RACE REPORT
SUPER GT GT300
第4戦 富士スピードウェイ
一日目 予選(8月6日・雨/ウェット)
予選レポート
搭載ウェイトのハンディを考慮しても予選10番手は大健闘
シーズン中盤戦に入った今シーズンのSUPER GT。今季2度目の開催を迎えた静岡・富士スピードウェイでの一戦は、450kmの長い戦いとなる。現在、GT300クラスにおいて暫定ランキングトップであるKONDO RACINGのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは予選10番手から決勝に挑み、途中タイヤマネージメントに苦しむ展開となるも、機転を効かせた戦略で対応。ポジションアップを果たして6位でチェッカーを受けている。
予選日は曇天模様の天候となり、真夏とは言い難いコンディションとなった富士スピードウェイ。朝の公式練習は気温21度、路面温度25度という想定外のコンディションとなった。各車は午後からのノックアウト予選に向けてセットの確認やレースウィークに装着するタイヤの見極めなど、いつも以上により入念に確認しつつ、準備を進めていった。No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、公式練習を14番手で終了。ランキングで暫定クラストップに立つ一方、サクセスウェイトは99kgとライバルより遥かにシビアな条件下で戦わなければならない。しかしながら、450kmという長丁場のレースで巧みな戦略を披露できれば、この先のシーズンもさらに有利な立場に持ち込むことが可能となる。それだけに、是が非でも今回のレースでは、一つでもポジションを上げてチェッカーを受けることが重要となったのは言うまでもない。
ノックアウト予選Q1・A組に出走したのはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手。僅差のポジション争いが繰り広げられる中、Q2進出可能な8番手を掴んだ。さらにQ2でのアタックに挑んだ藤波清斗選手も奮闘。搭載ウェイトを考慮しても10番手を手に入れたのは、大健闘と言えるだろう。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 65 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 蒲生尚弥 篠原拓朗 |
1’36.746 | 1’35.550 | 33 |
2 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人 山内英輝 |
1’36.834 | 1’35.567 | 29 |
3 | 4 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 谷口信輝 片岡龍也 |
1’36.299 | 1’36.181 | 12 |
10 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ |
1’37.164 | 1’36.809 | 99 |
Q1 A組 開始:14:55’00 終了:15:05’00
Q1 B組 開始:15:13’00 終了:15:23’00
Q2 開始:15:48’00 終了:15:58’00
二日目 決勝(8月7日・一時雨のち晴れ/ウエットドライ)
決勝レポート
タイヤマネージメントに苦しむも、粘り強く戦い6位入賞!
決勝日はやや天気も回復。時折強い陽射しが顔を出し、徐々に夏空が戻ってきた。ところが、レース直前のウォーミングアップ走行を終えて全車がグリッドに着くと、天気が急変。通り雨がサーキットをあっという間に濡らしていく。幸い、雨が上がった中でスタートは切れたものの、Aコーナーから100R周辺はウェットコンディションに急変。結果、3年ぶりに復活した静岡県警の白バイ、パトカーによるパレードラップ後は、フォーメーションラップを2周実施することになり、レースは当初の100周から1周減算の99周で争われた。
No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのスタートドライバーは藤波選手。99kgのサクセスウェイトによるタイヤへの負荷を意識し、ペースをコントロールさせながらもポジションダウンを回避しながら粘り強く周回を続ける。だが、想定よりも路気温が上がらず、次第にタイヤマネージメントが難しくなったため、結果として予定していたピットインのタイミングを24周目終わりで前倒しすることになる。いわば”緊急ピットイン”となったことで、予定していた戦略もこれに合わせて変更。ここでオリベイラ選手へ交代すると、ルールに定められている規定周回数をオーバーすることになるため、結果的に藤波選手が連続でスティントを担当しなければならなくなった。刻一刻と変化した状況によって予想以上に慌ただしいピット作業となってしまったが、改めてコースに向かった藤波選手は、フレッシュなタイヤを活かして安定したペースを刻むと、59周終わりにピットイン。最後のスティントをオリベイラ選手へと託した。
元々、第2、第3スティントを担当予定だったオリベイラ選手。実質8番手からのバトンを受けて粘りの力走を披露すると、終盤からはトラブルなどで後退する他車を尻目に次第にペースアップし、78周にはチームベストタイムをマークする。最後の最後まで攻めの走りを続けた結果、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは6位でチェッカー! 序盤のハプニングをも帳消しにするような、チームの総力が結実する戦いを終えている。
極めてタフな一戦ながら、結果を引き寄せる力を見せたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R。今大会の結果により、サクセスウェイトは114kgとなる。次戦の鈴鹿も引き続き450kmのサバイバルレースになる可能性が高いが、引き続きチーム一丸となってシーズン中盤戦の戦いに臨んでいく。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口卓人 山内英輝 |
2:35’41.213 | 91 | 29 |
2 | 11 | GAINER TANAX GT-R | 安田裕信 石川京侍 |
5.959 | 91 | 15 |
3 | 18 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 小林崇志 太田格之進 |
17.520 | 91 | 45 |
6 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ |
1 Lap | 90 | 99 |
ファステストラップ : 1’38.136 No.65 LEON PYRAMID AMG/蒲生尚弥
黒白旗提示 No.6 R.メルヒ・ムンタン, No.6 R.メルヒ・ムンタン, No.56 J.P.デ・オリベイラ, No.52 吉田広樹, No.9 ケイ・コッツォリーノ
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
65 | LEON PYRAMID AMG | 1’38.136 |