RACE REPORT
SUPER FORMULA
第8戦 東北大会 スポーツランドSUGO
予選(8月9日・気温/路面温度29度~34度/41度~50度)
予選レポート
真夏の日差し降り注ぐ東北の一戦、そろってQ2へ進出
全7大会12戦のうち、4大会7戦が終了したスーパーフォーミュラ。杜の都・仙台に近いスポーツランドSUGOで、第8戦が開催された。これまで1大会2レース制のイベントを3回、悪天候により1デイ開催となったオートポリス戦を含め、いずれも1日で予選と決勝を行う慌ただしいスケジュールが続いていた。しかし今大会は土曜日に予選、日曜日に決勝が行われる比較的ゆとりあるタイムスケジュール。各日にはフリープラクティスも設けられ、各チーム・ドライバーとも予選と決勝に向けてじっくりとセットアップやドライビングを煮詰めることができた。国内最高峰カテゴリーにふさわしい、ハイレベルな戦いが期待される中、予選日は最高気温が34度、路面温度50度を記録する真夏の暑さとなった。
SUGOは今年、路面が全面改修されており、「フラットになった」というのがドライバーの第一印象。コンパクトながらバラエティに富んだコーナーを持つチャレンジングなコースレイアウトは変わらないが、コンマ数秒を削るためには、新しい路面特性をいち早くつかむことが重要となる。予選を前に行われた90分間のフリープラクティスでは、山下健太選手が31周を走り込み、1分6秒091というタイムで8番手。一方、SUGO初走行となるザック・オサリバン選手は全選手の中でも最多の42周を走破し、1分6秒447で16番手となった。
3時間半のインターバルを経て公式予選がスタート。まずは山下選手がQ1・A組に登場。セッション開始早々にコースインし、計測2周目に1分6秒621で暫定2番手につけると、ピットでタイヤを交換して再アタック。1分6秒324まで更新して3番手に。その後1台に抜かれ順位を1つ下げたものの、4番手でQ1を突破しQ2進出を決めた。
続くB組ではオサリバン選手が力走。1セット目で1分6秒807を記録すると、2セット目ではそこから0.8秒短縮して1分6秒073をマークし3番手につけた。これでKONDO RACINGは2台揃ってQ2へ進出を決めた。
Q2は激しいタイムアタック合戦に。オサリバン選手は1分6秒134で、Q1の自己ベストにはわずかに届かなかったが、全体の8番手となり、今季ベストグリッド獲得。一方の山下選手は、想定したほど路面コンディションが上がらず嚙み合わない展開となったが、それでも1分6秒179と自己ベストタイムを更新して10番手。KONDO RACINGの2台は揃ってポイント圏内から51周の決勝レースに挑むこととなった。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | AUTOBACS MUGEN | 岩佐 歩夢 | 1’05.733 | 1’05.517 |
2 | 37 | VANTELIN TOM’S | サッシャ・フェネストラズ | 1’05.930 | 1’05.766 |
3 | 38 | SANKI VERTEX CERUMOINGING | 阪口 晴南 | 1’06.117 | 1’05.775 |
8 | 4 | REALIZE Corporation KONDO | ザック・オサリバン | 1’06.073 | 1’06.134 |
10 | 3 | REALIZE Corporation KONDO | 山下 健太 | 1’06.324 | 1’06.179 |
近藤真彦監督のコメント
2台そろってQ2に進出できたことは良かったですが、欲を言えば、2台とももう少し前に行きたかったですね。ザックはSUGOを初めて走るので、「行くときは行ってもいいけれど、危険なことのないように」と話していましたが、それをしっかり守ってクラッシュやアクシデントなく予選日を終えてくれました。健太はもともとそういった心配のないドライバーなので安心して見ていましたが、ザックはよくやってくれましたね。タイムが出れば、4号車としてもいい流れで物事が回っていくでしょうし、チームとしてはまずまずの予選日になったと思います。決勝は雨予報ですから、ウェットタイヤが新スペックになって初めてのレースがどうなるのか楽しみにしています。
山下健太選手のコメント
路面が改修されて、SUGOの雰囲気が少し変わったように感じました。意外とグリップしないというのが最初の印象でしたが、走るにつれて路面コンディションが上がり、タイムも更新。Q1まではそれなりにバランスを合わせることができたかなと思います。Q2に向けても路面状況の向上を予想してクルマを合わせていきましたが、実際にはそれほどグリップ感は変わりませんでした。クルマの合わせ込みもそうですが、僕自身のドライビング自体も「もっとタイムが出る」と思って走っていたので、オーバードライブ気味になっていたかもしれません。Q1の感触のまま行けば6位か7位あたりが見えていたので、悔しい予選になりました。
