RACE REPORT

SUPER GT GT500

第7戦 オートポリス

一日目 予選(10月1日・晴れ/ドライ)

予選レポート

今シーズン初のポールポジションを獲得!

朝から青空が澄み渡り、秋晴れの一日となった予選日。吹き抜ける風は心地よく、日中の温度は最高でも 25 度くらいだったが、⾧い間に渡って強い日差しが照りつけ、予選では路面温度が一時 40 度を超えた。

午前 9 位 20 分にスタートした公式練習で、3 番手のタイムをマークした No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z。持ち込みのセットアップから微調整を重ねる中で好タイムを刻み、セッション序盤で平手晃平選手がチームベストタイムとなる 1 分 34 秒 305 をマークする。その後、佐々木大樹選手へ交代すると、決勝を見据えたロングランテストに着手。タイヤの見極めなどメニューに沿って作業を続けた。さらに終盤の GT500クラス専有走行では、佐々木選手がアタックシミュレーションを行うためにニュータイヤを装着、タイヤを温めアタックラップに入ったが、コースサイドに車両が停止したことを受けてセッションは赤旗中断に。再開後、佐々木選手は改めてアタックに挑むも、今度は別の車両がスピンを喫してガードレールに接触。再び赤旗中断を招いた上で GT500 クラスのセッションが終了した。結果、チームとしては 3 番手のタイムをマークしたものの、一方で佐々木選手は一度もアタックすることなく午後からの予選に挑まなければならない状況となってしまった。

最終的な状況をしっかりと把握できないままノックアウト予選を迎えることになった No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z。公式練習中は手応えある走りを見せ、良いフィーリングを得ていたことから、なんとしても Q1 突破を果たしたいところ。そこで、チームは当初の予定を変更し、Q1 の担当を佐々木選手から平手選手へとスイッチする。また、セッティングも気温、路面温度の上昇や路面コンディションの状態を見極めた上で再度調整を加えた。そんな中、公式練習中にアタックシミュレーションを行っていた平手選手は、そのフィーリングをもとに 1 分 32 秒 208 をマーク。3 番手で Q1 通過を果たし、佐々木選手にステアリングを委ねた。

Q2 を迎え、やや路面温度が下がったものの、ほぼ似通ったコンディション下でアタックに挑んだ佐々木選手。今シーズン、Q2 でのアタックは初めだったが、ひと足先にアタックを終えた平手選手からのインフォメーションを参考に、いざアタックへ!Q2 に出走した全 8 台の中で一番最後にコースインし、満を持してアタックを行うと、1 分 31 秒 679 をマーク! チェッカーフラッグが振られる中、トップタイム更新を果たして自らの手でポールポジションを掴み取った。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z として、また佐々木選手自身としても初めてのポールポジションを獲得した。

タイヤ開発はじめタイヤとクルマの相性の良さを引き出すべく、チーム一丸となって作業に取り組んできたことが結実したKONDO RACING。ついに手にした今シーズン初めてのポールポジションに、ピットでは歓喜の声が上がった。明日の決勝では、速さそして強さを存分に披露して表彰台の真ん中に上がるべく、勇往邁進していく。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
1’32.208 1’31.679 19
2 100 STANLEY NSX-GT 山本尚貴
牧野任祐
1’32.140 1’31.867 26
3 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本雄資
阪口晴南
1’32.393 1’32.055 19

Q1 開始:15:33’00 終了:15:43’00
Q2 開始:16:11’00 終了:16:21’00

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

両選手共に、セクター 3 のタイムが良かった。それが今回のポールポジション獲得につながったと思います。いいアタックを見せてくれました。今シーズンは、同じヨコハマタイヤの 19 号車(WedsSport ADVAN GR Supra)がポールポジションを 4 回獲得していたので悔しい思いもしてきましたが、今回、ようやくポールポジションを獲ることができて、ホッとしました。両選手とエンジニアがここまでよく仕上げてくれたなという気持ちです。チームスタッフにとってもいい刺激になりました。明日のレースは正直余裕はないと思います。だからこそ、きちんとミスなくいい仕事をすべくチーム一丸となり優勝を狙っていきます。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

