RACE REPORT
SUPER GT GT500
第7戦 オートポリス
一日目 予選(10月18日・雨/ウェット)
予選レポート
今シーズン2度目の3時間レースは9位からのスタートに
10月18日、大分・オートポリスにおいてSUPER GT第7戦の予選が行なわれ、松田次生/名取鉄平両選手がドライブするNo.24 リアライズコーポレーションADVANは、雨の予選で9番手のポジションを獲得。翌日の3時間レースに挑むこととなった。
前日の搬入日は強い日差しが照りつけ、汗ばむ陽気候となったオートポリス。明けて予選日は薄曇りながら、時折陽が差し込む朝を迎えた。午前9時25分からの公式練習はドライコンディションでスタート。まず松田選手が乗り込み、持ち込みセットとタイヤの確認を始めると、早々に1分34秒848をマークして2番手へ。その中で開始から30分強が過ぎた頃、GT300車両がコース上に停止したことを受け、車両回収のためにセッションは赤旗中断となった。再開後は、松田選手に代わって名取選手がコースへ向かい、GT300クラスとの混走中は決勝を見据えてロングランを続けた。
混走終了後はフルコースイエロー(FCY)訓練、GT300クラス専有のセッションが続いたが、GT300クラス専有が始まるタイミングでパラパラと雨が落ち始める。ウェット宣言が出る一方で、大きく崩れることはなかったが、GT500クラス専有が始まった午前11時20分頃には本降りとなり、スリックタイヤで走行していた車両が次々とセッションを切り上げてピットに戻る姿が見られた。結果、No.24 リアライズコーポレーションADVAN Zは2番手でこのセッションを終えている。
気になる天候は午後に向けていったんは回復。その後も曇天模様のまま堪えていたが、再びゆるやかに悪化。午後2時30分にウェット宣言が出され、その15分後にはGT300クラスの予選が幕を開けた。このタイミングではまだスリックタイヤでの走行が可能だったが、最終盤にトラブルに見舞われた車両がコース脇に停止。車両回収が必要となり、その後のセッションが15分遅れに。結果、GT500クラスのQ1は午後3時33分からのスタートとなった。
ウェット宣言下でのアタックで、まずNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Zのステアリングを握ったのは松田選手。まだ雨量が少ないなか、早めのアタックを目指してタイヤを温めると、1分33秒339をマーク。後半にライバルたちがタイムを伸ばしたことにより、9番手通過となった。
その後、GT300クラスのQ2を迎えたが、このセッションでもコントロールを失った車両がコースアウトしてクラッシュ。赤旗中断になったことで、GT500クラスのQ2は当初の予定よりさらに時間が押し、ほぼ30分近くディレイしてセッション開始となった。
すると、直前までなんとか上空で留まっていた雨が突如降り出し、一気に雨脚が強くなる。スリックタイヤでのアタックを願っていた名取選手だったが、コース上はもはや水煙が上がる状態に。結果、ウェットタイヤへと交換してアタックへと向かうことに。限られた時間のなかでしっかりと温め、ミスなく攻めたタイムは1分44秒048となり、9番手に。その翌周、雨脚がさらに強まるなか、すでにタイヤが限界を超えていたこともあって、アタックを終えた名取選手は100Rでバランスを崩してリヤバンパーを損傷したが、幸い大事には至らなかった。予報ではドライコンディションとなる翌日の決勝に向け、しっかりと最終準備を進めて力強い戦いを披露したいところだ。
公式予選記録
| Pos. | No. | TEAM/MACHINE | DRIVER | Q1 | Q2 | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 3 | NISMO NDDP/Niterra MOTUL Z | 佐々木 大樹 三宅 淳詞 |
1’32.638 | 1’39.460 | 17 |
| 2 | 23 | NISMO/MOTUL AUTECH Z | 千代 勝正 高星 明誠 |
1’33.001 | 1’39.845 | 29 |
| 3 | 14 | TGR TEAM ENEOS ROOKIE/ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋 和也 福住 仁嶺 |
1’33.317 | 1’39.853 | 53 |
| 9 | 24 | KONDO RACING/リアライズコーポレーションADVAN Z | 松田 次生 名取 鉄平 |
1’33.339 | 1’44.048 | 21 |
Q1: WET宣言: 15:33 Start Time: 15:33’00 Finish Time: 15:43’00Q2: WET宣言: 16:17 Start Time: 16:17’00 Finish Time: 16:27’00
近藤真彦監督のコメント

