RACE REPORT
SUPER FORMULA
第3戦 モビリティリゾートもてぎ
第2戦(4月19日・晴れ/ドライ)
予選&決勝レポート
真夏日のもてぎラウンド1レース目は山下健太選手が7位入賞
2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第2大会となるもてぎラウンドが開催。今大会も2レース制のフォーマットで、19日(土)にはシリーズ第3戦の予選と決勝が行われた。モビリティリゾートもてぎは昨年第5戦の舞台で、山下健太選手が7年ぶりにポールポジションを獲得した思い入れのあるコース。前日18日(金)に行われた公式練習でもスピードを見せ、もてぎでの好成績に期待が高まった。
公式予選はお馴染みのノックアウト方式。前戦終了時点でのシリーズランキングによってQ1のグループ分けが行われ、KONDO RACINGはザック・オサリバン選手がA組、山下選手がB組で出走することに。まずはA組のセッションがスタート。この週末がもてぎ初走行というオサリバン選手は、ユーズドタイヤでコースコンディションの確認を行うと、ピットに戻りニュータイヤに履き替えアタックへ。全体の9番目にアタックに入ると、1分32秒280をマークした。コンディションは違うものの、公式練習でのベストタイムは1分33秒台で、そこから約1秒タイムを削ったことになるが、残念ながらQ1突破となるトップ6に入ることはできず、セッション7番手。総合結果では14位となった。
Q1B組で出走した山下選手は、アタックではセクター1で全体ベストタイムを示すレッドマークを示して速さを見せつけた。1分31秒633は、トップにはわずか0.1秒届かなかったもののセッション3番手タイムでQ1を突破。続くQ2では1分31秒366までタイムを削り、結果は4位。昨年のポールシッターとしてはやや悔しい結果となったが、それでも表彰台争いは射程圏内というスタートポジションを手に入れた。
まだ4月下旬に入ったばかりというのに、気温は31度に届き真夏日となった決勝レース。スタート直後の1コーナーでクラッシュアクシデントが発生し、レースはすぐにセーフティカー(SC)が導入された。山下選手はスタートで1台の先行を許し5番手、オサリバン選手はアクシデントをうまく回避し9番手にポジションアップし、4周目のリスタートを迎える。このリスタートでオーバーテイクのチャンスをつかみたかった2台だが、結果的にはポジションキープ。ストップアンドゴーのコースレイアウトで順位を上げていくのが難しいもてぎらしく、序盤は大きな順位変動がないまま周回が進んでいった。10周目を終えタイヤ交換が可能になると、山下選手はミニマムスティントの作戦を採ってピットイン。タイヤ交換に時間がかかってしまったものの、タイヤ交換組としてはポジションキープの2番手でコースに復帰する。翌周にはオサリバン選手を含め4台がピットインしたが、そのうちの2台が山下選手より前でコースに復帰し、オーバーカットを許してしまった形に。この時点でタイヤ交換を終えていない7台が見た目上のトップ7を形成していたが、タイヤ交換を済ませた組の中では山下選手は4番手、オサリバン選手は7番手で後半スティントに入った。
20周を終えるところで最後の1台がピットへ向かい、これで順位が整理されると、山下選手は7番手、オサリバン選手は11番手に。最後までピットインを遅らせていた1台は山下選手の背後でコース復帰したが、フレッシュタイヤを武器にペースアップし、23周目のダウンヒルで順位が入れ替わる。8番手にドロップしながらも、最後まで懸命にプッシュを続けた山下選手。終盤、上位の1台が車両トラブルで戦列を離れたことで一つポジションを取り戻し7位でチェッカーを受けた。オサリバン選手は22周目に2台の先行を許してしまい、一時は13番手に下がったが、最後は12番手でフィニッシュ。もてぎでの初レースは残念ながらポイント獲得には届かなかったが、粘り強く走り続け予選順位よりも1つポジションを上げて終えることとなった。
予選結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 牧野任祐 | 1’31.645 | 1’31.172 |
2 | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 坪井 翔 | 1’31.684 | 1’31.302 |
3 | 65 | PONOS NAKAJIMA RACING | イゴール・オオムラ・フラガ | 1’31.531 | 1’31.306 |
4 | 3 | KONDO RACING | 山下健太 | 1’31.633 | 1’31.366 |
