RACE REPORT

SUPER GT GT500

第7戦 オートポリス

一日目 予選(10月14日・曇り/ドライ)

予選レポート

オートポリス初の450km レース、予選結果は力尽くすも11 番手

早いもので、今シーズンも残り2 戦となった2023 年SUPER GT シリーズ。第7 戦は九州・大分へと舞台を移し、オートポリスで450km のレースを繰り広げることになる。予選に挑んだKONDO RACING のNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Z は、薄曇りの天候と思いのほか上昇しなかった路気温に翻弄され、11 番手という結果となった。ほぼ終日、薄曇りの天気が先行した予選日。時折日差しに恵まれたが、それも僅かな時間に留まり、気温も20 度まで上昇することはなかった。気温16 度、路面温度18 度の中でスタートを切った公式練習では、早朝に雨が降ったこともあって路面こそ乾いてはいたが、チームでは路面コンディションの回復を見ながらピットで待機することを選択。開始から30分近く過ぎてコースインを行なった。

最初にステアリングを握ったのは、佐々木大樹選手。持ち込みタイヤやセッティングの確認作業を行ない、15 分近く周回を重ねて平手晃平選手へと交代する。すると、平手選手はクルマのフィーリングを確認後、早速チームベストタイムをマーク。ピットインも含め、25 分近く周回を続けた。

その後、GT300 クラスとの混走枠の終盤になってから、再び佐々木選手がコースへ。セットアップ等の再確認を済ませると、GT500 専有走行時には、改めて平手選手がコースイン。アタックシミュレーションを行なうべくタイヤを丁寧に温めていたが、アタックラップ時にブリッジ先でアクシデントが発生。スピンを喫した車両がタイヤバリアに激突し、赤旗中断を招いてしまう。結果、平手選手はタイムアップの機会を失い、セッション中盤でマークした1 分36 秒157 がこのセッションにおけるベストタイムとなり、15 番手でセッションを終了することとなった。

午後に入ると、上空の雲も減って柔らかい太陽の光が差し込む。しかし、すぐさま灰色の雲が当たり一面広がり、思うように気温、路面温度も上昇せず。ぞれぞれ18 度、25 度というコンディションで午後3 時33 分から予選Q1 が始まった。アタックを務めたのは、平手選手。コンディションを見極めながらタイヤにしっかりと熱を入れてアタックに臨むと、1 分32 秒768 のタイムをマークする。このタイミングではQ1 突破のポジションにつけていたが、その後、ライバル達が次々とこのタイムを上回ることに。結果、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z は11 番手でセッションを終了。残念ながら、Q2 進出を果たすことはできなかった。

翌日の決勝は、オートポリス初となる450km での戦い。天候も改善するという予報だけに、タイヤパフォーマンス含め、予選日以上の活躍に期待がかかる。不確定要素も多く、難しい戦いとなりそうだが、その中で確実にチャンスをものにして、しっかりとポジションアップを目指していきたい。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 16 ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺
大津 弘樹
1’32.320 1’31.131 R 37
2 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資
阪口 晴南
1’32.132 1’31.604 27
3 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛
関口 雄飛
1’32.001 1’31.997 34
11 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹
平手 晃平
1’32.768 11

Q1 : Start Time : 15:33’00 | Finish Time : 15:43’00
Q2 : Start Time : 16:11’00 | Finish Time : 16:21’00

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

今回の予選上位陣はホンダとトヨタが独占していて、日産勢はQ2 に進めなかったという厳しい状況になりました。ヨコハマタイヤとしては、19 号車(WedsSport ADVAN GR Supra)がいいパフォーマンスを見せていましたが、今回、ウチとそれぞれ異なる温度レンジのタイヤを持ち込んでおり、逆にウチのほうは今日の路面状況、気温と合わず、タイヤを温めるのに時間がかかってしまったという感じです。幸い、明日の決勝日のほうが天気が良さそうだし、気温も上がると思うので、450km という距離の⾧さをうまく活かした戦いがしたいですね。不確定要素もうまく味方につけることができれば、と思います。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

公式練習の走り出しでは、気温が低かったこともあり、クルマのバランスもいつもと様子が違っていました。ただ、路面状況も良くなかったので、しばらく待機していましたのですが、結局、しっくりしない状態が続きました。方向的としてももう少しやったほうが良かったのかもしれません。ただ、タイヤとしては機能しているので、決勝日は気温も今日より上がると思うので、うまく合わせ込んで走ればいい方向にいくと思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

