RACE REPORT
SUPER FORMULA
第6戦 富士スピードウェイ 瑶子女王杯
第6戦(7月18日・曇り/ドライ)
予選&決勝レポート
1大会3レース開催のイレギュラースケジュール。ルーク・ブラウニング選手が予選3番手を奪取
18日(土)は、午前中にノックアウト方式の第6戦予選、第7戦予選が行われた。前日からの雨が残っているうえに、早朝は霧が立ち込めていたが、開始時刻が迫るにつれ徐々に状況は回復。KONDO RACINGはブラウニング選手から組み分け予選がスタートした。「ウェットコンディションを望んでいた」というブラウニング選手は、計測最終周のアタックでセクター1全体ベストタイムを記録。さらにセクター2、3と自己ベストタイムを更新し、暫定トップタイムを0.083秒上回る1分33秒786で首位に躍り出た。このタイムを破るドライバーは現れず、ブラウニング選手はシーズン初のQ1突破をトップタイムという成績で達成した。勢いそのままに、Q2ではトップから0.335秒差の3位に。これまで予選結果に苦しんできたブラウニング選手だが、一気に躍進し、優勝も狙えるグリッド位置を手にすることとなった。笹原選手はQ1でトップから0.678秒差の1分33秒849をマークしたが、100分の1秒で順位が分かれる熾烈な戦いの中でQ2進出圏内に進むことはできず、総合19位となった。
全12戦で争われる今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)は、梅雨明け間近の富士スピードウェイを舞台に、早くも折り返し地点となる第6・7戦が行われた。4月下旬の第3戦オートポリス大会決勝レースが悪天候のため中止となり、その決勝レースも今大会に組み込まれ、1つの週末で3レースを戦うという慌ただしいスケジュールに。17日(金)には2本の専有走行セッションが設けられ、18日(土)には第6戦と第7戦の予選、第6戦決勝が、19日(日)には周回数25周の第3戦決勝と、第7戦決勝が行われる。なお今大会は、2024年の第3戦「第3回瑶子女王杯」として開催され、第6戦と第7戦の結果を合わせた成績最上位者が賜杯を手にすることになる。決戦を前にした2本の専有走行はあいにくの天気となり、終盤に予定されていた2グループに分かれての走行はキャンセルに。ルーク・ブラウニング選手は比較的雨量の少なかった1回目の走行で5番手タイムとまずまずの走り出しを見せ、笹原右京選手は、ヘビーウェットコンディションとなった2回目の走行で9番手タイム。シーズン前半から悩まされていた車両の不具合も改善の糸口が見つかった様子で、十分な走行距離を稼げる今大会でその手応えを確かなものにしていきたいところだ。
サポートレースの予選を挟んで行われた第7戦予選は、2戦連続で上位グリッドを狙っていたブラウニング選手にとっては厳しい結果となった。インターバルの間にコース上は徐々にドライアップし、ウェット宣言は出ていたものの、スリックタイヤでの戦いになった。タイヤのウォームアップラップに入っていたブラウニング選手は最終コーナーの立ち上がりで姿勢を乱してしまい、スピンアウト。コース上でストップしてしまった。これによりセッションは赤旗中断。赤旗原因車両と判断され、ブラウニング選手は全タイム削除となり、総合結果は24位に。笹原選手もQ1突破には届かず、総合22位。KONDO RACINGは19日(日)に行われる第7戦を後方からスタートすることなった。
41周で争われる第6戦決勝は、少し遅い16時15分にスタートを迎えた。曇天のもと、コースはドライコンディション。スタートでは、3番グリッドのブラウニング選手は抜群のクラッチミートでトップ2台に迫っていったが、この2台がサイド・バイ・サイドで争い、前をふさがれる形に。惜しくもスタートでのポジションアップは叶わなかったが、3番手をキープしてレース序盤を進めていった。レースの折り返しを過ぎ、24周を終えたところでピットイン。見た目上では14~15番手あたりでのコース復帰だが、ピット作業を済ませたグループの中では5番手に着けると、フレッシュタイヤでプッシュしていく。ただ、タイヤの冷えたアウトラップで1台の先行を許し、6番手に。最終盤までピット作業を遅らせた最後の1台がコースを離れたのは40周終了時点。ここで全体の順位が整理されると、ブラウニング選手は8位に。そのままファイナルラップに突入し、チェッカー。第4戦鈴鹿大会に続き、富士大会でもポイント獲得を果たした。19番手スタートの笹原選手も蹴り出しは良く前方のマシンに迫ったものの、オープニングラップの混戦の中で2つ順位を落とし、21番手でオープニングラップを終了。その後、ブラウニング選手同様に中盤まで第1スティントを引っ張り、25周を終えたところでタイヤを履き替えると、フレッシュタイヤで残り16周をフルプッシュ。37周目にはチャンピオン経験を持つ野尻智紀選手をホームストレート上で抜き去ってポジションアップを果たし、さらに残り3周のところでアクシデントにより緊急ピットインを余儀なくされた1台がコースを離れ、最終的に20位でチェッカーを受けた。
予選結果
| Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 14 | NTT docomo Business ROOKIE | 福住仁嶺 | 1’37.769 | 1’37.605 |
