RACE REPORT

SUPER GT GT500

第2戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(5月3日・晴れ/ドライ)

予選レポート

フロントロウ獲得からの躍進を目指す!

5 月 3 日、富士スピードウェイにおいて SUPER GT 第 2 戦の予選が行われ、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z でシーズンを戦う KONDO RACING は予選 2 番手を獲得! 開幕戦に続き、好位置から決勝スタートを切ることに成功した。オフシーズンから精力的にヨコハマタイヤとともに開発に取り組んできた KONDO RACING。第 1 戦岡山で見せた予選結果はその片鱗だったとも言える。決勝では、他クラスにおける攻防戦が招いたアクシデントに水を差されるような展開を強いられ入賞を逃しているだけに、今回はなんとしても結果を残したいところだ。

午前 9 時にスタートした公式練習は、気温 13 度、路面温度 18 度というコンディション。平手晃平選手が 24 号車に乗り込み、持ち込みのセットを確認した。その後、佐々木大樹選手がロングランを担当。GT300 クラスとの混走枠の最後に再び平手選手がステアリングを握った。GT500 クラス専有時は佐々木選手がドライブし、終盤にアタックシミュレーションを行うと、1 分 27 秒 570 のチームベストをマーク。7 番手でセッションを終え、午後からの予選に向けていい流れを確立した。

午後 3 時 33 分、GT500 クラスのノックアウト予選 Q1 がスタート。午前のような青空から次第に薄曇りへと変わり、気温、路面温度ともに下降。チームではさらなる温度の低下を視野に入れ、セッティングをはじめこまかな微調整を行い、佐々木選手をコースへと送り込んだ。佐々木選手はしっかりとタイヤを温め、計測 4 周目に 4 番手となる 1 分 27 秒 069 をマーク、翌周のアタックラップでは 1 分 26 秒 578 までタイムを削ったが、ポジションアップには至らず。しかしながら、着実に Q2 へとバトンを繋ぐことに成功した。

午後 4 時 11 分、予選 Q2 がスタート。路気温は Q1 時とほぼ変わらぬコンディションとなる。コースインした平手選手は、計測 4 周目のアタックで自己ベストタイムとなる 1 分 26 秒 449 を叩き出し、2 番手へ! ドライバー、チームスタッフが一丸となって、今シーズンベストリザルトとなる予選 2 番手獲得を果たした。決勝は通常レースよりも 150km 長い 450km での戦い。ルーティンのピットインも 2 回行われる。チームでは、天候や路面状況、そしてタイヤコンディションをしっかりと視野に入れた戦略で強い走りを披露しようと目論む。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資
阪口 晴南
1’26.769 1’26.137
2 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹
平手 晃平
1’26.578 1’26.449
3 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z 千代 勝正
高星 明誠
1’26.701 1’26.452 12

Q1 開始:15:33’16 終了:15:43’16
Q2 開始:16:11’00 終了:16:21’00

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

開幕戦、第 2 戦と予選でいい結果が出てきている理由としては、ドライバー、エンジニア、タイヤに特化したエンジニアはじめチームのみんながヨコハマタイヤさんと一生懸命頑張ってきたことが形になったから。それが一番だと思います。コンディションに左右されない強いパフォーマンスを見せることができました。確かに同じヨコハマタイヤを装着する 19号車がポールポジションを獲ったことへの悔しさはあります。しかしながら、ともに開発に関わり、良いデータを共有することでさらにいい結果をもたらすことができると思うので、引き続き頑張りたいですね。決勝は長丁場なので、戦略はエンジニアとドライバーを中心に任せていきたいですね。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

公式練習では、まず(平手)晃平さんにクルマのバランスをチェックしてもらいましたが、悪くないということでした。最近は持ち込みのセットもいい状態でうまくいけているし、タイヤチェック含め、セッション中に慌てることなく自分自身もドライビングに集中することができており流れがいい状態です。その中で予選シミュレーションをして、アタックに向けてはちょっとだけバランスをアジャストするだけでした。仕事もスムーズに進んでいるので、予選でもいい結果を得ました。極めて順調です。なので、こういうチャンスをしっかりとモノにしたいですね。今回レースが長いので、何が起こるかわかりませんが最後まで集中して戦い、ベストを尽くします。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