今日の敵は雨でした。タラレバは言いたくないですが、理由は雨しかありません。ドライバーふたりには完全ドライコンディションでアタックをさせたかったですね。明日は3時間と長いレースになるので、じっくり粘りの戦いができると思います。僕らには期待できるドライ用のタイヤもあるので、しっかりと戦って表彰台を狙いたいですね。
松田次生選手のコメント

クルマ自体、ぼちぼちだったかと思います。朝の公式練習でも2番手につけていたし、そんなに悪くないと思っていました。ただ、予選Q1になって雨がぱらついてきたので、タイヤのウォームアップを早めたんです。雨がいつ降り出すかわからなかったので早めに温めたところ、タイヤのピークをうまく出せなかった感じですね。希望としてはもう1周、ゆっくり温めたかったかなという感じでした。一方、GT300クラスで赤旗になったことで、Q2を待つ間に本格的な雨になったのが残念でした。僕らにとっては、正直あれは余分でしたね。とはいえ、決勝は3時間レースなので9番手からでもしっかり戦えると思っています。明日はドライで戦えると思うし、タイヤをしっかりマネージメントして入賞圏内でフィニッシュできればいいと思います。
名取鉄平選手のコメント

Q2の予選では、今ある状況のなかで普通にアタックすることはできたのですが、トップタイムと比べてタイム差が大きいことを考えると、正直良くなかったですね。本降りになってタイヤのグリップがなくなってしまい、もう普通に曲がらない状態になって100Rで飛び出してしまいました。一方、公式練習ではロングランを担当したのですが、タイム的には悪くなかったと思います。明日の決勝は3時間と長いので、展開がどうなるかわかりませんが、悪い印象はないので、しっかりポイントを取れるよう頑張ります。
大駅俊臣エンジニアのコメント
予選では、GT300のセッション中にトラブルが続き、時間が伸びたことで雨の影響を受けることになりました。仕方ないのですが、これがチームにとって残念な結果になったと思います。しっかりとドライコンディションでアタックができていたなら、結果も違っていたでしょう。明日は雨にならないようなので、ミスなくしっかりと9番手から追い上げる戦いをして、良い結果を狙えると思います。
二日目 決勝(10月19日・曇り/ドライ)
決勝レポート
追い上げのなか、接触によりリタイアに
10月19日、雨予報が出るなかで3時間の戦いが幕を開けたオートポリス。SUPER GT第7戦は、長丁場の戦いでポジションアップを狙い、表彰台を目指したNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Zだったが、レース序盤にまさかのアクシデントに遭遇。レース復帰が叶わず、悔しいリタイアに終わった。
前日の予選では、Q2を前に突如本降りの雨となったことで9番手に甘んじたNo.24 リアライズコーポレーションADVAN Z。だが、ドライコンディションでの感触は良く、秋晴れの下での戦いに期待を寄せていた。
迎えた決勝日。サポートレースは濃霧の影響を受けるなど不安定な天候で幕を開けたが、天候は徐々に回復。スタート前には秋の日差しが顔をのぞかせた。3時間の戦いに向け、チームはまず松田次生選手をスタートドライバーとして送り出す。大分県警のパトカーと白バイが先導するパレードラップからフォーメーションラップへと変わり、気温22度、路面温度25度のなか、ついに3時間レースが号砲となった。
オープニングラップでは、前方の2台が絡む接触が発生。これを受け、松田選手は8番手からの追い上げを目指す。タイヤに熱が入るとペース良く攻めの走りを披露し、目の前に迫った64号車CIVICを猛追。逆転のチャンスをうかがった。
迎えた12周目、3コーナー手前から64号車と併走する形となった松田選手だったが、コーナー進入で接触。なんとかコース上に留まろうとしたものの、押し出される形でコースアウト。勢いそのままにタイヤバリアへクラッシュしてしまう。松田選手はピットに戻るべくなんとかコース復帰を果たしたが、左フロントを中心に大きく損傷しており、ほどなくしてクルマを止めることとなった。No.24 リアライズコーポレーションADVAN Zにとって、わずか20分にも満たない形でレースが終了。粘りの戦いで好成績を狙っていたチームにとっては、あまりにも悔しい結末となった。
このあと第8戦は、2週間後のモビリティリゾートもてぎが舞台となる。一年の集大成を披露すべく、気持ちを切り替えて最終戦に挑むのみだ。
決勝結果
| Pos. | No. | TEAM/MACHINE | DRIVER | TIME/DIFF | LAPS | SW |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 100 | STANLEY TEAM KUNIMITSU/STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 山本 尚貴 牧野 任祐 |
3:01’16.996 | 102 | 32 |
| 2 | 64 | Modulo Nakajima Racing/Modulo CIVIC TYPE R-GT | 伊沢 拓也 大草 りき |
25.944 | 102 | 9 |
| 3 | 16 | ARTA/ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 大津 弘樹 佐藤 蓮 |
30.652 | 102 | 18 |
| – | 24 | KONDO RACING/リアライズコーポレーションADVAN Z | 松田 次生 名取 鉄平 |
91 Laps | 11 | 21 |
開始:13:16’44 終了:16:18’00
ファステストラップ : CarNo.39 Yuhi Sacha 1’36.008 (68/102) 175.260 km/h
| No. | TEAM | LAPTIME |
|---|---|---|
| 39 | TGR TEAM SARD | 1’36.008 |
近藤真彦監督のコメント

