RACE REPORT

SUPER GT GT500

第3戦 鈴鹿サーキット

一日目 予選(6月1日・晴れ/ドライ)

予選レポート

24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z 好走実り、9番手を手にする

6月1日、三重・鈴鹿サーキットにおいて2024年SUPER GT第3戦が開幕し、同日に行なわれた予選で、KONDO RACINGのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zは9位となった。翌日の決勝は、第2戦富士同様に3時間の時間制レースにて行なわれる。6月に入ったばかりの鈴鹿は、早朝から青空が広がり、気温も時間の経過とともにぐんぐんと上昇する恵まれたコンディションとなった。

午前9時45分に始まった公式練習。まず、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zには、松田次生選手が乗り込んで持ち込みセットの確認作業に入った。気温25度、路面温度34度のなか、セッティング調整やタイヤのコンディション確認など次々とメニューをこなし、GT300クラスとの混走セッション後半に名取鉄平選手へとスイッチ。名取選手は、その後のGT500クラス専有にも続けて出走。そのなかでチームベストタイムとなる1分46秒532をマーク、8番手でセッションを終えた。

午後に入ると、なお気温が上昇。予選開始時の気温は26度、路面温度は45度のコンディションのなか、GT300クラスからタイムアタックが始まる。GT500クラスQ1は午後3時33分にスタート。Q1を担当するのは、名取選手。タイヤ特性も踏まえ、全15台のなかで真っ先に、計測2周目でアタックラップに入った名取選手は、力強い走りを見せて1分46秒332で暫定トップに。後を追うようにアタックに入った他の車両がこのタイムを上回ったため、最終的には8番手でQ1を通過することとなった。

続くQ2でアタックに臨んだ松田選手。気温、路面温度は緩やかに下降したが、名取選手とは逆に他車がコースインするのを横目に、ピットでしばし待機する。セッション終了まで残り時間4分の時点になって、ようやくピットを離れたNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z。松田選手はアウトラップが終わると早速にアタックへと突入。極めて高い集中力で1分47秒079をマークし、9番手につけてみせた。結果、2選手の合算タイムによって、明日の決勝は9番手から長丁場の戦いに臨むこととなる。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER Q1 Q2 SW
1 37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京
G.アレジ
1’45.434 1’46.439 8
2 16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 大津 弘樹
佐藤 蓮
1’45.759 1’46.450 4
3 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也
福住 仁嶺
1’46.387 1’45.836 6
9 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
1’46.332 1’47.079

Q1:Start Time 15:33’00 Finish Time 15:43’00
Q2:Start Time 16:29’00 Finish Time 16:39’00

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

明日の天気を踏まえて、まずは予選でしっかり走ろうという考えで臨みました。結果、柔らかめのタイヤでアタックしました。松田選手には、ギリギリまで待機してもらってのアタックでしたが、経験値あるドライバーならではの走りを見せてくれたと思います。まだ依然として厳しい状況ではありますが、これをチャンスとして捉えて上を向いてがんばっていくしかないと気持ちをひとつにしています。一足飛びに良くなるものでもないので、一歩一歩、着実に力をつけていきたいと思っています。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

クルマも結構持ち込みの状態が悪くなかったし、ショートもロングもいいフィーリングだと思いました。一方、予選に関しては今シーズンからQ2をユーズドタイヤでアタックしなければならないので、その部分にまだ課題があると思います。どうしてもタイヤの落ち幅に差があるのかなと感じますね。今回は柔らかめタイヤか硬めのタイヤかによる差もあったのではないでしょうか。まだまだ見極めが必要だと思います。僕のアタックでは、アウトラップからのいきなりアタックラップという形だったので、ミスも出来ないし、ものすごくプレッシャーがかかりました。その中でもしっかりタイムが出せたので良かったと思います。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

公式練習では松田(次生)選手に持ち込んだタイヤの確認をしてもらい、僕はロングランを中心に走ったり、予選シミュレーションをさせてもらいました。予選自体はミスもなく普通に走ることはできました。タイムも悪くなかったと思います。決勝ではポイントを獲れるよう頑張りたいですね。

村田卓児エンジニアのコメント

今回は、いろいろとセッティングを変えて準備をしてきました。クルマのバランス等は問題ないと思います。予選に関しては、タイヤのパフォーマンスをできる限り引き出すように、コースインのタイミングやアタックラップに気を付けながら挑みました。明日は天気がどうなるか次第ですが、うまくコンディションに合わせながらの戦いができればと思います。

二日目 決勝(6月2日・晴れ/ドライ)