自身初のポールポジション獲得になりました。30 歳になって初めてポールポジションを獲れたので、(タイミングとしては)遅いですがすごくうれしいです。Q1 では平手(晃平)選手がすごくいいアタックをしてくれて。僕は朝の公式練習では赤旗の影響でアタックシミュレーションができなかったのですが、平手選手のことはすごく信頼しているので、彼が「こう行けば大丈夫」というのを信じて無我夢中で走りました。すごく集中していいアタックができたと思います。今回は、チームやヨコハマタイヤさんのおかげで獲れたポールポジションなので、今日は素直に喜びたいなと思います。決勝では、一番いいところからスタートできるので、気温が高くなると言われてますが、チームとしてベストを尽くしてがんばりたいと思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

素直にうれしかったです。これまで 19号車にずっとやられていたし、ポールポジションを獲れずに悔しい気持ちがありましたが、今日は佐々木(大樹)選手がすばらしいポールポジションを獲ってくれました。すごくうれしいですね。今回、ポールポジションを獲るために、ヨコハマタイヤさんがすばらしいタイヤを用意してきてくれました。クルマとのマッチングも良かったですね。今シーズンは開幕前からずっと開発を一生懸命やってきてそれなりに自信もありましたが、正直なところオートポリス戦はどうなるか半信半疑でもあったので、ポールポジションが獲れて本当にうれしいです。

村田卓児エンジニアのコメント

今回持ち込んだセッティングは悪いものではなかったのですが、私の感覚的にちょっと今ひとついい感触を得られませんでした。おそらく気温が上がったからだと思いますが、それでセッティングをこれまでの鈴鹿や SUGO のセッティングに近くアジャストしました。両選手ともしっかりとタイムを上げてくれ、セクター 1、2 とちゃんと合わせてくれた上に、セクター 3 が特にライバルと比べても圧倒的に速かったですね。季節を考えても気温が高い状況というのは、あまり気にならないのですが、路面が荒れていくことが気がかりです。ピックアップなどがどの程度起こるかわからないので、コンディション次第という感じもしますね。決勝はチームとしてはやれることをやってレースに挑むことになります。

二日目 決勝(10月2日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

壮絶なトップドライバーの好バトルを展開し 3 位表彰台に

10 月 2 日、大分・オートポリスで開催された SUPER GT 第 7 戦の決勝。今シーズン初めてのポールポジションから300km レースのスタートを切った KONDO RACING の No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、安定した速さを武器に上位争いを展開し、力強い走りを披露した。

抜けるような青空が広がり、絶好の観戦日和に恵まれた決勝日。10 月のレース開催ながら気温は 25 度超という夏日の天気となり、レースを戦う立場としては、攻撃性の高いオートポリスの路面に対するタイヤマネージメントが問われる一戦になることを予感させた。

正午を過ぎ、決勝直前の 20 分間のウォームアップ走行を終えて午後 1 時 30 分の決勝を迎える中、気温は 25 度、路面温度は 43 度に上昇。前日の予選セッション時よりも高い数値を示すコンディションとなった。次第に緊張感が高まる中、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z のスタートドライバーを務めたのは、佐々木大樹選手。前日、自身初の GT500 クラスポールポジションを手にした佐々木選手は、パレードラップそしてフォーメーションラップを経て、落ち着いたスタートを見せる。まずはポジションキープでオープニングラップを終えると、その直後から攻め立てる背後の 100 号車NSX-GT との攻防戦を制しながら、徐々にタイムアップ。タイヤがしっかり温まるとさらにペースを上げて、後続との差を順調に離していった。レースでは、16 周走行中に FCY(フルコースイエロー)が導入されるも No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zへの影響は少なく、FCY 解除後もトップを快走。一方、近づくルーティンのピットインでは、後続車が早めに動いたことを受け、あえてタイミングを遅らせる戦略を採った。

迎えた 27 周目終わり、佐々木選手がピットに飛び込んで待ち受けた平手晃平選手へとスイッチ。スタッフもそつなくタイヤ交換、給油等の作業を済ませ No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z をコースへと送り出した。だが、コースに復帰する直前、作業を済ませた 2 台の NSX-GT 勢がメインストレートを通過。先行を許してしまう。しかしながら、タイヤに熱が入ると、平手選手は確実にペースを上げて前方の 2 台へとアプローチ。中でも一時は 5 秒以上あった 2 番手 100 号車との差を削り、レース終盤の 2 度目の FCY 明けにはその差を 0.3 秒まで縮めた。ポイントを絞り、緩急をつけた走りでパッシングポイントを探る平手選手。100 号車を射程に収め、冷静かつ果敢に攻め立てる様子はレース中の大きな見どころにもなった。しかし、ライバルも粘りの走りで応戦。平手選手もファイナルラップの最終コーナーまで攻め続けたが、惜しくも逆転はならず。結果、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は今シーズン 2 度目となる 3 位表彰台の結果を手に入れることとなった。

