RACE REPORT

SUPER FORMULA

第7戦 富士スピードウェイ

予選・決勝(7月20日・気温/路面温度:28度~34度/43度~55度)

予選・決勝レポート

機材トラブルで40分ディレイの決勝レース、落ち着いた運びで山下選手が入賞

年間12戦で争われる全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)は、富士スピードウェイで2連戦の2戦目で早くも折り返し点を過ぎ、第7戦を迎えた。連日30度超えの真夏日となる中、決勝前には機材トラブルでレーススケジュールが遅れてしまうという珍事もあったが、KONDO RACINGは山下健太選手が粘り強い走りでポイント圏内となる8位入賞を飾った。

今回はQ1のA組に山下選手、B組にザック・オサリバン選手が出走。第6戦よりも開始時間が約1時間遅く、気温は変わらないものの路面温度は5度も上がっていた。前日の悔しさをバネに車両のセットアップも手を加えてきた山下選手は、タイムアタックで暫定6番手に滑り込むも、最終アタッカーにタイムを更新され7番手へ後退。6番手との差はわずか0.011秒という僅差だったが、Q1突破はならなかった。B組のオサリバン選手も8番手で、今回もQ2進出を逃す。午後の決勝レースは、山下選手が14番手、オサリバン選手が19番手からのスタートとなった。

決勝前、ダミーグリッドへ向かうレコノサンスラップ中にトラブルが発生。ホームストレートを通らずピットロード経由でコースを確認するこの周回で、各車に装着されている計測器(トランスポンダー)のバッテリー不具合が判明した。このままでは一部車両の計測ができずレースが成立しないため、セッションはいったん中断、全車がピットインして該当機器の交換作業を実施。結果としてレーススケジュールは30分超のディレイとなった。当初フォーメーションラップが行われるはずだった午後3時15分の時点では、気温34度、路面温度も55度まで上がっていたが、作業中に温度は徐々に低下し、実際にフォーメーションラップが始まった午後3時57分には、気温30度、路面温度は44度まで下がっていた。

今回のレースはオープニングラップを終えたところからピットウィンドウがオープン。早々にミニマム周回でピットへと飛び込んでくるライバルもいたが、KONDO RACINGの2台は前日同様、前半スティントを伸ばす作戦に。山下選手は2周目に入ったところでオーバーテイクシステム(OTS)に手をかけ、ホームストレートで豪快に1台をパス。オサリバン選手も前後の車両とパックになりながら接近戦を展開していった。序盤でピットインを選ぶ車両が1台ずつ戦列を離れていく中、10周を迎えたところでは山下選手は8番手、オサリバン選手は13番手を走行。ペースは周りと遜色ないが、先にピットインしていったライバルたちを先行するためにはややペースを上げたいところだ。サインガードにいるエンジニアからも、「ここが勝負どころだ」とドライバーへエールが飛ぶ。そんな中、16周目に1台の車両がタイヤ脱落でコースアウト。車両回収のためレースはセーフティカー(SC)が導入されることになった。

この時点でタイヤ交換を終えていなかったのはKONDO RACINGの2台を含む12台。先頭車両から一気にピットへと雪崩込む展開となる。7番手を走る山下選手と11番手のオサリバン選手の間には、約10秒のギャップがあり、オサリバン選手がピットに到着するギリギリ直前で山下選手がピットアウトに成功。しかし、オサリバン選手は停止位置にクルマを止める際、ピットボックス脇に置かれていたタイヤにフロントウィングを当ててしまい、ノーズコーンごとの交換が必要となって作業時間を取られることになってしまった。

全車がピット作業を終えて順位が整理されると、山下選手は10番手にポジションアップ。KONDO RACING同様に2台同時のピットインを余儀なくされたライバルチームの、片方の選手をピット作業で追い抜いた形だ。コース上のデブリを拾うのに時間がかかり、レースは25周目に入るところでリスタート。直前の混戦で1台が接触アクシデントに遭いピットへ入ったことで、山下選手は9番手、18番手を走行していたオサリバン選手も1つ順位を上げた。

