RACE REPORT
SUPER FORMULA
第1戦 モビリティリゾートもてぎ
第1戦(4月4日・雨/ウェット)
予選&決勝レポート
悪天候に見舞われた開幕戦、アクシデント連発の決勝をSFデビューのルーク・ブラウニングが完走
2026年の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)が開幕を迎えた。今季の開幕戦の舞台はモビリティリゾートもてぎ。例年は酷暑の8月大会で、昨シーズンは4月下旬のシーズン第2大会として開催されたが、今シーズンはさらに時期が早まり、4月第1週の開幕戦が行われることとなった。KONDO RACINGは今季、大きな体制変更を行った。エースナンバーの3号車をドライブするのは、FIA F2選手権で昨年ランキング5位となり、今季はウィリアムズF1チームのリザーブドライバーにも昇格したルーク・ブラウニング選手。4号車には1年ぶりのSF復帰を果たす笹原右京選手を起用する。またエンジニアリング体制も一新し、3号車はウィリアムズF1でブラウニングとの関わりもあるエド・リーガンが担当。4号車は昨年まで2年間ライバルチームに在籍していたコシモ・プルシアーノを迎えることになった。
開幕大会は2レース制のフォーマット。4月4日(土)の第1戦を前に、3日(金)には2回のフリープラクティスが設けられた。晴天のもと、完全ドライコンディションで行われたセッションでは、シーズン開幕を前にコースの路面舗装が全面改修されたこともありどのチームも精力的に周回。KONDO RACINGも、特にもてぎ初走行のブラウニング選手は2セッション合わせて69周と、全ドライバーの中で最多周回数を走りこんだ。笹原選手はショートランとピットインを繰り返しながらセットアップを仕上げていき、FP1ではトップと0.6秒差の1分31秒014をマークし12番手となった。
温かい日差しのおかげで気温が上がった金曜日から一転、第1戦の予選・決勝が行われる土曜日は朝からひんやりとした空気に包まれた。午前9時30分、気温13度、路面温度17度というコンディションで予選がスタート。2組に分かれるQ1は、まずはA組に笹原選手が登場した。セッション開始と同時にコースへ向かい、アウト・インで戻ってくるとタイヤを交換してアタック、というストラテジーで、笹原選手はアウトラップを含め3周のウォームアップラップを経てプッシュしていく。しかし前日よりも10度低い路面温度で狙っていたほどにタイヤに熱が入らず、1分33秒413という結果に。順位は11番手で、シーズン初戦でのQ1突破とはならなかった。続くB組に出走したブラウニング選手は4号車とは異なる組み立てで、タイヤを交換せずに走り続ける戦略に。計測5周目のセクター1ではセッションの全体ベストを表すパープル表示が出ていたが、5コーナーでタイヤをロックさせて飛び出してしまう。幸いすぐにコースに戻り、翌周にアタック。1分30秒892というタイムをマークできたが、Q2進出圏内には0.195秒とどかず、8番手に。Q2に進出した1台の車両が予選後の車検で失格、タイム抹消となったこともあり、予選の総合順位はブラウニング選手が14位、笹原選手が21位という結果になった。
決勝レースのスタートが近づくにつれ、空模様は徐々に崩れていき、昼にはぽつぽつと雨粒が落ちてくるようになる。スタート進行中も雨は降り続け、ヘビーウエットコンディションとなったことから決勝レースはセーフティカー(SC)先導のもとでスタート。しかし、さらに雨脚が強まり視界も悪くなってきたことから、わずか3周で赤旗が提示されレースは中断することに。約1時間の中断を経て、雨脚が弱まったことからレース再開。15周目を終えるところでSCが隊列を離れ、いよいよリスタートが切られる。雨脚が弱まったとはいえ、2番手以降は前方車両が巻き上げる水しぶきで視界が完全にさえぎられる状況のなか、各車が1コーナーへと飛び込んでいった。21番グリッドからスタートし、SCラン中に前方の1台がコースアウトから後方へ下がったことで1つポジションを上げていた笹原選手は、5コーナーで並んでいた他車と接触。マシンにダメージを負ってしまい、スロー走行でピットに戻ると、そのままレースを終えることになった。相手の車両はコーナー付近でストップしてしまったため、車両回収のために再びSCランとなった。コース上の車両はSC導入の知らせを聞いてすぐさま減速していくが、レース序盤から無線トラブルに見舞われていたブラウニング選手はチームからの声が届かず、減速が間に合わずに他車と接触してしまった。ブラウニング選手はスピン状態からなんとか立て直して隊列に戻り、レースは続行。20周目に入るところで2度目のリスタートが切られたが、さらにコースを飛び出す車両が出たため3度目のSC導入となり、そのままレースの最大延長時間も経過し、23周終了時点でチェッカーが振られることに。ブラウニング選手は14番手でチェッカーを受けたものの、SC中の接触とスピンに対して競技結果に30秒を加算するペナルティを受け、正式結果は20位となった。ドライコンディションのフリープラクティスや予選で見せたポテンシャルを、ウェットコンディションの決勝では発揮することができなかったシーズン初戦。しかし、1大会2レース制の今大会はすぐに挽回のチャンスが待っている。幸い天候は回復するとの予報が出ており、KONDO RACINGの2台は翌日の挽回を誓った。
予選結果
| Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | AUTOBACS MUGEN | 岩佐歩夢 | 1’30.833 | 1’29.847 |
| 2 | 6 | DOCOMO DANDELION M6Y | 太田格之進 | 1’30.118 | 1’29.946 |
| 3 | 64 | PONOS NAKAJIMA RACING | 佐藤蓮 | 1’30.697 | 1’30.067 |
| 14 | 3 | REALIZE Corporation KONDO | ルーク・ブラウニング | 1’30.892 | |
| 21 | 4 | REALIZE Corporation KONDO | 笹原右京 | 1’33.413 |
参加台数:24台 出走台数:24台
決勝結果
| Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | Best Time |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6 | DOCOMO DANDELION M6Y | 太田格之進 | 2:04’03.577 | 20 | 1’49.667 |
| 2 | 1 | AUTOBACS MUGEN | 岩佐歩夢 | 0.669 | 20 | 1’54.616 |
| 3 | 64 | PONOS NAKAJIMA RACING | 佐藤蓮 | 1.016 | 20 | 1’55.582 |
| 20 | 3 | REALIZE Corporation KONDO | ルーク・ブラウニング | 42.707 | 20 | 2’07.936 |
| 4 | REALIZE Corporation KONDO | 笹原右京 | D.N.F | 12 | 2’33.755 |
参加台数:24台 出走台数:24台 完走台数:20台
規定周回数 20Laps
FASTEST LAP
| No. | TEAM | LAPTIME |
|---|---|---|
| 6 | DOCOMO DANDELION M6Y | 1’49.667 (20 / 23) |
近藤監督のコメント