決勝レポート

SUPER GT 初の3 時間レースを戦い、13 位でチェッカー

6月2日、鈴鹿サーキットで開催された2024年SUPER GT第3戦の決勝レース。前回同様、3時間という時間制レースで行なわれ、9番手グリッドからスタートしたKONDO RACINGのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zは、ときに攻防戦を繰り広げる力走で9位フィニッシュ。待望の今シーズン初入賞を果たしている。

予選日は爽やかな暑さの下、セッションが行なわれた鈴鹿。しかし、決勝日は朝から曇天模様に。梅雨前線と低気圧の影響を受けて天候が悪化し、時折雨が降った。

さらに正午からのウォームアップを控えるなか、瞬く間に雨雲が広がって本降りの雨に。これを受け、20分間のセッション中はレースウィーク初のウェット走行を強いられた。だが、その後、雨が止むと今度は強い日差しが戻り、急激にドライコンディションへと回復。慌ただしく状況が変わったが、結局、3時間レースはドライコンディションでの幕開けを迎える。

依然として先が読めない戦いのなか、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Zには松田次生選手が乗り込み、レーススタート。気温24度、路面温度31度と晴れてはいるが、前日よりも涼しいコンディション。タイヤマネージメントに気を遣いつつ、数少ないチャンスを確実にモノにし、ポジションアップを果たしていった。

スタートからほぼ1時間が経過した29周終わりで1回目のピットイン。ここでは給油とタイヤ交換に加え、ドライバー交代も行なう。難しいコンディションのなかでライバルとの攻防戦に挑んだ名取鉄平選手は、落ち着いて周回を重ね、暫定6番手までポジションアップしてみせた。2回目のルーティンピットインを実施したのは60周終わり。チームでは給油とタイヤ交換、そして再び松田選手へドライブを委ねた。長く周回が続くコース上はタイヤカスが散乱する荒れたコンディション。しかし、松田選手は安定した速さで周回し、ベテランならではのパフォーマンスを披露する。レース終盤は前後車両との差が開いたためにひとり旅のような走りが続いたが、最後までペースを維持したまま3時間レースを走破。開幕戦、前回の富士とは異なり、”戦う”走りを続けたことにより、9位入賞という結果を掴み取っている。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER TIME/DIFF LAPS SW
1 37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京
G.アレジ
3:00’22.971 92 8
2 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也
福住 仁嶺
10.968 92 6
3 16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 大津 弘樹
佐藤 蓮
24.573 92 4
9 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
1’19.706 92

開始:13:38’04 終了:16:38’26
ファステストラップ : 1’48.752(67/92) No.12 TEAM IMPUL

No. TEAM LAPTIME
12 TEAM IMPUL 1’48.752

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

今日はドライバーがそれぞれの力をしっかりと出し切ってくれたと思います。まず、スタートを担当した松田選手は早速前のクルマを抜いてくれたし、GT300クラス車両をうまく使ってポジションを上げるというテクニックも存分に見せてくれました。さすがでした。ルーキーの名取選手も落ち着いた走りをしていたし、まだ伸び代があるので今後に期待ですね。次の富士に向けてインターバルがあるので、この時間を活かしてしっかりと準備をしていかないと。SUGOでのタイヤメーカーテストもあるので、さらに良いタイヤが用意できればいいなと思います。今回ようやくシングル入賞を果たせました。力を出し尽くした週末でした。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

ヨコハマタイヤでの3戦目ということで、だいぶ慣れてきたのかなと思います。トップ勢とはまだちょっと差がありますが、でも今回ポイントを獲ることができたのは大きい。獲るために一生懸命セットアップはじめ、みんなで取り組んできたことが形になって良かったと思います。第1スティントでは前方にいる他のZ勢についていけるかちょっと心配もしていましたが、オーバーテイクすることもできたので、久々に”レースをしているな”という気持ちになりました。いい仕事ができて良かったです。チーム、そしてチームに関わるみんながプラスになれる戦いでした。今シーズンはまだまだツラいことが多いと思いますが、引き続き努力して良い走りをお見せしたいですね。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

レース内容を振り返ると、自分としてはいろいろ納得できていない部分がありますね。タイヤの使い方はじめ、やはり経験不足なところがあると感じました。一方、リザルトとしてなんとかポイントを獲ることが出来たのは良かったと思います。今週末は予選のパフォーマンスも悪くなかったし、あとは決勝でのタイヤの使い方が課題だと思うので、経験を積み重ねて勉強していきたいと思っています。

村田卓児エンジニアのコメント

今回の決勝では想定よりも気温、路面温度が低かったことが、ライバルの走りにも影響を与えたのではないかと推測しています。一方、チームとしては、まだまだ十分とは言えないものの、与えられた中で良いパフォーマンスを引き出すことは出来たと思います。次のレースを前に、タイヤメーカーテストが予定されているので、今後に繋がるものをうまく引き出せたら良いと考えています。

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