手は、ウォームアップ中の他車をかき分けるかのようにアタックラップに入った。まず、1 分 31 秒 658 で暫定トップに入ると、これがターゲットタイムとなる。ライバルたちも続々とベストラップをマークする中、フェネストラズ選手もさらに自身のラップタイムを更新する走りを見せ、1 分 31 秒 511 をマーク。まずは 5 番手で Q1 通過となった。続く B 組には山下選手が出走。まずユーズドタイヤで 2 周し、その後はフェネストラズ選手と同じようなアプローチでアタックに入ったが、アウトラップ後の計測 1 周目もしっかりとタイヤを温める走りを行い、その後、ワンラップアタックに挑むと 1 分 30 秒 895 をマークしてトップに躍り出た。なお、その直後にこのタイムを上回ったライバルが出たことにより、山下選手は 2 番手で Q1 を突破している。

前日に続いて 2 台揃って Q2 進出を果たした KONDO RACING。7 分間のセッションが残りおよそ 5 分半となったタイミングで山下選手、それから一呼吸置いてフェネストラズ選手がコースインしたが、両選手とも Q1 と異なり、最初からニュータイヤを装着して走行を開始した。ウォームアップを兼ねたアウトラップのために、ゆっくり時間をかけ周回し、いよいよアタックラップへと向かうこととなった。まずひと足先にベストタイムを刻んだのは、山下選手。1 分 30 秒 582 をマークし、暫定 3 番手へ。するとその後、フェネストラズ選手がこれを上回る 1 分30 秒 462 のタイムで 2 番手に浮上した。結果、フェネストラズ選手は前日同様、2 番手を獲得。山下選手はシーズンセカンドベストとなる 4 番手に。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 65 TCS NAKAJIMA RACING 大湯都史樹 1’30.628 1’30.313
2 4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ 1’31.511 1’30.462
3 1 TEAM MUGEN 野尻智紀 1’30.902 1’30.497
4 3 KONDO RACING 山下健太 1’30.895 1’30.582

参加台数:21台 出走台数:21台




二日目 決勝(8月21日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

フェネストラズ選手は 6位、山下選手は周回数不足扱いで完走扱いならず

前日からの連戦となる決戦は、午後 2 時 30 分にスタート。午後から次第に天気が回復して夏の暑さが戻ったもてぎは、気温 31 度、路面は 45 度と前日と大きく異なり、タフな戦いになることが予想された。スタートが切られると、気持ち出遅れたフェネストラズ選手に対し、その背後からクリアスタートを決めた山下選手が詰め寄る。1 コーナー進入でアウト側を取った山下選手がやや大回りする形で 2 コーナーへと向かったが、目の前に他車が立ち塞がる形となったため、イン側にいたフェネストラズ選手が再びリードを奪って進んでいく。しかし、予選 3 番手の 1 号車が既に先行していたため、オープニングラップでは、フェネストラズ選手が 3 位、山下選手が4 位となった。

チームメイト同士の激しいポジション争いを経て、その後は上位陣が僅差ながらも等間隔で膠着状態に。そんな中、タイヤ交換が可能となる 10 周が過ぎると、まず 11 周終わりで山下選手がピットに飛び込んできた。ところがルーティンのタイヤ交換作業を行うのではなく、いきなりクルマがガレージへと運ばれる。実はコース上でシフトチェンジができなくるというトラブルが発生。レーススピードを確保できなくなってピットインしたのだ。その後、10 分以上時間をかけて修復を済ませると再びコースイン、残念ながら表彰台を狙うチャンスはなくなったが、今後の戦いを視野に入れてコースでの周回を継続した。

一方、フェネストラズ選手はレース終盤でのルーティンワークを考えていたが、チームが下した選択は序盤でのピットインだった。10 周を終え、真っ先に 6 番手を走行中の 19 号車がピットに飛び込む動きを見せたが、フェネストラズ選手は 16 周終わりでピットへ。だが、予想に反して、同時にトップを走る 65 号車もピットイン。結果的にコース復帰後も 65 号車のペースに付き合う形となり、存分なレースパフォーマンスを披露する好機が消失する。さらに、早めにピットインを敢行した 2 台がハイペースで周回。これにより、ルーティンワークを終えた車両の中でフェネストラズ選手は 5 番手へとポジションを落として周回を続けることになった。迎えた 20 周。ここまでピットインのタイミングを遅らせた 20 号車がルーティンワークを実施。3 番手でコース復帰を果たしたことで、フェネストラズ選手は自動的に 6 番手へとポジションを落とすことに。悔しい展開となる中、レースはその後、37周を迎えてチェッカー。逆転のチャンスにも恵まれず、フェネストラズ選手は6位で今大会の戦いを終えている。なお、山下選手もピットイン作業作業のため 8 周遅れながら最後まで走り切ったが、周回数不足扱いで惜しくも完走扱いにはならなかった。

