RACE REPORT

SUPER GT GT500

第7戦 オートポリス

予選(10月20日・曇り/ドライ・ウェット)

予選レポート

No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z ポールポジション獲得!!

大分・オートポリスを舞台とするSUPER GT 第7 戦。10 月19 日は、公式練習と予選が行なわれる予定だったが、サーキットは朝から濃霧に見舞われた。午前9 時20 分から公式練習が予定されていたが、視界不良でスタートが延期に。その後は視界回復を待って再三開始時間が先延ばしされたが、結局のところ回復には至らず。結果、公式練習はキャンセルとなった。これを受け、公式予選は改めて決勝日の朝、午前8 時からの開催に。まず、GT300 クラス、続いてGT500 クラスがそれぞれ30 分間にわたるアタックを行なうこととなった。

ワンデーレースとしてイベントを実施する日曜日は、雨こそ上がってはいたが鉛色の雲に覆われ、また霧も出ており、依然として不安定な状態。気温も低く、路面もウェットではあったが、なんとか定刻通り予選が開始した。午前8 時30 分から30 分間のGT500 クラス予選を予定していたが、先に出走したGT300 クラスで赤旗中断があったため、3 分遅れのスタートに。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z の計時アタックを務めたのは、名取鉄平選手。自身、GT500 で初めてオートポリスでのレースを迎えるなか、アタックを志願して臨むことになった。

名取選手はまずウエットタイヤでコースイン。徐々にドライアップし始めたコースコンディションを見計らい、スリックタイヤへと交換。満を持して挑んだアタックでは、セッション終了3 分前の時点でトップタイムとなる1 分33 秒162 のタイムをマーク! その後、名取選手のタイムを上回るチームはなく、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z のポールポジションが決定した。チームとしては、昨シーズン第4 戦富士以来の、また同じオートポリスでは2022 年以来となるポールポジションでもあった。

公式予選記録

Pos. No. TEAM DRIVER DIFF LAP SW
1 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
1’33.162 4
2 23 MOTUL AUTECH Z 千代 勝正
R.クインタレッリ
0.081 46
3 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也
福住 仁嶺
0.164 58

Start Time 8:33’31 Finish Time 9:03’31
Wet宣言(7:30)

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

エンジニアとドライバーの間で話を進めて、名取でアタックさせたいという事だったので、任せることにしました。速さのあるドライバーなので、頑張ってもらえたらと思いました。しっかりと仕事をしてくれたと思います。ただ、やっぱりドライコンディションでのレース、しかも3 時間という⾧いレースになると話は別です。まだまだタイヤに課題があるので、正直レースは苦労すると思っています。とはいえ、⾧いレースではどんな展開になるかわからないので、チャンスを掴みたいですね。今日は相当気温が下がって難しいコンディションですが、チャンスが増えるよう、少しでも長い時間、日差しが出てくれたらと願っています。決勝でもいいレースが出来る様、頑張ります。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

名取選手が自ら予選アタックに行く、と言ったので任せました。コースの状況は、僕のフォーミュラレースでの経験値を活かせると思い、ウエットからドライへとタイヤを履き替えるタイミングを見計らうなどサポートしました。他のチームの様子を見にて常にタイミングをチェックしていたんです。結果として、ポールポジションを獲ることができて良かったです。決勝に向けてはタイヤのウォームアップなど懸念材料は残っていますが、ひとつひとつクリアできるよう、その積み重ねでレースをしていくことが必要です。表彰台が狙えると良いなと思っています。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

路面を含め、予選ではあまりコンディションがわかりませんでした。ウォームアップでは不安な状況だったし、タイヤも温まり切らないと思っていました。正直なところ、アタックラップとしては前とのクルマの間が詰まったので、納得していないんです。結果としてポールを獲れたという感じですね。ただ、チームが信頼して僕をアタックに送り出してくれたし、それで獲れたポールだったので、すごく良い仕事ができたとは思います。

