RACE REPORT

SUPER GT GT500

第6戦 スポーツランドSUGO

一日目 予選(9月17日・晴れ/ドライ)

予選レポート

シーズン終盤戦へと向かう第 6 戦、予選は 13 番手に留まる

9 月 17日、宮城・スポーツランド SUGO において、SUPER GT第 6戦の予選が行われ、KONDO RACINGの No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z はノックアウト予選 Q1 を 13 番手で終了。残念ながら Q2 進出を果たせず、後方から翌日の決勝に臨むこととなった。

今シーズンも残り 3 戦。現在獲得ポイントによって搭載されるサクセスウェイトもこの SUGO 戦が最大となる。一方、日産勢は今大会からシーズン 2 基目のエンジンを搭載して戦いに臨むため、これを機にさらなる躍進を目指したい。そんな中、午前 9 時 25 分には公式練習がスタート。薄曇りの中、気温 24 度、路面温度 30 度ながら、SUGO は湿度が高く汗ばむ天気となった。

セッション開始と共に No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z へは佐々木大樹選手が乗り込み、コースイン。まずは路面コンディションの様子を伺いつつ、持ち込みのセットを確認し始めた。GT300 クラスとの混走枠で開始から 30 分が経過する頃には 1 分 11 秒 332 のチームベストをマークし、3 番手につける。そして走行 1 時間を過ぎると、平手晃平選手へとスイッチ。タイヤチェックを兼ねてロングランを行うなど、予選、決勝への準備を着々と進めながら、その後、GT300 クラス専有直前までドライブを続けた。平手選手は、GT500 クラス専有枠でも引き続きドライブを担当。スタート時点から路面温度が 3 度ほど上昇する中、アタックシミュレーションを行うと、セッション終了間際のラストアタックで1分 11 秒 218 をマークしてチームベストを更新する。結果、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は 4 番手で公式練習を終え、午後のノックアウト予選に向けて弾みをつける形となった。

午後に入ると、時折強い日差しが照りつけ、初秋ながら残暑を感じることに。だが、午後 3 時 3 分、GT500 クラス予選Q1 が始まる頃には 1 コーナー側から冷たい風が吹き始め、灰色の雲が辺り一面広がった。気温 25 度、路面温度 34 度の中、セッションがスタート。今回は、平手選手が Q1 の出走を担った。平手選手は開始後しばしピットで待機して、コースへ。しかし、コース上では同じようにアタックラップのタイミングを見計らうクルマでトラフィックが発生。平手選手はその中で、なんとかいいポジショニングを確保しようと画策するが、状況を改善するのは難しい状態。間隙を縫うようにアタックし、計測 3 周目にチームベストタイムとなる 1 分 10 秒 747 をマーク。朝の練習走行でのベストタイムを上回った。ところが、ライバルチームも次々とベストタイムを更新したため、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は 13 番手に。これにより、上位 8 台が進出可能な Q2 には駒を進めることは残念ながら果たせなかった。

決勝は 13 番手からの追い上げを目指す No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z。タイトかつショートコースというSUGO の特性を考えると追い抜きが容易でないことは想像に難くないが、高い集中力をもって戦いに挑み、一つでも上のポジションでのフィニッシュをチーム全員で戦う事を目指す。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資
国本雄資
1’10.195 1’09.627 R 35
2 38 ZENT CERUMO GR Supra 立川祐路
石浦宏明
1’09.905 1’10.005 16
3 23 MOTUL AUTECH Z 松田次生
ロニー・クインタレッリ
1’10.159 1’10.049 44
13 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
1’10.747 37