ザック・オサリバン選手のコメント
SUGOは初めてのドライブですが、昔走った英国のトラックを思い出させるようなコースですね。狭くてハイスピードトラックで、ランオフエリアが小さい感じも懐かしいです。同じく初ドライブだったオートポリス戦と同様に、フリープラクティスは習熟走行に徹しました。予選ではQ1からいい走りができたと思いますし、クルマに対して何が必要かということに集中してQ2にも臨めました。まだペースが足りなかったと思う部分はありますが、いい予選ができたと思います。トラックが狭いだけに、レースは難しくなると考えています。天気とスタートが決め手でしょうね。スタートには自信があるので頑張ります。
大駅俊臣エンジニア(3号車)のコメント
フリープラクティスからQ1、Q2と着実に進められました。走り出しは普通でしたが、アウティングのたびにしっかりタイムを上げられたのは良かったです。ただ、リザルトに関しては5秒台に入れることができなかったので、もう一歩というところ。コンディションの向上を想定してアジャストしましたが、路面の上がり幅が狙っていたところより足りませんでした。決勝は雨予報ですが、雨量によって状況は大きく変わってくるので、本番になってみないと分かりませんね。
阿部和也エンジニア(4号車)のコメント
ザックにとってSUGOはスーパーフォーミュラでもまだ走ったことのない完全な初コースでしたから、まずは慣れるために朝から積極的に走らせました。飲み込みも早く、タイムがすぐに出た印象です。ただ、セクターごとで見ると速いのですが、ニュータイヤで1周をまとめるのが難しく、リザルトとしては上位に行けませんでした。ベースセットは良さそうだったので、大きく変えることなく予選に入りました。Q1ではニュータイヤを2セット使い、2回目のアタックでしっかりタイムを上げてQ2に進めたのは良かったです。Q2はトラフィックに入ってタイヤのウォームアップが少し足りなかったようで、もう少し詰められたと思いますが、初めてのコースでよくやった方だと思います。このサーキットはうちに向いているコースだと考えていたので、だからこそ絶対にミスをしないという守りの姿勢を心掛けました。かなり緊張しましたが、まずは予選を大きなミスなく終えることができてホッとしています。
二日目 決勝(8月10日・気温/路面温度:24度~27度/27度~28度)
決勝レポート
SC2度の荒れたレースを戦い抜き、開幕戦以来のダブル入賞
前日、焼けるような日差しが降り注いだスポーツランドSUGOは一転、決勝日はどんよりとした雨雲に覆われた。朝から弱い雨が降り続き、30分間のフリープラクティスはウェットコンディションでスタート。今シーズン、SFのタイヤはドライ・ウェットともに仕様が変更されており、ここまでのレースは天候に恵まれていたため、新スペックのウェットタイヤで本格的に走行するのはこれが初めてとなった。KONDO RACINGをはじめ、各チームはまずウェットタイヤの特性をつかむべく周回を重ねる。ザック・オサリバン選手はここでも最多となる16周を走行し、1分14秒356で9番手。山下選手は1分14秒710で12番手だった。
決勝も雨は止まず、51周の決勝レースはセーフティカー(SC)先導でスタート。5周の隊列走行後、6周目にSCが離れ実質レースが始まると、オサリバン選手はバックストレッチで7番手のマシンに近づいていき、続く馬の背コーナーでイン側に並びかけり。そのままSPコーナーで前に出て7番手に浮上。さらに6番手を走る車両にも迫り、7周目に再び馬の背コーナーでサイド・バイ・サイドに持ち込むも、相手が持ちこたえてポジションアップならず。それでも序盤から気迫あふれる走りを披露した。山下選手はポジションをキープし10番手を走行。10周目、前を走る車両が単独スピンでグラベルストップとなり、再びSC先導走行となった。
オサリバン選手が7番手、山下選手が9番手で15周目にレース再開。リスタート直後はポジションアップのチャンスでもある一方、後方からのプッシュにも警戒が必要な局面。オサリバン選手は後続車から激しいチャージを受けるも的確にブロックし、ポジションを守る。その間に9番手の山下選手と、それを追いかける1台も近づき、中盤はオサリバン選手を先頭に4台での7番手争いが展開された。
20周目、最終コーナーで1台がクラッシュしたことから3度目のSC先導走行に。29周目にリスタートが切られるが、この時点でレース時間は50分を超えており、51周のレース距離走破よりも先に最大レース時間(75分)に達することが決定。勝負は時間レースとなった。
