RACE REPORT
SUPER GT GT500
第2戦 富士スピードウェイ
一日目 予選(5月3日・晴れ/ドライ)
予選レポート
3時間の長丁場に向け、決勝重視で準備を進める
今シーズンの開幕戦からまだ1ヶ月経たない中、迎えた第2戦富士。静岡・富士スピードウェイを舞台に、今大会は3時間レースが開催される。ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日には予選が行なわれ、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zは14番手グリッドから、翌日の決勝スタートを切る事となった。
前日は午後から時折激しい雨に見舞われた富士スピードウェイ。だが、予選日は朝から雲ひとつない青空がサーキットを包み込み、霊峰・富士山も堂々とした勇姿を披露した。
午前9時にスタートした公式練習ではまずGT300クラスとの混走が、その後、FCY(フルコースイエロー)テストやGT300クラス専有走行を挟み、GT500クラス専有走行が行なわれた。松田次生選手からドライブが始まり、およそ1時間近くステアリングを握った。持ち込みタイヤの中から予選、決勝用のタイヤの見極めや、決勝をイメージしたロングランなどのメニューをこなすと、午前10時を前にして名取鉄平選手へとスイッチした。名取選手はGT500クラス専有走行でもドライブを担当し、終盤にはアタックシミュレーションを行なうと、1分28秒069のチームベストタイムをマーク。12番手でセッションを終了した。
午後に入ると、徐々に気温が上昇。午後2時30分からGT300クラスの予選となり、GT500クラスのQ1は午後3時3分に幕が上がる。Q1でNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zのステアリングを握ったのは、名取選手。気温20度、路面温度33度のなか、アタックを開始した。アウトラップから徐々にタイヤに熱を入れて計測4周目に1分27秒399のチームベストタイムをマーク。Q2進出可能となる上位10台を目指したが、0.1秒及ばず14番手に。松田選手へとバトンを繋ぐことは叶わなかった。
翌日の決勝は、シーズン初となる3時間レース。長丁場の戦いでは、給油作業を含む2度のピットインが義務付けられる。タフな戦いになることが予想されるのは言うまでもないが、そのなかでミスのないトラブルフリーの走りを続け、ひとつでも多くポジションアップを目指したい。今大会は、マシントラブルに見舞われた岡山大会のリベンジ戦でもあるだけに、高いチーム総合力をしかと発揮し、好結果を目指したい。
公式予選記録
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | Q1 | Q2 | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | KeePer CERUMO GR Supra | 石浦 宏明 大湯 都史樹 |
1’26.818 | 1’26.093 | |
2 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本 雄資 阪口 晴南 小高 一斗 |
1’26.490 | 1’26.176 | |
3 | 16 | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 大津 弘樹 佐藤 蓮 |
1’26.814 | 1’26.367 | |
14 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 松田 次生 名取 鉄平 |
1’27.399 |
Q1: Start Time: 15:03’00 Finish Time: 15:13’00Q2: Start Time: 15:41’00 Finish Time: 15:51’00
近藤真彦監督のコメント
同じヨコハマタイヤの19号車が公式練習から速いタイムをマークしてましたが、今回、ウチとは異なるタイヤを持ち込んでいたので結果に違いが出てしまいました。また、クルマが異なるので一筋縄ではいかない難しさがありますね。今回のレースに持ち込んだタイヤでは予選で苦労することは想定内でした。決勝にターゲットを絞り込み、3時間をしっかり戦って結果を出したいと思ったので、ある程度は仕方ないですね。富士はスープラ勢が強いと感じます。Z勢は総体的に厳しい結果になったものの、チームとしては健闘したと思います。決勝日は今日よりも気温がまた上がるようですが、そうなれば条件的に良い方向になるので、良い戦いができると思います。
松田次生選手のコメント
今回は、3時間レースの戦いを意識して、耐久性を重視したタイヤを持ち込んでいます。それだけに、予選での速さを引き出すことは難しかったですね。逆に決勝ではいいペースで粘りある走りができたら、と思っています。今回、しっかりと長丁場を戦い抜くことができたら、タイヤ開発を進める上でもさらにいい方向に働くと思っているので、期待しつつ走りたいと思います。
名取鉄平選手のコメント
アタックとしては自分が納得できる走りをすることができました。ミスなくしっかりとアタックできたのですが、予選一発の速さを出すことは難しい状況だったと思います。決勝は3時間あるので、粘り強く戦いたいと思います。
大駅俊臣エンジニアのコメント
決勝でしっかりとパフォーマンスを引き出すことを第一に、クルマの現状を踏まえて準備を進めることになりました。結果的に、予選で存分な速さを披露することが難しくなりましたが、決勝では粘り強く安定感ある走りを続け、上位入賞を実現できればと思います。開幕戦ではトラブルによって結果を残せなかったので、今回はセパンに向けて、弾みをつけるような戦いになればと思います。
