RACE REPORT

SUPER GT GT500

第4戦 富士スピードウェイ

一日目 予選(8月6日・雨/ウェット)

予選レポート

24 号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z 第 2 戦富士大会と同じく予選 2 番手を獲得

8 月 6 日土曜日、富士スピードウェイにおいて今シーズンの第 4 戦を迎えることになった SUPER GT。夏休み真っ只中の一戦はおよそ 2 ヶ月のサマーブレイクを終えての開催だけに、気持ちも新たに戦いへと挑むことになる。早朝、霧に見舞われたサーキット周辺だが、午前の公式練習はオンタイムで行われ、そこでトップタイムをマークして好調な流れを見せたKONDO RACING は、ノックアウト予選でも躍進。第 2 戦富士に続き、2 番手を手にしている。季節柄、真夏の一戦として迎えると思われた今大会。しかしながら、前日から薄曇りの様相となり、予選日の前夜に降った雨が若干残る中でのセッションスタートとなった。

まず、午前中の公式練習はウェット宣言となり、まずはレインタイヤを装着してコースイン。次第にコース上のウェットパッチも少なくなり、その後はコンディションを確認してスリックタイヤへとスイッチ。走行を続けた。まず、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z に乗り込んだのは平手晃平選手。GT300 クラスとの混走枠で早い段階から好タイムを連発、セットアップを進めながら、開始から 1 時間が経過した頃にトップへ躍り出た。さらに、セッション終盤の GT500 クラス専有走行になると、平手選手から交代した佐々木大樹選手がアタックシミュレーションを担当。しっかりとタイヤを発熱させて 1 分 27 秒 451 をマーク、再びトップ奪取の走りを披露した。午前中の走りで、予選に向けて好材料が整うこととなった KONDO RACING。これに先駆けて行われたサポートレースが始まる頃には雲が厚くなって天気の行方が気がかりとなったが、幸い雨にはならずにセッションがスタートを迎えた。また、気温 21 度、路面温度 28 度と季節外れのコンディションになる中、佐々木選手が Q1 のアタックを務めた。

一方、GT300 クラスの予選中にコースサイドで緊急停車した車両を回収する作業が発生。これを受け、当初の予定より 2 分遅れとなる午後 3 時 35 分に GT500 クラスのアタックが始まる。タイミングを見計らいながら装着したタイヤのパフォーマンスを最大限に引き出すためのウォームアップを行い、アタックに挑んだ佐々木選手。チェッカーまで残り 30 秒の時点で 1 分 27 秒 272 をマークし、4 番手に。チェッカー後にポジションを上げた車両がいたため、最終的には 6 番手で Q2 へバトンを繋いだ。8 台による Q2 のセッションは午後 4 時 13 分にスタート。続々とライバル勢がコースインするのを見届けるかのように、平手選手は 7 番目にコースイン。じっくりとタイヤに熱を入れながら周回すると、いざアタックラップへ。佐々木選手同様、セッション終了までおよそ 30 秒のタイミングでベストタイムとなる 1 分 26 秒 813 を刻み、トップへと躍り出た。これで念願のポールポジション獲得かに思われたが、チェッカー直前に同じヨコハマタイヤを装着する No.19 Supra の先行を許すことに。結果、第 2 戦富士と同じく 19 号車に次いで予選 2 番手を獲得することとなった。

決勝は 450km、100 周での戦い。天気予報では決勝日の方が気温も上昇すると言われており、タフな戦いになるのは必至。その中で、粘り強く強さをしっかりとアピールし、シーズンベストの結果を狙いたい。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資
阪口晴南
1’27.169 1’26.178 21
2 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
1’27.272 1’26.813 13
3 37 KeePer TOM’S GR Supra サッシャ・フェネストラズ
宮田莉朋
1’27.216 1’26.994 22

Q1 開始:15:45’00 終了:15:35’00
Q2 開始:16:13’00 終了:16:23’00

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

悔しい結果になりました。今回、(同じヨコハマタイヤユーザーの)19 号車が(予選で)急に速くなったので余計に悔しいですね。実は、19 号車とうちのチームでは違うタイヤを装着しているんです。持ち込みの時点で大きく違うものを選んでいます。今回のレースを前に、タイヤメーカーテストを精力的にこなし、今回も進化したタイヤを持ち込みました。今日のような夏の低い気温にも、高い気温にも対応できるものです。一方で、タイヤの進化に合わせてクルマのセットアップをさらに進化させていくことでより強い戦いができると感じました。今回はなかなか難しい距離での戦いなので、いろんなアプローチを考える必要が出てくるでしょう。まずはミスのないレースができれば今シーズンの中で一番良いリザルトを手にできるんじゃないかと思います。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

フロントロウになりましたが、またも 19 号車に先行されたのは悔しいですね。でもその前にまずは自分たちのベストは尽くすことができているので、その点は良かったと思います。19 号車とはタイヤチョイスも違うし、明日はまず自分たちがしっかりレースができるよう、組み立ていくことが大事になると思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

