RACE REPORT

SUPER GT GT300

第8戦 モビリティリゾートもてぎ

一日目 予選(11月1日・晴れ/ドライ)

予選レポート

逆転王座獲得目指し、予選4位発進!

シリーズ全8戦でチャンピオンを競うSUPER GTの最終戦が、栃木・モビリティリゾートもてぎで開催された。シリーズチャンピオンを目指すNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)は予選4位を獲得。翌日の決勝に向け、タイトル奪取へ弾みをつけた。

レースウィークの搬入日は曇天模様から夜にかけて雨となったもてぎ周辺。しかし、予選日の土曜日は秋らしい穏やかな日差しに恵まれた。ランキングトップとはわずか1.5点差で最終戦を迎えたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R。なお、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手は海外レース参戦のため第2戦、第3戦を欠場しており、タイトル獲得のチャンスは平手晃平選手のみとなる。開幕戦・岡山で3位発進を決めたチームは、サクセスウェイトの影響を受ける中盤戦でも着実にポイントを重ね、第6戦SUGOで2位表彰台を獲得。さらに第7戦オートポリスでも4位フィニッシュを果たし、強烈な巻き返しを見せてきた。この最終戦も、その勢いを武器に力強い戦いを披露したいと意気込んだ。

朝の公式練習は前夜の雨の影響で、一部路面がまだ濡れた状態からスタート。ウェット宣言のもとセッションが始まり、時間の経過とともに路面はドライアップしていった。コンディションの変化に合わせながら平手選手、オリベイラ選手は周回を重ねる、終盤には予選に向けたアタックシミュレーションを実施。平手選手が4番手タイムをマークし、上々の滑り出しとなった。

午後2時に始まった予選では、平手選手がQ1・A組に出走。気温22度、路面温度24度のコンディションのなか、チェッカーラップで1分47秒522を記録し、9番手で突破。Q2を任されたオリベイラ選手は1分46秒384の好タイムを刻み、4番手グリッドを獲得した。さらに、ランキングトップの65号車が後方に沈んだことで、タイトル獲得への期待が一気に高まった。

もてぎはパッシングポイントが少なく、GT500クラスとの混走となる決勝で一層タフな展開が予想される。少しでも上位からスタートを切ることが重要であり、チーム全体の士気を高める予選結果となった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM/MACHINE DRIVER Q1(ベストタイム) Q2(ベストタイム) SW
1 61 R&D SPORT/SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人
山内 英輝
1’46.048 1’45.192
2 5 TEAM MACH/マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 塩津 佑介
木村 偉織
1’47.342 1’46.263
3 52 埼玉Green Brave/Green Brave GR Supra GT 吉田 広樹
野中 誠太
1’47.029 1’46.379
4 56 KONDO RACING/リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
平手 晃平
1’47.522 1’46.384

Q1AGr.: Start: 14:00’00 Finish: 14:10’00
Q1BGr.: Start: 14:18’00 Finish: 14:28’00
Q2.: Start: 14:53’00 Finish: 15:03’00

二日目 決勝(11月2日・曇り/ドライ)

決勝レポート

目の前に迫った3位。だが、あと一歩及ばず

シーズン最後の決勝日は薄曇りの空模様。風もやや冷たく、前日より低い気温となった。午前11時30分から始まったウォームアップ走行時の気温は19度、路面温度は24度と、予選より3〜4度低いコンディション。タイヤの温まりなど細かなマネージメントが問われる難しいレースが予想された。

スタートドライバーを務めたのは平手選手。レース序盤からフルコースイエロー(FCY)が導入される展開となるが、平手選手は冷静に前方車両をロックオン。12周目には3位へとポジションを上げた。一方、優勝を狙う上位勢はタイヤ無交換など多様な戦略を採用。さらに、追い上げを狙う65号車もフロント2本のみの交換でピット作業を短縮するなど、ライバル勢も果敢な動きを見せた。

No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rは22周を終えたところでピットイン。平手選手からオリベイラ選手へステアリングを託し、リヤタイヤ2本の交換を行なってコースへ復帰した。

上位勢のピット作業がほぼ一巡すると、さらに攻防戦は激化。レース折り返しを過ぎたあたりから、トップ勢はタイヤ無交換戦略で逃げ切りを図り、2位争いが過熱する展開に。オリベイラ選手もその集団に迫り、激しいバトルを繰り広げるべく善戦するが、なかなか射程圏には入れない。

それでも終盤、前車とのギャップを着実に削り取り、ついに0.5秒差まで接近。隙あらばと果敢にプッシュを続けたが、あと一歩届かず4位でチェッカーを受けた。全レースでの累計ポイントでは65号車を1.5点上回ったものの、今シーズンからGT300クラスでは「有効ポイント制(上位7大会分)」が採用されており、その結果、最終的に1点差でタイトル獲得を逃した。平手選手はドライバーランキング2位。また、チームポイントでも65号車と同点ながら、開幕戦で優勝している65号車が上位となり、KONDO RACINGは2位でシーズンを終えた。

終盤に向けて快進撃を見せ、ドライバー・チームともに2位でシーズンを締めくくったNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R。惜しくも逃した王座への悔しさを胸に、チームは新たな戦いへと歩みを進めている。

決勝結果

Pos. No. TEAM/MACHINE DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 5 TEAM MACH/マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 塩津 佑介
木村 偉織
1:52’23.835 59
2 61 R&D SPORT/SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人
山内 英輝
9.217 59
3 0 seven × seven Racing/seven × seven PORSCHE GT3R ハリー・キング
藤波 清斗
9.710 59
4 56 KONDO RACING/リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
平手 晃平
9.978 59

Start Time: 13:16’44 Finish Time: 16:18’00
ファステストラップ : No.61 T.Iguchi / SUBARU BRZ R&D SPORT 1’48.018 (4/59) 160.007km/h

No. TEAM LAPTIME
61 R&D SPORT 1’48.018 (4/59)

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