路面コンディションも雨上がりで良くなかったので、路面次第でタイヤのフィーリングが良くなるのかと思っていたのですが、気温が上がってもあまり変わらなかったですね。GT500 の専有走行でアタックシミュレーションをしたのですが、結局赤旗になってキチンと確認できませんでした。予選ではグリップも得られたので、”いけるかも”と思ったのですが、公式練習中にクルマのアジャストが十分できなかったこともあり、結果としては厳しいものになりました。決勝では、路面温度が少しでも上がってくれたほうが僕らのクルマには合うと思います。タイヤの摩耗やピックアップのあるでしょうが、450km と⾧いレースなので、うまくマネージメントして勝負できればいいと思います。

村田卓児エンジニアのコメント

雨が上がったあとの路面だったので、公式練習ではしばらく状況が改善するのを待ってからコースインしました。ドライバーからはクルマが曲がらないとのことだったのですが、少しアジャストを加えました。あとは事前の予報とだいぶ違ったこともあり、タイヤの選択肢が難しい予選になりました。それが予選でのタイムに出てしまったという感じですね。決勝ではタフな戦いになるでしょうが、その中でしっかり凌いでいきたいと思います。

二日目 決勝(10月日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

予想外のレースコンディションに翻弄12 位でチェッカーを受けた

秋晴れの好天気の下で熱いパフォーマンスを披露しようと意気込んだKONDO RACING。しかしながら、思った以上に気温は上がらず、また予選同様に薄曇りが続き、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z は好走のチャンスを掴むことができなかった。結果、予定以上のピットインを強いられ、12 位でチェッカーを受けている。

時折眩しい日差しに恵まれたオートポリス。しかしながら、予選日よりも吹く風は冷たく、正午からのウォームアップ走行を前にして、気温は16 度、路面温度は20 度にと留まっていた。一方、決勝に向けて選択したタイヤの特性を最大限に引き出したいと考えたチームでは、予選日も遅くまでミーティングを重ね、あらゆる事態を想定した上で450km の決戦に備えた。

午後1 時30 分、地元・大分県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップからフォーメーションラップを経て、450km、97 周の戦いがスタート。No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z には、佐々木大樹選手が乗り込み、オープニングラップを14 番手で終える。スタート時の気温は17 度、路面温度は27 度まで上がっていたが、装着したタイヤが思うように機能せず、苦戦。長い戦いを考慮し、佐々木選手そしてチームではルーティンのピットイン義務消化を兼ねて8 周終了時にピットインを敢行した。

当然ながらドライバー交代はせず、タイヤを交換。予選日朝の公式練習で装着した同じ種類のタイヤを選択し、コースに舞い戻ると、路面コンディションとの相性が良かったか、佐々木選手は上位勢と遜色ないペースで周回を重ねていった。多くのクルマが20 周前後に1 回目のピットインを実施するなか、序盤にピットインを消化していたこともあり、チームでは、56 周終わりに2 回目のピットインを選択。このタイミングで佐々木選手から平手晃平選手へと交代した。

途中、コース上でのアクシデントにより、フルコースイエローが4 回に渡って導入されるなど慌ただしい展開となる中、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Z は安定したペースで周回を重ねて、ポジションアップのチャンスを狙いたいところ。だが、持ち込みタイヤの都合上、2 スティント目で高いパフォーマンスを見せたタイヤを引き続き投入することができず、3 スティント目にはQ1 で使用したタイヤが装着された。

また、レースは50 周を過ぎると路気温も低下。気温は1 度ほど下がるに留まったが、一方で路面温度は3 度以上低くなるなど、またしても路面コンディションとの相性に苦しむことになる。そんな中、平手選手は65 周を終えた時点でピットイン。選択したタイヤでのペースアップが望めないこともあり、再びタイヤを交換してコースへ戻ったが、依然として厳しい状況下で周回を重ねることを強いられた。

結局、その後も79 周目にピットインし、再度タイヤを交換してチェッカーを目指したNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Z。与えられた条件の中で、できる限りポテンシャルを引き出す努力を重ねることでチェッカーを受けたが、結果は12 位。存分に力を見せることができない悔しさが募る一戦となってしまった。