僕たちは現在開発を進めている中でのタイヤ選択を行いました。開発のプロセスを踏んでいるものがいい方向に進んでいるものです。そういう点では、僕たちは今回(予選)一発の速さよりもレースで強く走れるタイヤを作ってきたというわけです。なので、決勝では 19 号車を抜けるチャンスは全然あると思います。この点に関しては、ポジティブに受け止めているし、自信もあります。前回、5 月の富士でもフロントロウでしたが、タイヤのウォームアップで苦しみ、ポジションが沈んでしまいました。それがネックだったので、そこをカバーできるコンパウンドを見つけることが大事でしたし、今回はしっかりと対応できています。レースは落ち着いて戦えるでしょうし、いい具合に条件が整ったと思うので、これはもう行くしかない! と思っています。

村田卓児エンジニアのコメント

今回、公式練習での走り出しの時点からそこそこいい感じでしたね。ただ、予選日と決勝日とでは天候が変わるかもしれません。仮に 10 度ほど路面温度が変わってしまうと、タイヤコンディションがどうなるかと思うので、その辺を決勝日朝のウォームアップで見極めていきたいですね。予選での速さは見せることができたので、あとは決勝。レースできちんと戦えるよう準備を進めていきたいと思います。

二日目 決勝(8月7日・一時雨のち晴れ/ウエットドライ)

決勝レポート

悔しくもあり、うれしくもある 3 位獲得!

8 月 7 日、静岡・富士スピードウェイにおいて SUPER GT 第 4 戦の決勝レースが開催され、予選 2 番手・フロントロウからスタートした KONDO RACING の No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、450km の戦いでスタート直後から長きにわたってトップを快走。2 回目のピットストップ明けにポジションを落とすことになったが、チームとしては今シーズンにおける”進化”の結果として、3 位チェッカーのベストリザルトを獲得。佐々木大樹、平手晃平両選手での初表彰台に上がっている。

予選日は終日曇天模様となった富士スピードウェイ。決勝日は、時折日差しが照りつける夏の天気が戻ってきた。夏休みに入って初の GT レースということもあり、午前中に行われたピットウォークでは多くのファンの姿が見られた。決勝を前にした 20 分間のウォームアップ走行が午後 0 時 30 分にスタート。気温 28 度、路面温度 36 度と前日より5 度以上高くなったことでタフなレースになると思われたが、程なくして鉛色の雲がサーキット一面に広がり、午後 1 時を過ぎるとポツリポツリと雨が落ち始める。さらにスタート進行が行われる頃には突如として激しい雨に変わるなど、不安定なコンディションへと変貌した。

午後 2 時、3 年ぶりに復活した静岡県警の白バイとパトカーによるパレードラップが始まる頃には幸いにして雨も止んだが、一方でコース上はセミウェット状態。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z のスタートドライバーを務めた平手選手は、タイヤに熱を入れようとする中でオーバーランを喫してしまい、ヒヤリとする場面も見られた。路面状況を見極めた上でエキストラフォーメーションラップが追加されたことを受け、レースは元々の 100 周から 1 周減算の 99 周にてスタート。落ち着かない足下を意識するかのように、まずはポジションキープの 2 番手でオープニングラップを終えた平手選手だったが、3 周目に入ったばかりの TGR コーナーでトップを奪取。背後の手強いライバルからの猛プッシュを警戒しながらも、以降、快調に周回を重ねていった。

最初のルーティンストップは、周回数の 3 分の 1 超となる 37 周終わりに実行。ひと足先に背後にいた 37 号車の Supraがピットに入っていたが、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は 37 号車を上回る作業で交代したばかりの佐々木選手をコースへと送り出し、トップをキープしたままセカンドスティントへと突入した。レース中盤に入ると、コース上ではトラブルによるスロー走行車両が度々現れ、午後 3 時 44 分にはついに FCY 導入が宣言されたが、2 分ほどで解除。これをうまく使った佐々木選手は、後続とのギャップを広げることに成功した。後半に入る中、次第に気温、路面温度が緩やかに下がりはじめると、2 番手の 37 号車とのギャップが詰まり始める。2 回目のルーティンストップが近づき、チームでは後方のライバルを牽制するかのように先んじてピットインを実施。72 周終わりで佐々木選手がピットに舞い戻り平手選手へとスイッチしたのだが、惜しいことにピット作業に手間取りタイムロスが生じてしまう。また、復帰したばかりのコース上には GT300 車両の集団に行く手を阻まれることに。結果、翌周ピットインを行 った 37 号車がコース復帰する際に逆転を許してしまい、さらには 3 番手にいた 12 号車の Z も 37 号車同様にダブルスティントで対抗。これにより、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は 3 番手で終盤の戦いを続けることになった。