| 2 | 1 | AUTOBACS MUGEN | 岩佐歩夢 | 1’37.501 | 1’37.765 |
| 3 | 5 | DOCOMO DANDELION M5S | 牧野任祐 | 1’38.051 | 1’37.914 |
| 19 | 4 | REALIZE Corporation KONDO | 笹原右京 | 1’38.596 | |
| 22 | 3 | REALIZE Corporation KONDO | ルーク・ブラウニング | 1’45.418 |
参加台数:24台 出走台数:24台
決勝結果
| Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | Best Time |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 14 | NTT docomo Business ROOKIE | 福住仁嶺 | 55’58.747 | 31 | 1’40.574 |
| 2 | 1 | AUTOBACS MUGEN | 岩佐歩夢 | 0.240 | 31 | 1’40.569 |
| 3 | 6 | DOCOMO DANDELION M6Y | 太田格之進 | 0.620 | 31 | 1’40.250 |
| 14 | 3 | REALIZE Corporation KONDO | ルーク・ブラウニング | 29.252 | 31 | 1’40.294 |
| 4 | REALIZE Corporation KONDO | 笹原右京 | D.N.F | 14 | 1’42.840 |
参加台数:24台 出走台数:24台 完走台数:23台
規定周回数 31Laps
FASTEST LAP
| No. | TEAM | LAPTIME |
|---|---|---|
| 7 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 | 1’39.864 (31 / 31) |
近藤監督のコメント

ウェットコンディションでのルークの予選は素晴らしかったですね。ただ、ドライコンディションだとやはりトップチームとの差が浮き彫りになりました。今の状態でも中団グループより上で走る速さはありますが、表彰台争いに加わるだけのクルマを作ってあげないと。笹原の方は、クルマの状況は最悪なところからは脱出しましたが、ここからさらにレベルアップが必要です。チームも本人も共に頑張って、常にベスト10に顔を出すようなところで戦ってもらいたいですね。明日は2台とも後方から追い上げていくレースになりますが、富士はオーバーテイクも比較的多いコースですから、このコースをうまく使ってポジションを上げていきたいですね。
3号車 ルーク・ブラウニング選手のコメント

予選でトップ3に入ったことは非常に大きな一歩だったと思っています。ウェットコンディションで速さを見せられたことは良かったですね。その一方で、ドライでのペースにはまだ課題を持っています。ポディウムフィニッシュが見える位置からのスタートだっただけに、ポジションを落としてしまったことは非常に残念です。明日の2レースはどちらも後ろの方からのスタートです。天候にもよりますが、ドライでのレースになった場合は今日の課題をどうにかクリアしていきたいですね。
4号車 笹原右京のコメント

もてぎ大会以来、ようやくしっかりと完走することができました。今大会の前に富士では合同テストもありましたが、そこから少しずつ良い部分を積み重ねていたと思っていたところで、今朝の予選では振出しに戻ってしまったような感覚がありました。なぜこのような状況になるのか、もどかしさはありますが、それでもレースディスタンスを走り切ることで積み上げられるものは必ずあります。まだまだ、上位勢と戦うレベルには届いていないことが悔しいですが、今日の1戦が明日以降につながるよう、落ち着いて1つずつ進めていこうと思っています。そのために、100%以上を出し切って走りたいと思います。
3号車 エド・リーガンエンジニアのコメント
ウェットコンディションに合ったクルマのセッティングを見つけられたことで第6戦の予選は非常に良い結果を得ることができました。ブラウニング選手自身も雨にとても強い選手なので、それも結果には大きくつながったと思っています。その一方で、ドライコンディションに対してのセッティングに関しては最適なものを見つけられておらず、決勝は少し苦労しました。明日は残念ながら2レースとも後方グリッドからのスタートなので、非常に苦しい戦いになると思いますが、1つ目のレースで何かを学び、それを2つ目のレースに活かしていければと思っています。
4号車 米林慎一エンジニアのコメント
富士の合同テストから4号車を担当することになりましたが、トラブルが続いている車両でしたから、まずはそのトラブルシューティングから始まりました。そういう意味では周りと比べるとやや出遅れてスタートしている感じはありますが、現状ではずっと悩まされてきたトラブルも解消に向かっています。テストの流れのままのセットアップで持ち込みましたが、フィーリングは良くなかったようで、セット変更の繰り返しという一日でした。明日に向けてはもう一度リセットして臨むつもりです。
二日目 決勝(10月31日・晴れ/ドライ)
決勝レポート
今シーズン集大成の戦いは、2台揃って入賞!