残り約20周は、タイヤの消耗具合がほとんど同じような相手とのバトルに。終盤に入り、周りが接戦の中でOTSを使い切っていたが、序盤に1台をとらえた後はほとんどOTSを使っていなかった山下選手は、残り周回数が8周となった時点でまだ170秒近くこのパワーアップツールを残していた。1つ前、8番手を走る相手との差は1.6秒。OTSをコース1周分使って、山下選手はこの差を0.3秒まで縮めていく。そして1コーナーでサイド・バイ・サイドに持ち込むと2コーナーで完全に前に出て、8番手にポジションアップを果たした。最終ラップでは7番手に対し0.5秒まで迫ったが、コカ・コーラコーナーを下ったところでOTSの残量がゼロに。最後はわずかに相手に離され、8番手でのフィニッシュとなった。それでも前日のノーポイントを挽回する入賞で貴重なポイントを獲得。オサリバン選手は、ピットでのノーズ交換を行った分のタイムロスが響き、16位でチェッカーを受けた。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 1 VANTELIN TOM’S 坪井 翔 1’23.359 1’22.940
2 6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田 格之進 1’23.036 1’23.021
3 64 PONOS NAKAJIMA RACING 佐藤 蓮 1’23.273 1’23.095
14 3 KONDO RACING 山下 健太 1’23.661
19 4 KONDO RACING ザック・オサリバン 1’24.437

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田 格之進 1:06’12.813 41 1’24.708
2 15 AUTOBACS MUGEN 岩佐 歩夢 7.127 41 1’24.994
3 1 VANTELIN TOM’S 坪井 翔 7.947 41 1’24.973
8 3 KONDO RACING 山下 健太 19.713 41 1’25.458
16 4 KONDO RACING ザック・オサリバン 28.423 41 1’25.736

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

今回のレースではセーフティカーが出たことで2台を同じ周回数でピットに入れる事にしました。健太とザックのギャップが10秒近くあったので、後から入ってくるザックもそれほどロスなく作業できる計算だったのですが、健太のタイヤ交換に少しだけ時間がかかり、さらにザックは置いてあったタイヤにフロントウィングを当ててしまいノーズ交換も発生、こちらも時間を使ってしまいました。2台の戦略を分けなければいけなかったなという思いもありつつ、そうするとどうしても優先権のない方が不利になってしまうので、2台そろって上位を狙いたい時にはもどかしい部分があります。スーパーフォーミュラというカテゴリーの難しさを改めて痛感した週末でした。次戦のSUGOこそ、予選で前にいないと、なかなかオーバーテイクは難しいコース。Q1を突破して、少しでも前の位置から戦いたいですね。

山下健太選手のコメント

山下 健太 PHOTO

すごく駄目だった土曜日から、ギリギリポイントを獲れるところまでじわじわと巻き返せたなという手応えはあります。ただ、クルマがコンディションにとても敏感で、起きている状況に対して後手に回っている感覚です。どのチーム・ドライバーも良い時と悪い時はあると思いますが、僕たちはその落差が大きい。もう少しキャパシティを広げたいですね。昨日から今日にかけての若干の進歩を振出しに戻さないよう、SUGOでも頑張ります。

ザック・オサリバン選手のコメント

ザック・オサリバン PHOTO

昨日のレースを分析して今日は進化させていきたかったのですが、どちらかというと下がってしまった感じです。なぜこんなにバランスが変わってしまったのか、その理由が分からないのですが、二度と同じことに陥らないように調べる必要がありますね。積み上げてきたものからかなり外れてしまった感じなので、今日は残念な一日でした。やはりスタート位置が後ろの方だと、レースはとても難しい。SUGOではもっと前からスタートできるような予選の戦い方をしていきたいです。

大駅俊臣エンジニア(3号車)のコメント

第6戦と比べてクルマの方で前進したところがあり、その分でポイント圏内までポジションを上がれた部分はありますが、彼の実力に見合う結果にはまだまだ届いていません。「あと少し」というレベルではなく、もっと大きく引き上げて、山下選手が持っているスピードをしっかりと結果に結び付けられるようにしていきたいと思います。

阿部和也エンジニア(4号車)のコメント

今回は、ここまでの中でも特に苦しいレースウィークでした。週末を通してクルマのセットに関して色々な事を試してみましたが、「これだ」という決め手は見つからず。前日のセットにも良い部分があったのでそれを発展させて臨んだものの、それもノーグリップ。今シーズン仕様のタイヤとクルマの組み合わせで、まだ理解できていない部分があるのだろうと感じています。

PHOTOギャラリー

Loading...