Q1 開始:15:03’00 終了:15:13’00
Q2 開始:15:41’00 終了:15:41’00

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

昨日はチームとドライバー、そしてエンジニアとのコミュニケーション不足がすべてでした。然るべきタイミングでコースインできず、いいアタックができなかったということです。予選のためのいいポジションニングをキープすることができなかったんです。SUGOという狭くて短いサーキットなのでタイミングをつかむことが難しいのはわかります。が、前後ともトラフィックの中に入ってしまったと聞いて……。今回は、トップを狙えるクルマ、タイヤがあっただけに残念で仕方ありません。自分たちでそのチャンスを逃してしまったことは、チームそしてドライバーの責任でもあると言えます。調子がいいとはいえ、SUGO でポジションアップするのは至難の業ですが、いろいろなものを味方にして戦おうと思います。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

今回エンジンが変わり、セッティングも変えてきたので最初は乗りづらいところもありましたが、予選に向けてアジャストし、タイヤもいいものを持ち込むことができているので、決勝では追い上げられる自信もあります。しっかりと集中して追い上げるレースをしたいと思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

悔しい予選になりました。朝の走り出しではさほど悪くない状態だったので、予選に向けていろいろアジャストしたことでクルマは良い方向に進んだので、期待していました。ところが予選では場所どりに苦戦してしまい、場所が取れなくて。ようやくアタック 1 周をして、もう 1 周と思ったのですが、僕自身もそれまでの流れのせいかうまくまとめきれなくて、Q1 に留まることとなってしまいました。SUGO だからこその難しさではあったのですが、調子が良かっただけにこの結果は残念ですし、不完全燃焼に終わってもやもやしています。一方で、クルマの方はロングでのフィーリングも良い感じだったので、決勝では後方からですが展開に変化があればしっかりと対応し、少しでもポジションアップにつながる走りをしたいです。

村田卓児エンジニアのコメント

予選アタックの際にコースインした場所が最適ではなかったと言えます。前方車両のウォームアップが遅く、それに付き合う形で走っていたら、後方からはプッシュされてしまい走行ラインを譲ったようです。それで自分のペースでタイヤを温めることができませんでした。一方で今回から搭載されたエンジン、タイヤ選択、セッティング等、クルマにはなんら問題はありません。しかし、抜きにくい SUGO なのでどこまでポジションを上げられるかどうか……。とにかく頑張るのみです。

二日目 決勝(9月18日・曇り時々雨/ドライ・ウエット)

決勝レポート

突然の降雨に翻弄され、厳しい結果に終わる

9 月 18 日、宮城・スポーツランド SUGO で行われた SUPER GT 第 6 戦の決勝。スタート早々から荒れた展開となり、加えて降雨の影響を受ける戦いを強いられた。予選 13 番手からの追い上げに意気込んだ KONDO RACING のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z だったが、ウェットコンディションを味方につけることが難しく、14 位で戦いを終えている。

九州地方まで接近した大型の台風 14 号の影響を受けてか、東北地方も連日蒸し暑い天候に見舞われた。決勝日の午前中は、じりじりと強い日差しが照りつけていたが、午後に入ると次第に陰りはじめ、あっという間に曇天模様へと急変する。しかし、決勝直前のウォームアップ走行スタート時にはまたしても日差しが復活と、どことなく落ち着きのない天候に。決勝直前には気温 28 度、路面温度 36 度へと上昇するも、戦いの幕が上がるや路気温とも下降の一途を辿った。

最初のスタントを担当したのは、平手晃平選手。前日の予選での悔しさを力に変えてポジションアップを目指したが、この思いとは裏腹にクルマのポテンシャルを発揮するには、厳しいコンディションでの戦いが待ち受けた。まず、スタート直後にGT300 クラス同士が接触。これを受けて早速セーフティカーが導入され、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z はフレッシュタイヤによる追い上げのチャンスを失うことになる。また、異なるメーカーのタイヤを装着する後方車両の追い上げもあり、オープニングラップを最後尾の 15 番手で終えることになった。その後も好機を伺いながら粘り強く攻めの走りを続けたが、その矢先、雨がポツリポツリと落ちはじめた。すると、14 周終わりあたりから次々と各車がピットになだれ込んでウェットタイヤへと交換。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z も 15 周終わりでウェットタイヤに交換してコースに戻った。だが、この時の路面コンディションを的確に捉えることが難しく、思うようにペースアップできないまま周回を続けることになる。