クルマの調整等で時間を取られることがなく、とてもスムーズにプランを進めています。クルマはほとんどいじってないです。微調整で済んでいるくらい持ち込みのセットがいいですね。チーム、そしてヨコハマタイヤさんががんばっていることが形になりました。いい流れの中にいます。開幕戦では(レースアクシデントにより)結果を残せなかったので、今回はしっかりとゴールまで走り切って表彰台に立って恩返ししたいと思います。

村田卓児エンジニアのコメント

車両が Z になってからそれなりにデータが取れているし、セットアップもしやすくなっています。加えてタイヤの開発スピードがものすごく良くなっていますしね。公式練習でもセットを微調整する程度でタイヤ選択等の作業もスムーズに進みました。決勝でもいい流れで戦えたらと思います。

二日目 決勝(5月4日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

大荒れの展開、波乱の幕引き。8 位で戦いを終える

ゴールデンウィーク中の 5 月 4 日、第 2 戦の決戦を見届けようと富士スピードウェイを訪れたファンは 4 万 4000人。日差しに恵まれ、青空が広がる中、100 周先のチェッカーを目指した戦いはレース折り返しを前に発生したクラッシュによって大きく歯車が狂い始めた。その中で、フロントロウ・予選 2 番手スタートの No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、長丁場のレースフォーマットを活かした戦いに挑んだが、続くアクシデントに水を差されて本来のポテンシャルを引き出せず、10 位でチェッカー。レース後に上位 2 台がぺナルティの対象となったことを受け、8 位の結果を手にしている。

朝の冷え込みも緩み、絶好のレース日和となった 5 月 4 日。午前中はトークショーやピットウォークでファンとの交流を行い、午後 2 時 30 分からの決戦に向けて、ゆっくりと緊張感を高めていった。気温 20 度、路面温度 35 度というコンディションの中、スタート前チェックを終えてダミーグリッドに整列していた全 43 台がフォーメーションラップに向かい、2 周のフォーメーションラップを経てレースがスタート。24 号車は、1 コーナー進入で後続の車両先行を許し、オープニングラップを 5 番手で終える。これはタイヤのウォームアップが他メーカーとは異なるタイミングであったことも一因だが、スタートドライバーを担当した佐々木選手によると、クルマ自体のフィーリングにも違和感を感じていたといい、総体的にもペースアップするのが難しい状態であったため、我慢の走行を強いられることとなった。

100 周の戦いで 2 度のピットインが義務付けられている今大会。25 周過ぎには 1 回目のピット作業に取り掛かるチームも現れたが、24 号車はライバルよりも遅いタイミングとなる 34 周終了時にピットイン。平手晃平選手へとバトンを繋いだ。レース中盤の気温は 21 度、路面温度は 34 度とスタート時とほぼ同様。また、依然として好調だったときのようなクルマのバランスには戻らず、安定感に欠く中でドライビングするよう状況が続いたが、平手選手は懸命に追い上げを続けた。だが 10 周もしないうちにコースに FCY が導入される事態が発生する。これは GT300 クラス車両がヘアピンでクラッシュしたため。まず FCY が宣言されたが、即座にセーフティカー(SC)ランへと切り替わり、さらには 49 周走行中に赤旗が提示され、レースが中断された。その後、レースはおよそ 25 分後に再開。リスタート状態になったコース上では、すぐさま激しいポジション争いが繰り広げられた。24 号車は、12 位からの追い上げを目指して力走。ところが、その矢先にホームストレートで激しいポジション争いをしていた GT500 車両の 1 台がマシントラブルでスロー走行をしていた GT300 車両との接触を避けようとしたところ、挙動を乱してグランドスタンド前のガードレールに追突。大きな衝撃で破損したパーツがコース上に広く飛び散る惨事となった。幸いドライバーは自力でクルマから降りることができたが、レースは 59 周終了時点で 2 度目の赤旗が提示される。その後、破損したガードレール前にはタイアバリアを暫定的に設置するなどして、レース再開となったのは午後 6 時10 分。レース延長最大時間が午後 6 時 20 分に設定されていたこともあり、セーフティカー先導の形で 3 周を重ね、62 周終了にてチェッカーが振られた。