今大会の 3 位により、ドライバーズポイントにおいては 11 位から 9 位へと浮上を果たした No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z。迎える最終戦では、開幕戦以来のノーウェイトとなる戦いで、シーズン中に培ってきた速さや強さを思う存分発揮し、さらなるランキングアップを目指す。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 17 Astemo NSX-GT 塚越広大
松下信治
1:54’02.414 65 34
2 100 STANLEY NSX-GT 山本尚貴
牧野任祐
13.162 65 26
3 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木大樹
平手晃平
13.453 65 19

開始:13:41’37 終了:13:41’37
ファステストラップ : 1’35.854 No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z/佐々木 大樹

No. TEAM LAPTIME
24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 1’35.854

近藤真彦監督のコメント

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今回のレース内容を富士スピードウェイで展開していれば、おそらく逆転できたんじゃないでしょうか。つい最近まで 3位ならうれしいという思いが先行していましたが、今日は 3 位で悔しいという気持ちです。レース中は競っていたクルマ同様に、ウチもタイヤのピックアップが出ていましたが、うまくマネージメントできましたのは良かったと思います。一方で、ピット戦略が今回うまくいきませんでした。遅めのタイミングでピットインしたんですが、結果としてタイムをロスすることになりまいた。やはり当初の予想どおり、NSX-GT が強さを見せたなという印象です。でも今日はいいレースができた、そう言えます。なにしろ攻防戦で上位争いをしたわけですから。ポールポジションからのスタートだったのに、気がつけば後方にポジションを下げていたという展開にならず、1 位、2 位を脅かすようなパフォーマンスを見せられてうれしいですね。このオートポリス戦は(佐々木)大樹の予選ポールポジションと、決勝での(平手)晃平の追い上げを皆さんにお見せできてよかったです。もちろん優勝を逃したことは悔しいですが、今日のような戦いを重ねることでチーム全体が強くなれると思います。速くて強い 24 号車を最終戦でもお見せしたいですし、僕自身も楽しみです。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

後半、タイヤパフォーマンスがどうなるかわからないなかで、ペースを抑えて走るというよりは、もう序盤から予選で走るくらいにプッシュしていました。でも思ったよりタイヤが⾧持ちしてくれました。前半のスティントのタイムが良くて、300 クラスが絡む前に結構マージンが取れたのでラッキーだったと思います。ピットインは(他車より)ちょっと引っ張ればコース上がクリアになるんじゃないかっていうことだったらしいんですけど、逆にアウトラップの車両が出てきてしまい……前と詰まってしまったりして、タイムを落とす形になりもったいないことをしました。一方で、タイヤも含め、チームも含めてほんとにいいポテンシャルを発揮できていると感じています。あとは、もうひとつワンランク上に行くことで優勝できると思います。そこを目指してがんばりたいと思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

前半、(佐々木)大樹選手がものすごくいいペースで(後続を)離してくれました。タイヤやクルマの状況、それにペースを見てたら、『充分に勝てるポテンシャルがあるな』と確信できたのですが、戦略として(ルーティンの)ピットインのタイミングが……。せっかくのリードを失うことになり、追いかける形になってしまいました。でも大樹選手の走りを見てれば、後半、100 号車のタイヤが垂れてチャンスが来るだろうなと思い、必死に追いかけました。攻防戦になって追い詰めることはできたんですが、あと少しが足らず、すごく悔しいですね。前回の富士の 3 位(第 4 戦)のときもそうだったんですが、やっぱりチームとしてもまだまだ成⾧しなきゃいけない部分があるので、残り一戦で、すべてうまく噛み合うようにチームで反省して、最終戦に挑みたいなと思います。

村田卓児エンジニアのコメント

結果的にピットインのタイミングを他車より遅らせたことが、良くなかったということになりますね。そこは今日のレースの反省点でもあります。先にピットインを終えたチームはコース復帰後にペース良く走っており、逆にうちはタイミング的なものもあり、タイムロスになってしまいました。そんな中、気温が上がった決勝でのタイヤパフォーマンスは良かったし、ドライバーふたり、そしてスタッフもいい仕事をしてくれました。悔しい 3 位ですが次に繋がるまた、チームの士気が上がる結果でした。

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