14 | 4 | KONDO RACING | ザック・オサリバン | 1’32.280 |
参加台数:22台 出走台数:22台
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | Best Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 牧野任祐 | 55’54.595 | 33 | 1’34.835 |
2 | 6 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 坪井 翔 | 2.656 | 33 | 1’35.189 |
3 | 65 | PONOS NAKAJIMA RACING | イゴール・オオムラ・フラガ | 3.772 | 33 | 1’34.929 |
7 | 3 | KONDO RACING | 山下健太 | 21.343 | 33 | 1’35.383 |
12 | 4 | KONDO RACING | ザック・オサリバン | 4Laps | 33 | 1’35.839 |
参加台数:22台 出走台数:22台 完走台数:19台
規定周回数 37Laps
FASTEST LAP
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
1 | VANTELIN TOM’S SF23 | 1’34.718 (22 / 33) |
近藤監督のコメント
クはピットに入るまでは良い走りが出来ていましたが、2スティント目に急に走りが悪くなってしまいました。もてぎを走ること自体が初めてなので、走り方の部分で明日は今日よりも合わせこんでくれると思っています。2台とも残念な結果ですが、それでも7位、12位と中団のところにいます。明日の2レース目でキャッチアップできる範囲にはいると思うので、なんとか揃って上位入賞したいですね。
3号車 山下健太選手のコメント
昨日はロングランでの手応えを感じていたのですが、その再現性が全くありませんでした。気温や路面温度が極端に変わったわけでもないですし、前にクルマがいなかった今日の方が昨日と比べても走っている環境としてはいいはずなのですが、昨日の感触がなくなってしまったのは、「ああ、これがスーパーフォーミュラだな」と感じましたね。自分が求めているものというか、「こうしたい」というものはザックの方も一致しているので、チームとして改善していかないといけません。簡単に改善できるものではないと思うので、明日1日の中で何かつかめればいいなと思っています。
4号車 ザック・オサリバンのコメント
もてぎはこの週末が初走行ですが、見た目以上に厳しいトラックだと感じました。非常にテクニカルでタイヤのデグラデーションが厳しいですし、コーナリングもユニークです。予選ではタイヤをロックアップさせてしまったポイントがあったりと苦戦しましたが、決勝レースではいいペースで走れたスティントもありました。タイヤを交換してからはデグラデーションが激しかったですね。経験を重ねることで茂木のコースへの対応もどんどん改善されていくので、明日は今日の経験を活かしてもっといい良い内容のレースにしていきたいです。
3号車 大駅俊臣エンジニアのコメント
昨日感じていたロングでの手応えが、どこかへ行ってしまいました。とはいえ、フリープラクティスがとても良かったというわけではなく、ギリギリのところにいたという風に感じています。決勝のペースは、このクルマは昨年も苦労していましたから、それを少しずつステップアップさせているところ。原因はそれぞれありますし、今日の内容に関しても何が悪かったのか、これから探していきます。予選に関しては、健太はもてぎは速いですから、彼に合わせればあれぐらいのところには行くと思っていました。もうちょっと上には行けると思うので、明日の予選は今日の流れを維持していきたいですね。
4号車 阿部和也エンジニアのコメント
ザックはQ1A組で出走しましたが、フリープラクティスの上位勢が集まっていたので結構厳しいかなと考えていました。自分たちはQ2に進出できるかどうかのボーダーライン上にいると思っているので、予選結果としてもこのあたりだねと。ただ、アタックの際に3コーナーでブレーキロックさせてしまったことでのタイムロスがあったので、それがなかったらもう少しタイム差を削れていたと思います。ザックは今大会がもてぎ初走行で、2時間練習していきなり予選というような状況だったので難しいところはあったでしょうね。決勝に関しては何とかしないといけないとは思っていますが、明日は天候も変わるようなので、今日の状況から良かれと思って変更したものが機能するかしないのか、難しいところです。いろいろな選択や決断がいい方向に進めばと思います。