残すところ、10 月 29 日、30 日の鈴鹿大会のみとなった今シーズンのスーパーフォーミュラ。今回に引き続き 1 大会 2 レースの展開だけに、チームはシーズンの”有終の美”を飾るべく、なんとしても表彰台を獲得したい。2 台揃って予選での速さを披露するようになった今、その可能性も存分にあり、ドライバー、そしてチームが奮起し最終戦に集中して臨むこととしている。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 19 carenex TEAM IMPUL 関口雄飛 59’31.699 37 1’34.114
2 20 carenex TEAM IMPUL 平川亮 0.943 37 1’34.427
3 5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 牧野任祐 2.450 37 1’34.697
6 4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ 7.222 37 1’35.255
3 KONDO RACING 山下健太 8Laps 29 1’34.059

参加台数:21台 完走台数:21台

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
14 docomo business ROOKIE SF19 1’33.930 (

近藤監督のコメント

近藤監督 PHOTO

今週末のレースで他のドライバーにも出ていたシフトトラブルがこの決勝で(山下)健太に出てしまいました。残念です。一方、サッシャ(フェネストラズ)に関しては、ピットインのタイミングを相当悩んだのですが、早めのタイミングを選びました。でも結果としては、外したということになりますね。加えて、表彰台を狙える速さまではなかったと思うし。今回はインパルチームの勢いにしてやられました。今回、予選では 2 台揃っていいポジションを狙えるところまできたことは大きな成果です。次は最終戦になりますが、今回見つけたいい材料をしっかりと活用してがむしゃらに、表彰台を獲得するレースをチーム一丸となって戦います。

3号車・山下健太選手のコメント

山下健太 PHOTO

トラブルは、しょうがないですね。7 月の富士大会でも同じことがあったんですが、あのときは影響がなかったものの、今回は走行中に。ピットに戻る 1 周、2 周前くらいにアラームが点いたので、コース上でできることすべてをやったのですが……。予選では昨日よりもトップとの差が縮まって良くなりました。しかし、トップを狙うにはまだもうちょっと足りないのかなという感じです。具体的な改良点も見つかったので、最終戦鈴鹿に向けてまた頑張って準備したいと思います。

4号車・サッシャ・フェネストラズ選手のコメント

サッシャ・フェネストラズ PHOTO

今日は残念な結果になってしまいました。今日の戦いを振り返って言えることは一つ。いい戦略が必要だったということです。クルマも状況もそれに応えられるいい状態だっただけに、本当に残念です。早めのピットインでなくコースに留まり、終盤にピットに戻ってアンダーカットする方が、今回僕らのクルマには合っていたということですね。結果的にいい結果を残せずに終わりました。チームとしての決断だしこれもレースだとは思いますが、オートポリスでも同じような経験をしているので、この教訓をもとにこれからの戦いに向けてしっかりとミーティングをしたいと思います。ドライバー、そしてチームとしてのチャンピオンシップを考えると、今日の結果で少し難しい状況になってしまいました。残り 2 戦の鈴鹿に向けてしっかりと頑張らなければ。クルマが前回から新しくなったことで、今回も細かなトラブルなどが発生していました。その辺りも見直してシーズン最後の戦いに挑みます。

3号車・阿部エンジニアのコメント

前大会の富士のレースでは日曜朝のフリー走行で同じようなトラブルが出たのですが、それが今回は決勝直後に出てしまいました。残念ですが、すぐ修復できるのは分かっていたので、まだ走れる時間はあるし、前大会でもレースができなかったので、今後のためにもロングランをしておこうと思い、コース復帰しました。タイヤの状況も把握しながら様々なチェックを行いました。

4号車・村田エンジニアのコメント

今回、ピットインのタイミングを引っ張りたいという考えがありました。結果としてはチームの判断として早めのピットインになったのですが、そのタイミングでトップの選手と同時ピットインになり、クリアな状況でコース復帰することができませんでした。描いていた展開にならずに残念です。ドライバーも相当悔しかったと思います。

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