リスタート後も4台は激しく争い、山下選手は隙を突かれて一旦グループの最後尾まで下がるが、36周目の1コーナーでオーバーテイクシステムを使い1ポジションアップ。38周目にも1コーナーでさらに1台を抜き、オサリバン選手に続く8番手に浮上する。しかし終盤に再び先行を許し、9位でチェッカー。オサリバン選手は7位を守り抜き、終盤には6位に0.4秒差まで迫る熱い走りを見せた。KONDO RACINGは開幕戦以来となるダブル入賞で東北ラウンドを終えた。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | Best Time |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | AUTOBACS MUGEN | 岩佐 歩夢 | 1:15’40.082 | 48 | 1’15.503 |
2 | 37 | VANTELIN TOM’S | サッシャ・フェネストラズ | 0.627 | 48 | 1’16.190 |
3 | 8 | Kids com KCMG Elyse | 福住 仁嶺 | 1.836 | 48 | 1’16.658 |
7 | 4 | REALIZE Corporation KONDO | ザック・オサリバン | 7.714 | 48 | 1’16.678 |
9 | 3 | REALIZE Corporation KONDO | 山下 健太 | 9.471 | 48 | 1’16.516 |
参加台数:22台 出走台数:22台 完走台数:20台
規定周回数 48Laps
FASTEST LAP
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
15 | AUTOBACS MUGEN SF23/Ayumu Iwasa | 1’15.503(6/48)171.005km/h |
近藤真彦監督のコメント
久々にダブル入賞ができました。こういった悪コンディションのときに強いのが外国人ドライバーで、過去にはニック(キャシディ)やサッシャ(フェネストラズ)もそうでしたが、ザックもいいレースをしました。コース上で起きていることに対してしっかりと回避し、チャンスを逃さない。彼の良さが出たレースだったと思いますし、これをきっかけに後半戦も期待しています。彼の走りは、今日は後ろを走ることになった健太にとっても刺激になったはずです。入賞はしたものの、健太にとっては悔しいレースだったでしょう。チームとしては2人ともあと2つずつ順位を上げてゴールしてほしかったですが、それぞれ次につながるレースになったと思います。ここでの収穫が次戦・富士でどう花開くか、期待しています。
山下健太選手のコメント
ペースは周りと同じぐらいでした。タイヤのたれも上手くマネジメントできたと思いますが、抜くほどの力はなく、前に詰まると自分もロスする状況の繰り返しでした。最後に太田格之進選手に抜かれてしまったのは残念です。最近は10位前後が定位置になってきているので、そこから抜け出したいと思っていますが、現状ではちょっと難しいですね。あと少し何かを見つけないと、もう一歩上には行けないと感じています。涼しい方が自分たちには向いているので、10月の富士は気温が下がってほしいです。
ザック・オサリバン選手のコメント
50周近く、とても長く感じましたが、その中で多くのバトルができ、いいレースになりました。今日のハイライトは牧野任祐選手との争いで、しっかり前に出ることができたのは自分としても楽しかったです。ただ、イゴール・オオムラ・フラガ選手とのバトルでは、最後まで彼の前に出られなかったのが悔やまれます。サーキット特性の影響もありますが、涼しい時期の方が僕たちはより良いパフォーマンスを発揮できると感じた週末でした。次戦以降も頑張ります。
大駅俊臣エンジニア(3号車)のコメント
5号車と6号車を抜いたものの、ザック選手に引っかかり、その間に抜き返されてしまいました。ペースはこちらの方が良かったのですが、それを発揮できなかったのはもったいない。予選で前に出られていれば結果は違ったでしょう。今回、全チームが新しいウェットタイヤを使う中で手探り状態でしたが、うちは、もう一歩という感触です。この「もう少し」が続きすぎていますが、去年と違って「そこにいる」実感はあるので、それを形にするためにも結果をきちんと出したいです。
阿部和也エンジニア(4号車)のコメント
今日のペースはみんな同じぐらい。その中で牧野選手をしっかり抜いたのは、よく頑張ったと思います。そこは、クルマの性能よりもドライバーの力です。これまでは後方スタートからオープニングラップでいくつかポジションを上げる展開が多かったのですが、今回は前方スタートで周りも手ごわかった中、それでもポジションを上げました。さらに牧野選手とのバトルになった時にはしっかりと抑え切り、ドライバーの勝負強さが光ったレースでした。 /p>