その後も、平手選手は逆転のチャンスを伺うように渾身の走りで周回を重ねるが、惜しくも攻防戦には持ち込めず。最終的に No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は 3 位でチェッカーを受け、今シーズン待望の表彰台に上がることとなった。優勝の可能性もあった今大会。サマーブレイクを最大限に活用し、車両のセットアップやタイヤ開発に奮闘したことが早速形になったのは明らかと言える。月末に控える第 5 戦鈴鹿 450km での活躍も、大いに期待できそうだ。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 37 KeePer TOM’S GR Supra サッシャ・フェネストラズ
宮田莉朋
2:34’24.270 99 22
2 12 カルソニック IMPUL Z 平峰一貴
ベルトラン・バゲット
7.542 99 19
3 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹
平手晃平
12.863 99 13

開始:14:11’17 終了:16:45’41.270
ファステストラップ : 1’29.948 No.37 KeePer TOM’S GR Supra/サッシャ・フェネストラズ

No. TEAM LAPTIME
37 KeePer TOM’S GR Supra 1’29.948

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

今日はすごくいいレースをしたと思いますが、ドライバーには申し訳なかったなという点がたくさんありました。一方でドライバーにももう少し頑張れと言いたい気持ちもありました。つまり、全体的にうまくいった部分とまだ課題が残ってる部分があるってことです。今回のレース内容としては、ヨコハマタイヤさんもウチも、ここまでタイヤが進化したという実感を得られましたが、まだタイヤのウォームアップに改善できる部分があると感じました。これがうまくいけばドライバーへの負担も軽減されると思います。あとは、ちょっとピットで多少ミスがあり、それで 3、4 秒ほどロスがあったようです。今日は、トップ 3 がずっと引っ付いたような形で周回が続いていたし、逃げ切ることもできず難しい状況だったので、どこが勝ってもおかしくなかったのですが、その中でウチが一番残念な結果に終わったのは悔しいですね。でも確実にタイヤは進化しているので、どこかでチャンスはあると信じています。今回は、3 位の結果に対してみんなが悔しがっているので良しとしましょう。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

平手(晃平)選手がトップで戻ってくるのを想定しておらず、久々にトップのままコースインしたので緊張しました。でもアウトラップから攻めの走りができました。クルマのペースは良く、手応えもありましたね。今回、ライバルに対して少しずつ積み重なったものの差で優勝することができなかったと思います。それは自分やチームにおける反省点なので、今度優勝争いするときはしっかりと勝ち切れるような戦いをしたいです。サマーブレイクの間にタイヤテストを鈴鹿と SUGO でやりました。その中でしっかり自信を得たので、次の鈴鹿もいける自信があります。今回同様、予選からヨコハマタイヤでワン・ツーの速さを見せられるでしょうし、決勝でもポテンシャルアップした速くて強い 24 号車をお見せできると思います。3 位で終わって悔しいのは悔しいですが、笑顔で終われるレースでもありました。またチャンスが来ると信じています。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

レース前に雨が降っていたので、パレードラップでタイヤをしっかり温めようとちょっと無理をしたらスピンしてしまいました。気持ち的にどうなることかと思いましたが、天候も回復したし、タイヤも温まって早速 19 号車を抜くことができました。そこからは自分のペースで周回を重ねることになったのですが、今回のタイヤでこれほどの距離を走るのが初めてだったので、その辺りのケアをしっかりしつつ、さらにコース上では後方のクルマとのギャップを見ながら走っていました。最後のスティントを前に、ピット作業でタイムロスがあったのはわかっていたし、37 号車に先行されたことも聞いていました。なんとかギャップを縮めたいと思っていたので、トラフィックを活用したかったのですが、終盤は路気温が下がる中でフルプッシュしたものの前の 2 台も速かったですね。後方からも 36 号車が迫っていたので最後まで気を抜くことができませんでした。今回手応えを得て、自信もついたし、この自信を持って反省すべきところをしっかり反省して、次の鈴鹿も予選からいい走りをお見せできると思います。今回の結果は悔しくもあり、うれしくもあるという感じですね。次もまた表彰台に上がりたいと思います。

村田卓児エンジニアのコメント

3 位という結果に関しては正直微妙なところではありますが、ドライバーはしっかりと頑張ってくれたと思います。第 2 戦富士でも予選 2 位でしたが、今回の予選結果は決勝を見据えたタイヤ選択をしつつ、好タイムを出せたと言える結果でした。決勝もいい流れがありましたが、2 回目のピット作業ですが、最初のピット作業での給油を短めにしたことで作業時間が少し長くなることは承知していました。しかし、それに加えてタイヤ交換で時間がかかってしまったようです。一方で、後方の 2 台(37 号車、12 号車)はドライバー交代をせず、作業時間を短縮しました。次戦の鈴鹿は事前にタイヤテストを行い、準備も進んでいます。サクセスウェイトは 35kg になりますがまだ勝負はできるので、引き続きいい結果を狙っていきたいと思います。

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