シーズン最終戦の決勝レースを迎えた鈴鹿サーキット。朝はウェットコンディションの中でフリー走行2回目が行われたが、午後2時からの決勝を前に、天候はどんどん回復。30周のファイナルレースはドライコンディションでの戦いが可能となった。KONDO RACINGの3号車山下健太選手は11位からスタートし、6位でチェッカー。また、8番手スタートのサッシャ・フェネストラズ選手は7位となり、2台揃って入賞を飾る形で最終戦を終えている。
決勝日の朝は天候が一転。2回目のフリー走行は雨のスタートとなる。足元にはウェットタイヤが装着され、セッションが始まったものの、走行を続けるにはまだコース上の水の量が十分とは言えない状況。だが、30分のセッション終盤になると雨がしっかりと降り出すなど、不安定なコンディションの中で午後の決勝に向けて準備を進めることを強いられた。なお、このセッションでのKONDO RACINGは、3号車山下選手が11番手、4号車サッシャ・フェネストラズ選手が12番手となっている。
決勝グリッドに整列した全19台。足元には追加供給された新しいスリックタイヤが装着されている。朝はウェットコンディションの不安定な状況だったが、薄曇りながら決勝前にはドライへと回復、ドライコンディションでの決戦を迎えた。気温21度、路面温度25度と前日よりやや温度が下がる中、フォーメーションラップが始まったが、なんと西コースあたりで再び雨が確認され、この先の天候が気になる中でのスタートとなった。
フェネストラズ選手、山下選手とも好スタートを切りってポジションアップのチャンスを伺う一方で、上位陣も激しい攻防戦を展開。まず、オープニングラップはフェネストラズ選手が8位をキープ、山下選手は10位へと順位を上げる。その後、2周目にはウェット宣言が出されたが、幸い天候は崩れることなくその後はすっかり回復した。
レースは、フェネストラズ選手が前方の6号車と抜きつ抜かれつのポジション争いを繰り広げ、また山下選手は2周目に37号車を逆転。9位で不安定な路面に細心の注意を払いつつ、周回を続けていくことになる。その後、レースではトップ51号車にジャンプスタートのペナルティが出たり、スタート直後のバトルによる接触を受けてのペナルティを受ける車両が出るなど、慌ただしい展開へと形を変えていく。一方、ルーティンのピットインは山下選手が10周終了時に、またフェネストラズ選手はその翌周、11周を終えて実施。ともに多くのクルマが同時ピットインを行ったため、ピットが騒然となった。その中でフェネストラズ選手は作業にやや時間を取られてしまったこともあり、逆にスムーズな作業でコースに復帰を果たした山下選手が、フェネストラズ選手の前に出ることに成功する。
今回、最後の車両がルーティンワークを終えたのが残り3周という遅いタイミングとなったが、タイヤ交換後の山下選手は6位、またフェネストラズ選手は7位で順調に周回を重ね、安定したペースを刻んでいった。中でも山下選手は9秒近くあった前方車両との差を着実に縮め、最後は6秒前半まで追い詰める走りを披露。また、フェネストラズ選手も復帰わずか2戦ながら、ミスなく攻めの走りを見せ続けた。最終的に、ふたりとも中盤以降はポジションアップの好機に恵まれることはなかったが、今シーズンを締めくくる戦いとして、手応えを得る形でチェッカーを受けている。今回、2台がともに入賞を果たしたことで、来シーズンへの取り組みはじめさまざまな要素においていい流れを呼び込むことへとつながったはず。シーズンオフのテストを精力的に行うことで、来シーズンこそしっかりと上昇気流に乗って力強い戦いを目指していく。
決勝結果
| Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | Best Time |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 5 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 福住仁嶺 | 51’37.552 | 30 | 1’41.234 |
| 2 | 20 | carenex TEAM IMPUL | 平川 亮 | 1.316 | 30 | 1’40.652 |