二日目 決勝(5月4日・晴れ/ドライ))
決勝レポート
好機に恵まれず、厳しい結果に終わる
5月4日、快晴のなかで行なわれた富士スピードウェイでの第2戦。3時間という長い戦いでポジションアップを目指したNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z。だが、惜しくも好機を捉える風は吹かず、終始ガマンの戦いに。15位で戦いを終えた。
決勝を前にさらにまぶしい陽が挿し込み、初夏を感じさせる天候となった富士スピードウェイ。場内ではゴールデンウィークにふさわしいイベントも多数行なわれ、賑わいを見せていた。午後1時にはスタート進行を迎え、スタンドにも多くのファンが詰めかけることに。そして、午後2時10分には3時間のレースが号砲。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zには、まず松田次生選手が乗り込み、序盤でのポジションアップを目指した。
気温24度、路面温度38度のコンディションの中、14位から粘り強く周回を重ねた松田選手。だが、今週末に持ち込んだタイヤとコースコンディションの相性が思わしくなく、タイムアップが難しい状況に。結果、ペースアップが叶わず、守りの走りを強いられる。
チームでは、レース開始から1時間を前にした32周終わりで最初のピットインを実施。タイヤ交換と給油を済ませると、引き続き松田選手がドライブを担当した。そして、62周目に2度目のピットインを行ない、このタイミングで名取選手へとスイッチ。ステアリングを託した。
思うようにタイムアップ出来ない状況のなか、名取選手も松田選手同様”ガマン”のレースに徹する一方、ミスやトラブルのないよう周回を重ねていく。本来であれば、3時間レースの場合、基本的にピットインは2度のルーティン作業で完結するのだが、結果として3度ピットインを強いられ、その都度タイヤを交換してチェッカーを目指すという厳しい展開に甘んじた。
ドライバーはもちろんのこと、チームとしても実に悔しい戦いとなってしまった今回の戦い。次戦は、マレーシアにあるセパン・インターナショナル・サーキットが舞台となる。2019年以来となる海外戦、セパンでは2013年以来でのレース開催となるが、オフシーズンのタイヤテストでもお馴染みのサーキット。熱帯雨林気候のサーキットでの一戦に向け、チーム一丸となってしっかりと準備を進めていきたい。
決勝結果
Pos. | No. | TEAM | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | SW |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | KeePer CERUMO GR Supra | 石浦 宏明 大湯 都史樹 |
3:01’22.811 | 116 | |
2 | 1 | au TOM’S GR Supra | 坪井 翔 山下 健太 |
11.969 | 116 | 40 |
3 | 100 | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 山本 尚貴 牧野 任祐 |
24.178 | 116 | 16 |
15 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 松田 次生 名取 鉄平 |
2Laps | 114 |
開始:14:18’10 終了:17:19’32.811
ファステストラップ : No.38 Toshiki Oyu 1’29.107 4/116Lap(184.349km/h)KeePer CERUMO GR Supra
No. | TEAM | LAPTIME |
---|---|---|
38 | KeePer CERUMO GR Supra | 1’29.107 |
近藤真彦監督のコメント
今回は、存分にパフォーマンスが出せる状態ではなかったですね。悔しいです。予定外のピットインも強いられるなど、戦える状況とは言い難いものでした。コンディションにまったく合わなかったですね。厳しい結果を突きつけられた様です。この先、マレーシア(セパン)はもちろん、夏の富士、鈴鹿に向けてもテコ入れが必要だと思います。
松田次生選手のコメント
今回、装着したタイヤは耐久性があったものの、パフォーマンスとしてのバランスがコースコンディションに合わずレースで苦戦する結果になりました。タイヤへの負荷を優先するとどうしてもペースを上げることが難しいという現状でした。3時間という長いレースだったこともあり、差が開いてしまいましたね。現状を踏まえ、今後どう改善していくかが大事だと思うので、マレーシア戦に向けて引き続き頑張っていきたいと思います。
名取鉄平選手のコメント
第1、第2スティントを担当した松田選手とは異なるタイヤを装着して最後のスティントを走りました。しかしながら、やはりタイヤとコンディションが合わず、良いペースで走ることも出来ませんでした。気温も下がり、燃料が少なくなったことが幸いし、ようやくチームベストラップを出せたという感じでした。次はセパンでのレースで、SUPER GTでは初めてのレースになるのですが、テストでは手応えあるタイムをマークできたので、苦手意識もないですね。条件が整えば良い戦いが出来ると思います。
大駅俊臣エンジニアのコメント
今回、チームが置かれた状況では力を発揮できず、存分に戦うことはとても難しかったです。3時間という長い戦いを味方につけ、粘りの走りを続けることでポジションアップに期待したのですが、その流れすら恵まれることはありませんでした。クルマ、タイヤなど総合的なポテンシャルの引き上げを求めてシーズンを戦っていく必要があると感じた戦いになりました。