新しいシーズンの初戦がこのような雨の中でのレースになり、うちだけではなくみんなが大変な1日になりました。うちとしては、予選が残念だった。右京に関してはチームのストラテジーとしてミスがありました。普通に走れていれば、トップに絡むほどではなかったかもしれませんが、この順位で終わるような力ではなかったと思います。そういった意味ではルークも、おそらく誰かの後ろについてダウンフォースが抜けたりした部分もあると思いますが、ブレーキロックしてリズムを崩してしまった。2台ともうまくいかない予選になりましたね。決勝については、もう何とも評価ができないところ。雨の影響でルークに関しては無線が通じない状態でした。接触してしまった相手には申し訳なかったです。金曜日のドライコンディションでは手ごたえがありましたから、第2戦はドライコンディションでレースがしたいですね。
3号車 ルーク・ブラウニング選手のコメント

予選は、5コーナーでのタイヤロックが大きく響いてしまいましたね。1周をまとめるのは非常に難しく、もう少し経験を積むことが必要です。ただ、すぐに結果を出せるようになるとは思っていませんが、クルマのポテンシャルはあると思うので、この先の予選でいいスタートポジションを得られる自信は持っています。決勝レースはひどい視界でした。全く何も見えず、さらに僕たちは無線にトラブルを抱えていて全くコミュニケーションが取れなかったのです。セーフティカーが出るタイミングや、そこからグリーンになる瞬間のアナウンスが聞こえなかったのは本当に大変でした。明日は天気も回復するようですし、いい経験を積めるレースができることを期待しています。
4号車 笹原右京のコメント

金曜日からあわただしさを感じるセッションが続き、クルマに関してもパフォーマンスがまだまだ足りないことを実感しています。予選は、フリープラクティスのときと大きくコンディションが変わって他チームも戸惑いがあったと思うので、そこをチャンスにしたかったのですが、僕たちがそれを活かしきれない状態で、厳しい戦いになりました。レースはもう、あのコンディションの中でハイドロプレーニングも起きていて、コントロールが効かない、全く何も見えない中で他の選手とぶつかってしまいました。現状のパフォーマンス不足の原因がどこにあるのか、とにかく問題点をあぶり出すところからですが、諦めずに頑張っていきたいと思います。
3号車 エド・リーガンエンジニアのコメント
スーパーフォーミュラという舞台で、ルーク選手とともにKONDO RACINGで戦えることを嬉しく思います。彼は非常に勤勉なドライバーで、クルマのことも良く理解しています。フィードバックも的確で、今シーズンどのように戦っていけるか、非常に楽しみにしています。そんな中、今日はこのカテゴリーの難しさを体感する1日でした。予選は本当に僅差の戦いで、しかもチャンスはほぼ一度きり。私たちのセッションではトップの選手はとても速かったですが、2番手の選手とはわずか0.4秒差だったにもかかわらず、8番手でQ2進出を逃してしまいました。もしQ2に進むことができていれば、大きく前進できたと考えているので、非常に悔しい結果でしたね。ウェットコンディションの決勝は、そもそもきちんとレースができる状況にはほとんどありませんでしたし、私たちは無線トラブルもあって大変厳しい状況でした。ドライコンディションだったフリープラクティスでは手ごたえをつかんでいますので、明日の第2戦はドライコンディションでしっかりとレースができることを願っています。
4号車 コシモ・プルシアーノエンジニアのコメント
笹原選手とは、昨年のJAPAN CUPで一緒に仕事をしましたが、実は彼がもっと若いときにフォーミュラ・ルノーでも一度一緒に仕事をしたことがあります。ですから彼の持っている力はよく分かっているつもりですが、今週末はそれを発揮できる状況になく、とても厳しい状態です。フリープラクティスでも、1回目はブラウニング選手と同じようなタイムを出せたのに、2回目ではそれがかないませんでした。予選に関しては、アタックまでの組み立てを誤ってしまい、本来持っているスピードも出せませんでした。レースは、今日に関してはあのコンディションでは何も言えることはありませんね。とても厳しい一日になってしまいましたが、今シーズンここから、チームの進歩に少しでも貢献できればと思っていますし、笹原選手が力強く戦えるようサポートしていきたいと思います。