村田卓児エンジニアのコメント

今回、スタート時に装着したタイヤはウェットコンディションからドライアップしていくなかでもコントロールできるものでした。狙いどおりに働いてくれた部分と今後に向けて改善してほしい部分が見えました。しっかりとデータが取れたと思います。一方、レース結果はピットインのタイミングがすべてです。大勢のチームがピットに向かうなか、次に入ろうと思ったところ、FCY そしてSC と続いたので、ピットインできずチャンスが消滅しました。後半は路面がドライアップするなか、装着するタイヤ選択が難しかったですね。タイムが伸びず、厳しいレースになりました。

決勝(10月20日・曇り/ウェット・ドライ)

決勝レポート

ワンデーレースの第7 戦、ポール獲得も完走ならず

10 月20 日、大分・オートポリスにおいてSUPER GT 第7 戦の決勝レースが行なわれ、ポールポジションスタートを切ったKONDO RACING のNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は、3 時間レースを粘り強く戦うも、終盤にマシントラブルが発生。12 位で戦いを終えている。

慌ただしくも、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z にとっては実りあるセッションとなった予選からわずか4時間半弱。午後1 時20 分からのフォーメーションラップを経て、いよいよ第7 戦の3 時間レースが号砲。ポールポジションからのレースを牽引したのは、ベテランの松田選手。完全に乾き切ってはいないもののドライコンディションでのレーススタートとなったため、スタート直後は不安定な路面をうまくコントロールすることが求められた。一方、各車装着するタイヤメーカーが異なることもあり、松田選手は徐々に予選2 番手の23 号車 MOTUL AUTECH Z と差を詰められ、12 周目の第2 ヘアピンで逆転を許すことに。しかしながら、その後も2 番手の位置を死守。タフな状況下でも力走を見せた。

レースは開始から30 分を過ぎたころ、第1 ヘアピンで1 台の車両がコースオフ。これを受け、FCY(フルコースイエロー)さらにはSC(セーフティカー)が導入されたが、スタートからまもなく1 時間を迎える時点でレースが再開。ライバルチームがルーティンのピットインを始めるなか、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は34 周終わりでピットインし、タイヤ交換、給油、そしてドライバー交代の”フルサービス”を行なった。

コースへと向かった名取選手。予選では速さをしかと見せつけたが、ニュータイヤでのペースアップにはどうしても時間を要するため、思うようなポジションアップができない。しかも、ようやくタイヤが温まってペース良く走り出した矢先、またしてもアクシデントが発生。結果、SC ランによってレースペースでの追い上げに水を挿されてしまった。さらに、レース3 分の2 が終了する直前には3 回目のSC が導入されるなど、大波乱の展開に。落ち着きのないコース上で、なんとか少しでもポジションアップを目指す名取選手だったが、装着するタイヤの特性を活かす好機に恵まれず苦戦が続いた。

その後、リスタート明けにチームは2 回目のピットインを実施。引き続き名取選手がダブルスティントを担当してチェッカーを目指したが、やはり状況に変化は訪れず。No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は後方のポジション で周回を重ねていく戦いを強いられた。そんななか、90 周目の第2 ヘアピンを前に、突然のスローダウン。駆動系のトラブルのため、名取選手は為す術もなくクルマを止める。これにより、3 時間レースのチェッカーまで残り5 分を切った時点でNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z は戦列を離れるという悔しい結果に終わっている。今シーズンも残すところ2 戦となったが、依然として厳しい戦いが続くNo.24 リアライズコーポレーション ADVANZ。だがその一方で、タイヤ開発を重ねることにより、着実な進化も遂げている。その歩みを活かしながら、最終戦までチーム一丸となって力強いパフォーマンスを目指すのは言うまでもない。

