RACE REPORT

SUPER FORMULA

第9戦 鈴鹿サーキット

第9戦(11月10日・晴/ドライ)

予選&決勝レポート

山下健太選手9位、小高一斗選手19位で2024シーズンを終える

2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦となる第9戦は、伝統の「JAFグランプリ」として開催。前日と比べるとやや曇り空ではあったが、国内トップフォーミュラのシーズン最終戦を楽しもうと鈴鹿サーキットには19,000人のモータースポーツファンが詰めかけた。泣いても笑っても最後のレース。KONDO RACINGの面々は悔いのないシーズンエンドを迎えるために、昨日の第8戦を終えた後も遅い時間まで第9戦に向けて準備を進めていった。

公式予選は午前9時15分に開始。Q1のA組には小高一斗選手が出走した。セッション開始と同時にコースへ向かい、1周計測を行ってからピットインしてタイヤを履き替え、残り時間が5分を示したところでピットを離れていく。タイヤを入念に温めてアタックへ。勢いよく1コーナーへと飛び込んでいくが、2コーナー先ではややラインをはみ出してしまいわずかにタイムロス。しかしそれ以上にグリップ感を得られず、速さが足りない。コントロールラインに戻り計測されたタイムは1分39秒229で8番手。Q2進出のボーダーラインとなる6位までは1.2秒の開きがあった。最終戦を上位グリッドからスタートしたかった小高選手だが、Q1敗退が決定。総合結果では16位となった。

山下健太選手はB組で出走。小高選手同様にチェックラップで1周の計測を行うと、ピットに戻りタイヤを交換してアタックへと向かっていった。全体で8番目にタイムアタックを開始した山下選手は、前日は飛び出してしまったデグナーカーブもきれいにクリアし、1分37秒880というタイムをマーク。4番手でQ1を突破し、Q2へと駒を進めた。そのQ2は残り時間が5分を切ったところでコースイン。同じようにアウトラップからもう1周タイヤを温めてアタック開始。1分37秒189と、Q1でのベストタイムをコンマ7秒縮めてみせ、8番グリッドを獲得した。

インターバルの間に少し雨が降る時間もあったが、決勝レースが始まる前にはそれも止み、シーズン最終戦は曇り空のもと、ドライコンディションでスタートした。8番グリッドの山下選手は、ホイールスピンで3つポジションを落とし、オープニングラップは11番手にダウン。前を走る車両とは0.5秒もないほど僅差で、序盤の数周はテールトゥノーズの戦いが続いていく。オーバーテイクシステム(OTS)を使いながら並びかけるような場面が何度も映し出され、9周目のバックストレートでようやくライバルを仕留めてポイント圏内の10番手までポジションを取り戻した。11周を終えて、タイヤ交換を行うためピットインすると、フレッシュタイヤに履き替えた後のラップでは、ファステストラップを塗り替えるスピードも見せる。全車のタイヤ交換が終わり、順位が整理されたのは22 周目。この時点で山下選手はスタート位置の8 番手に戻っていたが、最後にタイヤ交換を行い、山下選手の後ろでコースに復帰した1 台がタイヤのマージンを使って猛プッシュをかける。22 周目の時点では1.1 秒あった差が、わずか1 周で0.1 秒まで削られると、24 周目に入ったホームストレートで横に並びかけられてしまう。山下選手もOTS を使って応戦するが、タイヤの消耗度合いの違いは大きく、ここで8 位を明け渡すことに。終盤、さらに1 台が山下選手に襲い掛かってはきたが、OTS の残量を使い切ってこれをブロックした山下選手は、9 位のポジションを守り切って今シーズン最後のチェッカーフラッグを受けた。

16 番グリッドからスタートした小高選手は、いい蹴り出しを見せて1 コーナーへ飛び込んでいくと、2 コーナーまでの競り合いで1 ポジションアップ。2 周目に入ったホームストレートでもOTS を使って加速し、さらに1 台をとらえて14 番手に浮上した。序盤は前日の不調が払拭されたかのようなペースを見せた小高選手だったが、周回を重ねるにつれてペースが苦しくなってくる。12 周を終えてタイヤを交換し、フレッシュタイヤでペースアップを目指したが、劇的な改善とはいかなかった。苦しすぎる残り19 周を、それでも小高選手はあきらめずに走り切り、19 位でフィニッシュした。

これで今シーズンのSUPER FORMULA は全戦が終了。KONDO RACING は山下選手が2 度の表彰台獲得でランキング7 位、小高選手は2 戦でポイントを獲得しランキング14 位。チームランキングは6 位という結果で2024 年シーズンを終えた。

予選結果

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2
1 16 TEAM MUGEN 野尻 智紀 1’37.758 1’36.094
2 6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田 格之進 1’37.492 1’36.797
3 36 VANTELIN TEAM TOM’S 坪井 翔 1’37.351 1’36.844
8 3 KONDO RACING 山下健太 1’37.880 1’37.189
16 4 KONDO RACING 小高 一斗 1’39.229