いよいよ最終戦を残すのみとなった今シーズンのSUPER GT。秋が一層深まる中出迎えるモビリティリゾートもてぎでの一戦では、なんとしてもコンディションを味方にして強い走りを披露したいところ。シーズン集大成の戦いでしかと存在感をアピールしたい。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 36 au TOM’S GR Supra 坪井 翔
宮田 莉朋
2:50’39.062 97 49
2 16 ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺
大津 弘樹
5.474 97 37
3 3 Niterra MOTUL Z 千代 勝正
高星 明誠
5.854 97 51
12 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹
平手 晃平
2 Laps 95 11

Start Time 13:36’47 | Finish Time 16:27’26
黒白旗提示 CarNo.1 – Bertrand Baguette (12:08)(SpR 13-1.「T6での接触」)(ウォームアップ走行時)
CarNo.36 – Sho Tsuboi (14:34)(SpR 13-1.「T6での接触」)

No. TEAM LAPTIME
16 ARTA MUGEN NSX-GT(Nirei Fukuzumi) 1’34.849 3/59Lap

近藤真彦監督のコメント

近藤真彦 PHOTO

今回のレースはタイヤ選択を大きく外してしまいました。想定していた以上に気温が低く、持ち込んでいたタイヤは温まらなかったですね。(ささくれて摩耗する)グレーニングにも悩まされました。クルマも曲がらず、コントロールできなかったようです。ドライバーからの情報をもとにタイヤを交換するためにピットインを繰り返したのですが、ピットロードに入るのですら厳しいくらいだと言ってましたね。バックアップ用として持ち込んだタイヤのほうがパフォーマンスが良かったものの、それでも十分ではなかったので、ツラい戦いになりました。ドライバーふたりはかなりストレスが溜まる戦いだったと思います。今回の状況をしっかりと受け止めて最終戦に向けての準備をする必要がありますね。もてぎまでにしっかりと立て直し、最後まで力強く戦いたいと思います。

佐々木大樹選手のコメント

佐々木大樹 PHOTO

オートポリスでの戦いは、去年のような(決勝3 位)パターンもあれば今回のように、タイヤのライフがもたないことがあったりとか、温度や路面によって状況がシビアになることが多いんです。それをどうするか、チームとしてのスタンスもあるのですが、今年はタイヤのもい込み制限もある中で、結果としては自分たちが考えていたのとは違い、あまり機能しないのではないかと思っていたタイヤが決勝で思った以上に機能することになりました。タイヤ開発において、まだキチンと理解できていない部分もあると感じましたし、そこが開発の難しさだとも思いました。今日のレースとしては、スタートしてすぐに機能しなくなったので、早くにピットインしてタイヤを替え、そこから49 周引っ張りました。2 スティント目に装着したタイヤではペース良く走れたし、ポジションも悪くなかったので、実践でのデータをしっかりと集め、レースに活かしていけたらと思います。

平手晃平選手のコメント

平手晃平 PHOTO

今日は、僕らが持ってるものをフルに活用してベストを尽くすことに集中したという感じです。走りとしてもベストなパフォーマンスはできたと思います。ただ、レースに向けて持ち込んだタイヤがうまく機能しなかったということですね。今回、予選日に僕がQ1 で装着したタイヤが新規のもので、レースでもメインで使うことになるだろうと考えていました。ところが、バックアップとして用意してきたタイヤのほうが決勝のコンディションに合っている感じだったので、(佐々木)大樹選手のセカンドスティント時に投入したんです。ただ、そのタイヤがもうなかったこともあり、その後は状況に見極めながらピットインして都度タイヤ交換することになりました。最後はタイヤコンディションに合わせて走る、という感じでしたね。持ち込みタイヤ次第では、十分に入賞圏内での争い、場合によっては表彰台も視野に入れた戦いができたかもしれません。天候によってとても厳しい状態になったので、なんとか走り切れたという戦いでした。とはいえ、その中でいろいろデータが取れたのは良かったと思います。

村田卓児エンジニアのコメント

今回は天気が大きく変わり、ここまで気温が低くなるとは予測できなかったですね。正直想定外の寒さでした。結果として持ち込んだタイヤがうまく機能しませんでした。持ち込んだタイヤの中で、バックアップとして準備していたものが幸い機能したのでなんとか踏ん張ることができましたが、レースとしては厳しい展開になってしまいました。

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