RACE REPORT

SUPER GT GT300

第2戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(5月3日・晴れ/ドライ)

予選レポート

タフな戦いとなった予選を持ちうる力を引き出し予選14位を獲得

5 月 4 日、スーパーGT 第 2 戦の公式予選が行われ、戦いの場所となる静岡・富士スピードウェイには澄んだ青空が広がった。シーズン開幕戦で優勝を飾り、幸先良いスタートを切った KONDO RACING の 56 号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R。まず、朝の公式練習では、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手によってチームベストとなる 1 分 36 秒 592 のタイムをマークし、12 番手につける。搭載するウェイト 60Kg を考慮すれば、存分なストレートスピードを得ることも難しく、今回は予選グリッドよりも決勝重視でのクルマ作りを進めていくことになった。

午後 3 時、ノックアウト予選 Q1・A 組のアタックがスタート。56 号車にはオリベイラ選手が乗り込む。気温 16 度、路面温度 23 度というコンディションの中、ライバルより先んじてアタックラップに入ると、まず 1 分 36 秒 320 をマークし、暫定 3 番手につけた。オリベイラ選手はさらにアタックを続け、翌周には 1 分 36 秒 315 と僅かであったがタイムを削り取ることに成功。8 番手に滑り込み、Q2 進出を果たすという大仕事をやってのけた。

Q2 担当は藤波選手。Q1 時よりさらに気温が下がったが、その中で藤波選手は 1 分 36 秒 097 をマーク。100 分の数秒を競うタフなタイムアタックで 14 番手を獲得。現時点での 56 号車が持ちうる実力をしっかりと引き出しパフォーマンスを披露したといえる。明日の決勝は長丁場となる 450Km・100 周のレース。56 号車は後方から表彰台を目指し追い上げを狙うこととなった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人
山内 英輝
1’36.242 1’34.888 9
3 10 TANAX GAINER GT-R 富田 竜一郎
大草 りき
塩津 佑介
1’35.782 1’35.253 15
3 96 K-tunes RC F GT3 新田 守男
高木 真一
1’35.816 1’35.273
14 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波 清斗
J.P.デ・オリベイラ
1’36.315 1’36.097 60

Q1 A組  開始:15:00’00 終了:15:10’00
Q1 B組  開始:15:18’00 終了:15:28’00
Q2 開始:15:53’00 終了:16:03’00

二日目 決勝(5月4日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

レース中の衝撃的アクシデントを強靱な精神力で乗り越え7位に

5 月 4 日の決勝日はさらに好天に恵まれ、朝から時折強い日差しが照りつけるほどだった。午後 2 時 30 分からのスタートを前に、気温は 21 度、路面温度は 32 度へと上昇。クラス 14 番手からスタートする 56 号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R にはオリベイラ選手が乗り込み、最初のスティントでどこまでポジションアップできるか、様子を伺うことになった。装着するタイヤメーカーが異なれば、スタート直後でまだ存分に温まっていないタイヤのパフォーマンスを引き出すには個体差が出やすい。その点でやや苦心したが、次第にペースアップすると、逆にトラブルやペースを落とす車両が出始め、12 位へとポジションアップした。また 14 周目には前方車両を逆転、すると 20 周終わりでピットインを実施したチームが出たことで、56 号車は 10 番手から周回を重ねていく。

25 周を前に、GT500 車両の中には早めのピットインがスタート。逆に 56 号車はコース上で激しい攻防戦を展開中だったが、27 周終わりで 1 日目のピットインを実施した。ピット前ではドライバー交代、タイヤ交換そしてガソリン補給の”フルサービス”を展開。加えて 29 周終わりでクラスのトップ車両もピットイン、しばらくは”見えない敵”を意識しながらの周回が続けられた。そんな中、GT300 クラスの 39 周目、ヘアピンで大クラッシュが発生。GT300 クラスの 1 台がスピンし、右ガードレールに激しくヒットし、すぐさまフルコースイエロー(FCY)が先導される。この際、メインストレートを走行していた藤波選手は、チームからの無線で情報が錯綜したか、あわや GT500 車両に追突しそうになりまさかのスピン。最悪の事態をなんとか免れたのは幸いだった。一方、クラッシュのダメージは予想以上に大きく、その後セーフティカー(SC)ラン、さらにはガードレール等の修復時間が長くなることから、午後 4 時 1 分、改めて赤旗が提示され、GT300 クラスの 46 周目にレースが一旦中断する。午後 4 時 25 分、レースは再開。しばらく SC ランが続き、午後 4 時 33 分にリスタートを迎える。改めて追い上げを開始した 56 号車だったが、52 周目走行中に先の FCY 中のスピンに対してドライブスルーペナルティが課せられたことを受け、翌周にピットイン。コースに戻るとクラス 8 位から再び戦いに挑むことになった。

だが、いよいよレース後半に入るというところで、今度はメインストレート上で大惨事が発生する。縦一列になって激しくトップ争いを繰り広げていた GT500 クラスの 3 台の前に、マシントラブルでスロー走行をしていた GT300 クラスが立ちはだかる。500 クラスの先頭車両は 300 クラスの車両を回避できたが、2 番手の車両は突如現れた車両との接触を避けるために左へとステアリングを切ったが、挙動が乱れてその勢いのままグランドスタンド前のガードレールに激突。その反動で回転を続けたクルマが何度もガードレールに接触したため、多くのパーツが散乱する事態となった。これを受け、すぐさま赤旗が提示されレースは中断。幸いにしてドライバーが自力でクルマから降りたが、衝撃的なアクシデントだったことに変わりはない。衝突により損傷したガードレールの修復作業もなかなか進まず、結果としてグリッド上には午後 6 時 10 分までクルマが留め置かれることに。リスタートは切ったものの、SC ランのまま 3 周を重ねると、レースの最大延長時間午後 6 時 20 分を迎えたことからチェッカーフラッグが振られ、戦いに幕を下ろすこととなった。

波乱が重なり、厳しいレースを終えた 56 号車は 8 位でフィニッシュしたが、ペナルティの対象となった上位 1 台がレース後にタイム加算を受けたため、正式結果として 7 位が与えられている。ただし、規定周回数の 75%を消化できなかったため、今大会の結果に与えられるポイントは従来の半分。これにより、56 号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは 2 点を加算。開幕戦と合わせて 22 点となり、なおもランキングトップを維持している。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 10 TANAX GAINER GT-R 富田 竜一郎
大草 りき
塩津 佑介
3:45’54.742 58 15
2 34 BUSOU raffinee GT-R 柳田 真孝
井出 有治
1.555 58
3 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人
山内 英輝
5.517 58 9
7 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波 清斗
J.P.デ・オリベイラ
31.811 58 60

ファステストラップ : 1’37.278 No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT/山内英輝
黒白旗提示 No.9 ケイ・コッツォリーノ

No. TEAM LAPTIME
61 SUBARU BRZ R&D SPORT 1’37.278

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