参加台数:21台 出走台数:21台 完走台数:21台

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS Best Time
1 6 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 太田 格之進 53’45.819 31 1’41.417
2 36 VANTELIN TEAM TOM’S 坪井 翔 5.460 31 1’41.377
3 8 Kids com Team KCMG 福住 仁嶺 6.691 31 1’41.442
9 3 KONDO RACING 山下 健太 25.976 31 1’40.828
19 4 KONDO RACING 小高 一斗 1’05.938 31 1’43.362

参加台数:21台 出走台数:21台

FASTEST LAP

No. TEAM LAPTIME
50 Iori Kimura / San-Ei Gen with B-Max SF23 1’40.441 (20 / 31) 208.134 km/h

近藤監督のコメント

近藤監督 PHOTO

健太は、スタートのミスが響きました。8 番グリッドから、スタートで6 番手に上がるのか、11 番手に下がるのか。下がってしまうと、今のSUPER FORMULA は前のクルマを抜いて行くのに時間がかかりますから、今日のレースはそのツケが来たかなという感じです。もう少し車にスピードがあれば、ドライバー自身には上位陣と遜色なく戦える力があるので、また一緒に戦えるなら、もっとパワーアップしたサポートをしていきたいですね。反対に小高は今日のレースはスタートをうまく決めましたが、昨日からクルマの状況が改善されませんでした。セッティングが合っていないというレベルではないぐらいの症状で、小高には最終戦まで良いクルマを用意してあげられず、かわいそうなことをしました。いいドライバーを活かしきれなかったです。でも彼が、クルマが決まれば速いドライバーなのはみんな知っています。来年以降も腐ることなく走り続けてほしいです。来月には公式テストが待っています。シーズンオフのテストでは色々なことを試して、とにかく今クルマに溜まっている膿を全部出し切りたいと思っています。今シーズンも最後まで沢山の応援をありがとうございました。

3号車 山下健太選手のコメント

山下健太 PHOTO

もう少しすっきりした感じで終えたかったです。予選ももっと行けると思ったのですが、昨日とコンディションが変わっていて思ったほどグリップしませんでした。全体的に昨日よりも予選タイムが下がっている中、自分たちもうまく合わせられずに8 番手という結果になってしまいました。決勝では何とか追い上げようと思っていましたが、スタートでホイールスピンをしてしまい、3 台ぐらいに抜かれてしまいました。そのあとのペースは悪くなかったものの、タイヤの垂れは早かった様に感じています。今シーズンは車両のルールが少し変わり、最初のうちは自分たちも戦えていましたが、シーズンが進むにつれて周りが成長している中、自分たちが乗り遅れているんじゃないかなと感じてしまうような後半戦でした。今のままでは来シーズンに向けても厳しいので、シーズンオフの間になんとか挽回できる策を見つけていきたいです。1 年間応援ありがとうございました。

4号車 小高一斗選手のコメント

小高 一斗 PHOTO

昨日の時点では完走できる状態のクルマではなく、みんなでいろいろと考えて今日のレースに臨みました。自分のペースが保てなくなる事は分かっていたので、スタートからプッシュしていったら序盤は調子が良くて順位を上げることができました。ただ、そこからは昨日のようなペースに戻ってしまい、ピットのタイミングもうまくないところがあって、結果的にはポジションを下げてレースを終えることになりました。現状出来ることは全てやり切って走りましたが、根本的なところは変わっていないので、何かを見つけられたっていう所にはいないかなと感じています。なんとかポジティブにシーズンを締めくくりたかったのですが、うまくいかず悔しい気持ちです。苦しいシーズンでしたが、皆さんの応援が頑張る力をくれました。ありがとうございました。

3号車 村田卓児エンジニアのコメント

予選に関しては、悪い雰囲気ではなかったけれどいまいち伸びが足りなかったですね。ただ周りを見ても全体的にペースが上がっていない様だったし、昨日とのコンディションの違いが影響しているとは思います。決勝もクルマの状態は昨日と比べても悪くなかったと思いますが、やっぱり前のクルマを抜くには何周かかかってしまい、その間に上位陣には離されてしまうという形で、展開には恵まれませんでしたね。昨日のクルマをベースにして最終戦に向かいましたが、色々と嚙み合わなかった部分もあったかなと思います。

4号車 阿部和也エンジニアのコメント

昨日は予選も決勝も全く振るわなかったので、それなりに周りと戦えていた3号車のコピーで走ってみました。昨日も遅くまで作業して、出来るだけ合わせては行きましたが、やはり3号車のようには走れず、昨日よりもリヤがなくなってしまいました。決勝に向けてはまた違うセットアップで臨みましたが、やはり似たり寄ったりで、根本的な解決には届きませんでした。今の時点では何が原因なのか分かりません。来月テストがあるので、いろいろチームと話して、年を越す前に原因を見つけたいですね。

PHOTOギャラリー

Loading...