およそ 4 時間にわたった決勝レースながら、2 度にわたる赤旗でセッションが長時間中断されたこともあり、24 号車にとっても、また参戦した他の車両にとっても波乱続きのレースだったことに違いはない。上位車両がレース後にタイム加算のペナルティが課せられたため、最終的に 24 号車は 8 位の結果を手にする一方、当初の周回を 75%満たさず終了を迎えたため、獲得ポイントは通常の半分、いわゆる”ハーフポイント”として 1.5 点が与えられている。今大会では予選における一発の速さをアピールすることに成功したものの、決勝でのパフォーマンスを存分に引き出すことが難しい状態だった No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z。次戦の鈴鹿に向け、決勝での強さを意識したクルマ作りを目指していく。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 8 ARTA NSX-GT 野尻 智紀
福住 仁嶺
3:45’40.807 62 2
2 36 au TOM’S GR Supra 坪井 翔
ジュリアーノ・アレジ
2.570 62 10
3 12 カルソニック IMPUL Z 平峰 一貴
ベルトラン・バゲット
3.151 62 8
8 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹
平手 晃平
4.913 62

開始:14:36’25 終了:18:22’05.807
ファステストラップ : 1’28.803 No.36 au TOM’S GR Supra/坪井 翔

No. TEAM LAPTIME
36 au TOM’S GR Supra 1’28.803

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

レースでは大きなアクシデントが発生しましたが、ドライブしていた高星明誠選手が大事なく本当に良かったです。昨シーズンまでチームで活躍してくれていた選手だっただけに、無事で安心しました。うちのチームに限って言えば、ちょっとタイヤのウォームアップの問題が響いたのかなと思います。決勝スタート時の気温、路面温度の影響はあったでしょうね。もう少しウォームアップが良ければ、そして(スタートドライバーの佐々木)大樹に粘ってもらったら、ペースも取り戻せるだろうと思っていました。結果からすれば(路面コンディションに対して選択したタイヤは)ちょっときつかったように思います。思った以上に暑くなりすぎましたね。きちんとレースができていれば、温度が下がってくる後半以降は速さが出せたとも思います。クルマのバランスは悪くなかったとはいえ、今回はどうしても予選の速さに助けられたこともあり、その分、決勝には弱かったと認めざるを得ません。ただ難しい展開の中、最後まで走り切ったことで入賞し、ポイントを獲得できたことでチームの士気は高まっていると思います。鈴鹿ではテストで手応えがあったので、期待してください。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

フロントロウからスタートだったし、タイヤ的にはロングランも行けるんだろうなと思っていたのですが、前日からクルマの動きに違和感があり、僕たちが思っていないクルマの動きが見られました。その原因はまだわかっていないのですが、レース中は(タイヤの)グリップ不足に苦しみました。その結果としてファーストスティントでポジションを落とすことになりました。なぜそうなってしまったのか、しっかりと原因を追求する必要があると思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

スタート直後のタイヤのウォームアップに関しては、まだ他社のほうが有利な部分がありそうですね。結果としてヨコハマの 2台(24 号車と 19 号車)は順位を落とすことになりました。ただその後からのレースペースに関しては自信を持っていたんです。期待する中、先にドライビングを担当する(佐々木)大樹からは、いいときと様子が違うというインフォメーションを得ていましたし、予選直前にもそういうことがあったので、なにか不具合があってバランスが変わってしまったのかなと感じました。実際乗ってみるとリヤの安定感もなかったですね。結果としてだましだましというか押さえた走りをする状況でした。戦闘力的には足りない部分がありましたね。

村田卓児エンジニアのコメント

装着したタイヤはどちらかというと決勝時のコンディション向けのものでした。結果としてもコンディションの変化は想定内だったと言えます。一方で、クルマがフィーリング的におかしくなっており、目に見えないトラブルが出ている感じでした。スタート前チェックの走行時には同じような症状がありました。戦略としては、タイヤとの兼ね合いもありますが、レース後半に何が起こってもいいように、いろいろ戦略を立てられるように、というところを優先させるためには、まず第 1 スティントでひとりのドライバーの周回数をミニマムでクリアするのがいいだろうという考えでした。鈴鹿に向けてのセットアップはテストでのデータをもとにいいものが見えています。ただクルマにおける不具合の理由が何であるのかを、まずは究明していかないといけませんね。

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