急に雨模様になると聞いて心配しましたが、幸い天気ももってくれて、「いい展開になるだろう」と楽しみにしていました。それがスタートから20分ほどで、すべてが終わってしまうとは……。ベテラン同士の意地がぶつかったような感じでしたね。確かにポジションアップのチャンスがあり、クルマの調子も良かったのでしょうが、やはりチームとしては3時間を走り切って結果を残してほしかったです。クルマ、タイヤのコンディションが良かっただけに、本当にもったいなかった。最終戦では、しっかりとシーズンの集大成にふさわしいレースをしてもらいたいですね。チームとしてできることをやりきり、持てる力をすべて出し切って、悔いのない形で締めくくりたいと思います。
松田次生選手のコメント

前を走る64号車をオーバーテイクしようと思い、最終コーナーからうまく立ち上がって併走し、抜くタイミングをうかがっていました。ところが3コーナーで接触する形となり避けようがなかったですね。その後は完全に止まれず、そのままタイヤバリアにぶつかってしまいました。クルマは激しく損傷し、ラジエターも壊れて水温が上昇。もう走行できる状態ではなかったため、クルマを止める判断をしました。つらく、もったいないレースになってしまい、本当に悔しいです。今回、クルマもタイヤもいい状態で、表彰台を狙える戦いができると思っていただけに残念です。最終戦のもてぎでは、しっかりと力を出し切って、いい形でシーズンを締めくくりたいです。
名取鉄平選手のコメント

土曜日の公式練習でロングランを担当した際、クルマのフィーリングがとても良く、決勝で上位を狙える手応えを感じていました。決勝では中盤以降にダブルスティントを担当する予定で、攻めの走りをしようと意気込んでいましたが、残念ながらその出番が回ってきませんでした。チャンスがあっただけに、本当に悔しいですね。特に前回のSUGOで優勝した直後のレースだったので、その思いはより強いです。仕方のないことですが、この気持ちをしっかりと最終戦にぶつけて戦いたいと思います。
大駅俊臣エンジニアのコメント
心配された雨にもならず、今回のコンディションに合わせたクルマとタイヤの準備ができていただけに、ほとんどレースができずに終わってしまったのは非常に残念です。3時間という長いレースで、チームとしての力を存分に発揮するチャンスだと思っていましたが、あっという間に終わってしまいました。当初の予定では、最初のピットインで松田選手から名取選手に交代し、ダブルスティントで走行するプランでした。公式練習でロングランのシミュレーションを行い、手応えもあり、SUGOに続いて表彰台を狙える戦いができると楽しみにしていたのですが……。接触により足まわりを大きく損傷していたため、仮にピットに戻って来られたとしても、走り続けるのは難しかったと思います。最終戦までのインターバルも短いので、しっかりと準備を進め、もてぎでは最後まで力強く走り切ってシーズンを締めくくれるようにがんばります。