28 周終わりには 2 回目のピットインを実施。このタイミングで平手選手から佐々木大樹選手へのドライバー交代を行ったが、コース上は雨脚が強まったかと思うと、程なくして雨が止みコース上の雨量が減少するなど、刻々とコンディションが変化。その中で No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は自分たちのパフォーマンスを発揮できず、苦しい展開に陥ってしまう。さらにレース後半に入るとコース上はドライアップし、ウェットタイヤでの走行が困難に。結果、チームは 50 周を終えた時点で 3 度目のピットインを敢行。再びスリックタイヤを装着し、終盤のセッションに臨んだ。

さまざまな条件が不利な方向に重なり、終始厳しい状況に置かれた No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、結局このままチェッカーを受けた。14 位で終えた今大会で判明した課題をクリアすべく、残り 2 戦に向けて全精力をかけ戦うことを誓った。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z 千代勝正
高星明誠
1:58’41.824 84 68
2 23 MOTUL AUTECH Z 松田次生
ロニー・クインタレッリ
9.114 84 44
3 16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT 笹原右京
大湯都史樹
46.72 84 11
14 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
1’30.122 3 Laps 37

開始:14:37’44 終了:17:13’23
ファステストラップ : 1’13.194 No.38 ZENT CERUMO GR Supra/立川祐路
黒白旗提示 No.12 平峰一貴

No. TEAM LAPTIME
38 ZENT CERUMO GR Supra 1’13.194

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

チームとしても、また装着したタイヤとしても、一番苦手とするコンディションでレースをすることになったので、ある意味仕方がないのかなという思いもあります。今回の結果をタイヤだけのせいにはしたくないし、ウチのチームとしても課題がはっきりと見えた戦いになりました。もちろん、これまでのウェットタイヤと比べても開発が進み、いろいろ進化もしています。今シーズンはドライタイヤでしっかりと勝負ができるようになってきているので、次はウェットも同じようにライバル勢としっかり戦えるように準備をしていかないといけませんね。歯がゆい戦いではありましたが、残り 2 戦はしっかりといい走りをお見せできればと思います。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

決勝に関しては、ウェットタイヤのパフォーマンスも含めてハーフウェットのような微妙なコンディションの時に、速さが発揮できない状況が大きく響くレースになってしまいました。圧倒的に速さが足りなかったので、今後、そういう場面においても速さが発揮できるように開発していく必要があると感じています。とても残念な週末になってしまいましたが、切り替えて、2 週間後のオートポリスでも頑張ります。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

シーズン前からスリックだけでなくウェットタイヤの開発もやってきて、去年よりも良いタイヤにはなっているのですが、初めての実戦投入となった今回のレースでは、思った以上にタイヤの消耗が激しい状態となりました。ドライのままレースができていれば、ペースも良くいい戦いになるのではとチャンスを期待していたのですが、急に雨が降り始め、慌ただしく装着するタイヤを決めなければなりませんでした。不安定なコンディションだったので難しい判断でしたが、つけたばかりの時はペースがとても良かったものの、タイヤの温まりが想定以上に早かったですね。なんとか佐々木選手に交代するまで規定周回数をクリアしなければ、という思いで走りました。予選でできなかったものを、決勝でなんとか取り返したいという思いで挑んだレースでしたが、思うとおりの戦いは出来なくうまく行かなかった。

村田卓児エンジニアのコメント

天候が急変して雨になったことでウェットタイヤを装着することになりましたが、そのタイヤ選択が難しかった。選んだものはウォームアップこそ良かったが、コースがドライアップし始めると……よくなかった。今回のレースは天気とウェットタイヤに左右されたような感じですね。次のオートポリスまであまり時間がないが、クルマのセットアップとは別に、季節的にも気温が低下していく中で、パッケージとしてどのようにパフォーマンスを引き出していくかを考えてしっかりと準備していこうと思います。

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