決勝結果

Pos. No. TEAM DRIVER DIFF LAPS SW
1 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛
中山 雄一
3:01’11.604 92 38
2 23 MOTUL AUTECH Z 千代 勝正
R.クインタレッリ
0.885 92 46
3 3 Niterra MOTUL Z 高星 明誠
三宅 淳詞
2.966 92 70
12 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 松田 次生
名取 鉄平
3 Laps 3 4

Fastest Lap : 1’35.832(44/92) 175.582km/h 23 Katsumasa Chiyo / MOTUL AUTECH Z

No. TEAM LAPTIME
39 MOTUL AUTECH Z 1’35.832(44/92)

近藤真彦監督のコメント

近藤 真彦 PHOTO

オートポリスでは、予選での”一撃”の速さを皆さんに見ていただくことはできたのですが、レースになると・・・。もともとタイヤに関しては、ウォーアップに課題がちょっとある事がわかっていたものの、他メーカーと比較しても相当遅かったですね。アウトラップではかなりのタイムロスになったので、結果として出遅れてしまいました。今回は3時間レースでピット作業が2回必要だっただけに、さらに遅れをとることになってしまいました。タイヤがしっかりとウォームアップしてしまえば、ラップタイムとしても周りとも遜色なく走れるんですが、肝心のウォームアップで遅れを取ってしまうと、そのロスタイムをコース上で取り戻すのは至難の業なんです。それが今回の結果に影響を与える事になりましたね。開発の課題のひとつにウォームアップが挙げられるんですが、良いレースラップを刻むことができるタイヤと、ウォームアップが良いタイヤとを同じモノにしなきゃレースでしっかりと戦うことが出来ないため、今後、開発に取り組んでいかなきゃいけないでしょうね。シーズンオフにはやらなきゃいけない課題がたくさんありますが、ドライバーも開発に向けて一生懸命取り組んでくれているし、レースそのものも出来る限りの力を出し切って頑張ってくれたと思います。いい仕事をしてくれて、データもたくさん取ることができました。それだけに、最後の最後になって、思わぬ駆動系のトラブルが出てしまい、クルマを止めることになったのは本当に残念です。残り2戦は寒い季節のなかでのレースになるので、正直厳しい展開になりそうです。ですが、そのなかで、次に繋がる戦いを諦めずに続けますので、応援してください。

松田次生選手のコメント

松田 次生 PHOTO

レースに向け、直前のウォームアップ走行ではタイヤを温めるためにかなり頑張りました。レースになってもしばらくはトップを守って踏ん張っていたのですが、やはり厳しかったですね。ただ、僕のスティントでは、セーフティカー明けもクルマにはペースがあったし、タイヤの良い点も感じることができました。レース全体を見れば厳しい結果だったし、悔しいのですが、モチベーションを保ってひとつひとつ戦っていけたらと思っています。正直、今年は厳しいかもしれませんが、こつこつとステップアップしていくことで、道は開けると思います。

名取鉄平選手のコメント

名取 鉄平 PHOTO

走りとしては普通に走れていたのですが、やはりどうしてもタイヤのウォームアップが難しく、そこでポジションを落とさざるを得ない状況になってしまいました。それがレースのすべてでもありました。最後は駆動系のトラブルが突然に出てしまったので、コース脇に止めました。仕方ないですね。次、頑張るだけです。

村田卓児エンジニアのコメント

レース前から予測はできていましたが、やはりタイヤのウォームアップが悪かったですね。レース前のウォームアップではそれを意識してタイヤにしっかりと熱を入れたり、対策をした上で松田選手に頑張ってもらいました。でも、ピットインで交換したばかりの冷えたタイヤではどうしても他車より大きな遅れを取ってしまって⋯⋯。3 時間レースなので、2 度ピットインするとその分タイムロスも大きくなるため、そのたびにポジションを下げるという状況を強いられ、厳しいレースになりました。限られた策のなかでもベストを目指して戦ったのですが、やはり太刀打ちするのは難しかったです。

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