RACE REPORT

SUPER GT GT300

第3戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(6月1日・晴れ/ドライ)

予選レポート

最重量でのタイムアタックを強いられる

2024年SUPER GTシリーズ第3戦が三重・鈴鹿サーキットで行なわれ、初日の予選では、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がタフなアタックに挑むなか、26番手という厳しい結果となっている。

今シーズン序盤の締めくくりに位置する第3戦鈴鹿。なお、今大会におけるNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rの総重量は1414kgに。これは、参戦車両の性能調整等を合算したもので、サクセスウェイト(32kg)を含めてシーズン最重量でレースを戦っていかねばならない。多種多様な車両、多くのタイヤメーカーが参戦するGT300クラスにおいては、毎レース確実に結果を残し、“コツコツと”ポイントを獲得することも重要。それを考えると、今回の鈴鹿戦はチームにとって実に困難な状況での一戦であることは言うまでもない。

朝一番に行なわれた公式練習では、オリベイラ選手がセッティングの微調整を重ね、2分00秒516のチームベストタイムをマークするも、19番手。澄み渡る青空に気温上昇が予想される天候のなか、いかに予選をマネージメントするか、チームとして大きな課題に挑むことになる。

午後3時、まずGT300クラスQ1・B組の予選がスタート。この組に出走したのは、オリベイラ選手が担当。タイヤ温存も考慮して、アウトラップ後にはすぐさまアタックラップへ。ところが、不運にも前方でアタック中の1台が130Rでスピン。これで黄旗が提示されたことでアクセルを緩めざるを得なくなり、実質アタックができないまま予選を終了。2分05秒746というタイムに留まった。なお、今シーズンから予選では合算タイムが適応されるため、このあとのQ2・グループ2に出走した佐々木選手は、タイヤ温存を兼ねて予選通過基準となる107%レベルのタイムで走行することに。ポテンシャルとしても難しい状況に置かれるなか、予選中のアクシデントに巻き込まれたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは、26番手の後方グリッドから翌日の決勝を戦うことになった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 777 D’station Vantage GT3 藤井 誠暢
C.ファグ
1’57.894 1’58.296
2 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人
山内 英輝
1’58.650 1’58.193 2
3 2 muta Racing GR86 GT 堤 優威
平良 響
1’58.501 1’58.682 54
26 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 佐々木 大樹
J.P.デ・オリベイラ
2’05.746 2’02.491 32

Q1BGr:Start Time 15:00’00 Finish Time 15:10’00
Q1AGr:Start Time 15:18’00 Finish Time 15:28’00
Q2Gr2:Start Time 15:53’00 Finish Time 16:03’00
Q2Gr1:Start Time 16:11’00 Finish Time 16:21’00

二日目 決勝(6月2日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

タフなコンディションのなか、ガマンの戦いに

快晴に恵まれていた予選日とは打って変わり、決勝日の朝は量こそ少ないものの、時折雨が上空から落ちる不安定な天候になる。そして、正午からのウォームアップ走行を前にして本格的な雨模様に急変。結果、今シーズンのレースウィークとしては初のウエットタイヤによる走行セッションが始まった。

ドライセッティングでの最終確認をすべく準備を進めていたチームとしては為す術もなく、レースで装着する可能性があるウエットタイヤの準備に走行時間を充てる形でセッションが終了。ところが気まぐれな天気はその後も続き、スタート進行の時間帯ですっかり快晴へと戻り、強い日差しも後押しして、見る見るうちに路面コンディションが回復する。

迎えた午後1時30分、3時間に渡る決戦は“ドライコンディション”でスタート。各車、予選を走行したユーズドタイヤで第1スティントに向かった。No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rには、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが乗り込み、タフな戦いに向かっていく。気温24度、路面温度31度というコンディションがタイヤとのマッチングにおいてより厳しい条件を突きつけるような事となり、チームそしてドライバーはストレスいっぱいのレースをしなければならないのは明白。しかしながら、そこはキャリア豊富なオリベイラ選手がうまくコントロールし、コース上の好機を少しでも逃すまいと周回を重ねていった。

着実にポジションアップを果たすNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R。スタートから1時間が目前の27周終わりでピットインし、給油、タイヤ交換そしてドライバー交代を行なう“フルサービス”の作業を実施。バトンを受けた佐々木大樹選手が第2スティントを担当する。他車も含め、最初のルーティンピットが終わる頃には、17〜18番手あたりを走行しながら、タイヤマネージメントに尽力する走りに努めた。

2度目のルーティンピットは、残り1時間を切った55周目に実施。フルサービスを行ない、再びオリベイラ選手がコースに向かった。レース中、パラパラとわずかに雨が落ちることもあったが、大きく崩れることはなく、終始スリックタイヤでの走行となったものの、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rとしては、重すぎる車両をいかにミスなく、またタイヤをマネージメントするかがメインタスクとなるような戦い。それでもドライバーのふたりはモチベーションを保ち、チームスタッフもトラブルが起こらぬようにしっかりと対策を重ね、3時間を走破。数字としての結果は16位ではあったが、与えられた条件のなかで、全ての力を出し切ったと言える。このあと、しばしサマーブレイクに入るSUPER GT。第4戦は8月上旬の富士が舞台となる。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 777 D’station Vantage GT3 藤井 誠暢
C.ファグ
3:00’58.681 85 6
2 2 muta Racing GR86 GT 堤 優威
平良 響
38.030 85 54
3 6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI 片山 義章
R.メリ・ムンタン
45.886 85 2
16 56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 佐々木大樹
J.P.デ・オリベイラ
2 Laps 83 32

ファステストラップ : 2’00.290(64/85) 173.790km/h CarNo.777 Tomonobu/Charles / D’station Racing
FCY導入時刻:①14:57’55(41Laps)〜15:00’35(42Laps) ②15:17’58(51Laps)〜15:21’48(52Laps)
CarNo.56-Joao Paulo de Oliveira(13:40)黒白旗提示(SpR.13-1.「危険なドライブ行為」)

No. TEAM LAPTIME
777 D’station Racing 2’00.290

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