| 3 | 16 | TEAM MUGEN | 野尻智紀 | 8.709 | 30 | 1’40.637 |
| 6 | 3 | KONDO RACING | 山下健太 | 32.990 | 30 | 1’41.681 |
| 7 | 4 | KONDO RACING | サッシャ・フェネストラズ | 37.330 | 30 | 1’41.725 |
参加台数:19台 出走台数:19台
規定周回数 30Laps
FASTEST LAP
| No. | TEAM | LAPTIME |
|---|---|---|
| 16 | Tomoki Nojiri / TEAM MUGEN | 1’40.637 |
近藤監督のコメント

笹原が、ちょっと息を吹き返してきたところがありますね。悔しいことにQ1突破とはなりませんでしたが、前回のもてぎ大会とは全く違い、きちんと僅差の戦いの中にいました。あとほんのわずかのところをしっかりとものにすれば、Q1突破も見えてきます。今のスーパーフォーミュラは、Q1で12台から6台に残るのも大変な事。ですが、今日の走りでリズムをつかんで、明日はさらにペースを上げていってほしいです。ルークは、セットアップも含めて目指しているのがトップクラス。今いるポジションの少し上ではなく、トップ争いできるレベルを見ています。そういうクルマ作りをしている中で、今日は少し遠回りをしているような印象ですね。良いセットが見つかれば何の心配もないと思っていますし、そこはエンジニアとドライバーの2人に任せています。明日の決勝はノートラブルで行けば、確実にポイントは獲ってくると思いますね。心配なのはグリッド位置。このコースもなかなか抜けないですから、スタート直後の1コーナーが大きなチャンスだし、そこから混戦を抜けていくことが大事なんですが、ルークも笹原も混乱に巻き込まれる可能性の高いポジション。なんとか潜り抜けてきてほしいです。
3号車 ルーク・ブラウニング選手のコメント

なんとか予選順位を上げようと頑張った結果のミス。それに尽きますね。クルマのパフォーマンスも、上位陣と比べるとまだまだなのだろうと思っています。レースのストラテジーもその予選結果を受けて、挽回のために取れる策の一つでした。ペースも期待したほどではなかった。こういうレースも時にはあります。頭を切り替え、さらに前進していけるように努力するのみです。
4号車 笹原右京のコメント

チームの皆さんが、本当に寝る間も惜しんで車両の隅々まで確認してくれたのですが、残念ながら症状は変わらず、むしろ手がしびれるほどになってしまっていました。(振動の)出方が変わったり、いろいろ細かい違いはありますが、起きていることはあまり変わっていません。他の選手のレースを壊さず、迷惑をかけないようにということを念頭に置いて、テストできることもトライしてみたのですが、解決に近づくことはできませんでした。ここから次のレースまでは時間があります。その間に一つ一つ、すべてを確認していくしかない。こういう状態で辛いのはチームも一緒だと思うので、僕もできることは100%、チームとともにやっていきたいと思っています。
3号車 エド・リーガンエンジニアのコメント
もてぎ大会のように予選で後方に沈んでしまったので、我々にできることはライバルチームと違う戦略を試すことだけでした。ですからピットインのタイミングを引き延ばしたのです。ルーク選手のペースは良かったので後続とのギャップも広げていたし、もてぎ大会のように我々にとっていいことが起きることを期待したのですが、展開が味方してくれることはありませんでしたね。22番手スタートからポジションアップは果たしましたが、理想的なレースではありませんでした。やはり課題は予選です。最初から上位争いに加われる位置で戦いたいですね。
4号車 コシモ・プルシアーノエンジニアのコメント
できる限り細かく車両を確認したのですが、一晩で原因を突き止めることはできませんでした。これまでずっと悩まされてきたバイブレーションですが、この週末は特に難しい状況になってしまったのが非常に残念です。笹原選手の本来の力を発揮できるシチュエーションを1日でも早く取り戻せるよう、努力を続けていくだけです。










