RACE REPORT
SUPER GT GT300
第5戦 鈴鹿サーキット
一日目 予選(8月26日・晴れ/ドライ)
予選レポート
サクセスウェイト100kg 予選結果は9 番手のポジションを手にした
今シーズン2 度目の鈴鹿戦も、まだまだ残暑が厳しく、今回の一戦はシーズンを通してもっともタフなものになると考えられた。加えて、今シーズンも順調な戦いを見せてポイントを重ねているNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R は、現在100kg のサクセスウェイトを搭載する。レースウィークでは、気温の上昇によって路面温度も50 度を軽く超えることが予想されるだけに、厳しいコンディション下でどうアプローチするかが重要になった。まず、予選日の朝に行なわれた公式練習では、セッション前半にドライブした名取鉄平選手がチームベストタイムとなる2’00.924 をマーク。16 番手の結果となった。
午前中から蒸し暑い天気に見舞われた鈴鹿。ノックアウト予選が午後3 時20 分に始まると、気温33 度、路面温度はなんと52 度という厳しいコンディションとなる。GT300 クラスのQ1・B 組に出走したNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R には、名取選手が乗り込む。ひと足先に行なわれたA 組では、ランキング暫定トップの7 号車がQ2 進出を果たしているだけに、是が非でもこのQ1 を突破しなければならない。そんなプレッシャーもある中で、名取選手は1 分59 秒379 のタイムをマークし、3 番手通過を達成。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手へとステアリングを委ねた。
午後4 時13 分、Q2 のセッションが始まる。気温はほぼ変わらなかったが、路面温度は48 度まで下がり、これがどのくらいアタックに影響を与えるのかが気がかりではあったが、デ・オリベイラ選手はしっかりとタイヤを温めてワンラップアタックに挑み、1 分59 秒421 をマーク。9 番手のポジションを手にした。100kg のウェイトを搭載し、厳しい暑さの中で両選手が渾身の走りを見せた結果、チャンピオンシップを争うライバルよりも上位の結果を得ることに成功している。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口 卓人 山内 英輝 |
1’58.975 | 1’57.608 | 33 |
2 | 96 | K-tunes RC F GT3 | 新田 守男 高木 真一 |
2’00.094 | 1’58.133 | 6 |
3 | 4 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 谷口 信輝 片岡 龍也 |
1’59.029 | 1’58.652 | 9 |
9 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | J.P.デ・オリベイラ 名取 鉄平 |
1’59.379 | 1’59.421 | 100 |
Q1 開始:AGr.15:20’00 終了:15:30’00 開始:BGr. 15:38’00 終了:15:48’00
Q2 開始:16:13’00 終了:16:23’00
二日目 決勝(8月27日・晴れ/ドライ)
決勝レポート
No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R 悔しいリタイア
迎えた決勝日は、予選日同様に早朝から強い日差しが照りつけ、高い湿度によって、重い空気がサーキットを包み込む。午後1 時15 分からは20 分間のウォームアップ走行が行なわれたが、この時の気温は34 度、路面温度は49 度まで上昇。タフなコンディションでは、いかに集中力を切らさずに高いパフォーマンスを見せるかが、戦いのカギを握ることになると予想された。
多くのゲストがグリッド上に集い、華やかなスタート進行が終わると、午後2 時45 分、地元・三重県警の白バイおよびパトロールカーによるパレードラップ、そしてフォーメーションラップが行なわれ、77 周の戦いが幕を開けた。スムーズなスタートを切る中、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R に乗り込んだ名取選手は、真後ろの1 台に先行され、10 番手でオープニングラップを終了。5 周を終えると、前を走る1 台が早速ピット作業を行なったため、9 番手となる。そんな中、10 周目の2 コーナーで、前を行く6 号車にトラブルが発生。タイヤが脱輪したことを受け、フルコースイエロー(FCY)が導入された。およそ3 分で解除される中、8 番手から懸命に周回を重ねていった。
その後、前方ではルーティンのピット作業を行うために2 台がピットイン。さらに16 周目には前の96 号車を逆転、順調にポジションアップを果たした。上位陣がピットインに取り掛かる一方、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R はさらに周回を重ね、24 周終わりでピットへと帰還。待ち構えるデ・オリベイラ選手へと交代し、タイヤ交換と給油を済ませてコースに戻った。なお、GT300 クラスでは、全車両が29 周終了時点、1 回目のピットインを消化。11 番手を走るNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R だったが、逆転の好機を伺いつつ、安定したラップタイムを刻んでいった。
レースは折返しを迎え、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R は5 番手を走行。ピットインのタイミングによってまだまだ順位の変動が見られるとはいえ、ポジションも入賞圏内へと復活し、展開次第では表彰台も充分に狙える可能性も存分にある状態で周回を重ねていく。42 周目には3 番手を走行、間もなく2 度目のピットインを控える中、まさかの事態が発生する。
45 周目を走るNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R にトラブルが発生。ドライブするデ・オリベイラ選手は少し前からタイヤに異変を感じていたと言うが、バックストレートエンドで右リアタイヤが外れ、さらには右フロントタイヤをも失うかたちで130R のアウト側のスポンジバリアにヒット。デ・オリベイラ選手はスピードを落としていたため、幸いにして大事には至らなかったが、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R としての戦いはこれをもって幕を下ろすことになった。
開幕戦以来、毎レースで着実にポイントを計上してきたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R。今大会でもタフな条件下ながら、力強い走りで入賞確実の走りを見せていた。リタイヤというノーポイントの結果で終わることとなり、チームはもちろんのこと、ドライバーふたりにとって悔しさだけが残ってしまった。シリーズチャンピオンを争ってきたライバルたちもノーポイントに終わったが、一方で、今大会の結果を経て、新たなライバルがタイトル争いに加わることに。次戦、第6 戦SUGO 大会では、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R を含む全4 台が100kg のサクセスウェイトを搭載し、シリーズ後半の戦いに挑む。
まだまだ先の読めないレースが続く中、着実な戦いは当然のこと、常にライバルの先を行く結果を残すべく、精進を重ねていきたい。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | UPGARAGE NSX GT3 | 小林 崇志 小出 峻 |
2:33’56.380 | 71 | 60 |
2 | 87 | Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 | 松浦 孝亮 坂口 夏月 |
1.008 | 71 | 12 |
3 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 井口 卓人 山内 英輝 |
2.730 | 71 | 33 |
56 | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | J.P.デ・オリベイラ 名取 鉄平 |
27 Laps | 44 | 100 |
ファステストラップ : 2’01.338 21 No.96 K-tunes RC F GT3 / 高木 真一
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
96 | K-tunes RC F GT3 | 2’01.338 21/47Lap |